いろはにほへど

朝起きて本を読んで寝てます。

厳選20作品!おすすめの超面白いライトノベル【2017年版】


更新情報:2017.10.23作品追加
毎年驚くほど数多く出版されている『ライトノベル』いったいどの作品が面白いの?って悩んでいる方も多いとおもいます。

はじめに

今回は、読みやすくてとにかく面白いおすすめの超良作ラノベばかりを2016年・2017年に出版された新作を中心に厳選してご紹介していきたいと思います!是非参考にしてみて下さいね。

おすすめのライトノベル

  • 表記はタイトル、あらすじ、感想の順になっています。
  • 掲載順序はランキング形式ではありませんが、どの作品も超おすすめです。
  • 作品は随時追加していきます。


ジャンルはファンタジー・異世界・お仕事・青春・学園・恋愛ものと様々ですお気に入りの作品を見つけて下さいね。それでは思う存分お楽しみ下さい!

クズと天使の二周目生活

俺、雪枝桃也は三十歳の構成作家。先輩作家や知り合いから仕事をもらって食いつないでいる。同期はアイドルと結婚。かつての仕事仲間はそれぞれ栄達を果たすなか、一人まったく売れていない。誰が悪いんだ?頑張りすぎたあいつらか?頑張らなかった俺なのか?そんなあるとき、俺は工事現場の落下事故に巻き込まれ命を落とすが、それは天使のミスだった!?救済措置で過去に戻れる?それなんてチートですか?お笑い芸人、天津向がおくる勝ち組への再起を懸けた人生やり直しコメディ!! (ガガガ文庫より引用)


天使のミスで死んでしまった人生を挫折した放送作家が、10年前から人生をやり直し成功を目指すお話。はっきりいってこの主人公、折れまくったせいなのかクズすぎて勝ち組になる姿を見たくないと思える程、とはいえ過去改変に厳しい制限があったり、恋愛禁止だったりと制約の多い中、怠け者のクズ天使のサポートのもと、自分が犯してきた失敗を繰り返さない為にドタバタしながらも必死に足掻いている姿はどこか憎めません。作者は天津向さんということで、ちょいちょいお笑い芸人が登場しています。探しだしてみるのも楽しいと思いますよ!

リンドウにさよならを

想いを寄せていた少女、襟仁遙人の代わりに死んでしまったらしい神田幸久。二年後、自由かつ退屈な日々を過ごす地縛霊として目覚めた彼は、クラスでいじめに遭う穂積美咲にだけ存在を気づかれ、友達になることに。一緒に過ごす内に美咲の愛らしさを知った幸久は、イメチェンを勧め彼女を孤独から解放しようと試みる。少しずつ変わり始める美咲の境遇。それはやがて、幸久が学校に留まる真実に結びついていく―。(ファミ通文庫より引用)


女の子を助けるため屋上から一緒に落ちてしまった主人公。気がついたら学校にいて誰も気がつかない幽霊になっていた。ある日主人公のことが見えるヒロインに出会い…。いじめにあう少女と地縛霊の少年が紡ぐさらりと読めるおすすめの青春ストーリー。『好き』が、恋愛とは違った純粋な好意の方に近いのも、読んでいてとても心地よかったです。

物理的に孤立している俺の高校生活

この俺、波久礼業平には悲しいけどマジで友達がいない。周囲の人間の体力を奪う異能力のせいだ。クラスでも物理的に孤立してて、まさにスクールカースト範囲外!いや、理不尽すぎるだろこの立ち位置!そんな俺の前に現れたのが、高スペックなくせに毒舌のせいで友達ができない、通称「氷の姫」高鷲えんじゅ。こいつが友達を作る『同盟』をもちかけてきたんだけど、ぼっちが集まっても建設的な意見なんて出せないよね―とか言って諦められるか!残念系異能力者たちが全力で友達づくりだけに奮闘する青春未満ラブコメ、スタート!(ガガガ文庫より引用)


半径1m以内の人間の体力を吸い取ってしまう異能力を持つために高校で孤立している主人公が、似たような境遇の女の子と同盟を作ってわりと楽しげに過ごすお話。根強い人気のぼっち系と異能力ものが上手くミックスされています。『どこかで見たような話』感は否めませんが、個人的には好きなジャンルで面白かったです。毒舌ヒロインと主人公の掛け合いがとくに笑えますよ!

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦

高度な科学力を有する帝国と、「魔女の国」と畏怖されるネビュリス皇庁。永く続く二国の戦場で、少年と少女は出会う。史上最年少で帝国の最高戦力となった剣士―イスカ。皇庁最強とうたわれる氷の魔女姫―アリスリーゼ。「わたしを捕えられれば、キミの夢も叶うかもしれないわ」「そっちこそ僕を倒せばいい。君の世界統一の前進になる」宿敵として殺し合う二人。しかし、少年は少女の美しさと高潔さに心奪われ、少女は少年の強さと生き方に惹かれていく。共に歩むことは許されず、互いを倒す以外に道はなくとも―。敵対する少年少女が世界を革新するヒロイックファンタジー!(ファンタジア文庫より引用)


戦いの最中出会った、最強の騎士イスカと氷禍の魔女姫アリス。2つの敵対している国の軍に所属している2人のボーイミーツガール作品です。お互い戦場では思いっきりぶつかりながらも日常として中立都市で出会うという流れがすごく良い。2人の恋愛感情への戸惑いが初々しくてニマニマしてしまいます。おすすめですよ。

読者と主人公と二人のこれから

この物語さえあれば、他に何もいらない。この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいれば―。だが、彼女は俺の前に現れた。灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。出会うはずがなかった読者と主人公の物語。その結末に、あるものは―。(電撃文庫より引用)


もしも好きな作品のヒロインが実際に目の前に現れたら…一冊の小説を通じて出会い、お互いにそれを利用して一歩ずつ近づいていく少年と少女のピュアな恋愛物語。高校生ものにはありがちのこじらせぼっちな細野と、彼が好きな小説の主人公そのものな柊。それぞれに思春期独特の臆病さや傷つきやすさ、繊細な気持ちが上手く描かれています。柊の方が微妙にしたたかなのもまた良い!初恋の一瞬の輝きを、見事に切り取ってみせた傑作です!

奴隷エルフちゃんを英雄にプロデュースします!

全世界で不規則に現れた“黙示録の獣”と呼ばれる怪物の存在により、人類は絶滅の危機に瀕していた。獣に対抗すべく二百年間、受け継がれてきた“英雄”の力により、世界はどうにか保ち続けていた。英雄の定めにより、一か月後には死が確定している現英雄、ヒューイ。死を目前にしても尚、やる気のない彼が自らの弟子に選んだのは、か弱い美少女の奴隷エルフ、フィオだった。呆れる周囲を他所に、当のヒューイはまじめに弟子の稽古をする訳でもなく…?「あの、なんで私は膝枕をさせられているのでしょうか?」「せっかく奴隷を買ったわけだし、なんかそれっぽいことしようかなって」世界の全てを託された継承は一体どうなる!?最も無謀な英雄譚、開幕!(MF文庫Jより引用)


魔獣の進行で人間たちの大半が滅びるという想像以上に崖っぷちな世界、エルフの少女と英雄としての運命を背負った主人公の物語。タイトルや絵の柔らかさから醸し出される日常ゆるふわ物語という想像は口絵まで、かなりのシリアス展開です。なんだかんだ苦難を抱える英雄とエルフは本当いいコンビ!面白いです。

友達いらない同盟

俺―新藤大輔は、中学生の時に友達の定義について考えてみた。俺にとっての友達とは何か?するとすぐに答えは出た。こいつになら、まあ、殺されても仕方ない。そう思える相手。俺にとっての友達の基準はそうなり―結果高校のクラスで友達を作ることはできず、中学からの友達が別のクラスに一人だけ。そんな俺に、クラスメイトの少女・澄田が声をかけてきた。「新藤君、わたしと―同盟を組んで下さい」同盟とはいったい何をするのかと思いきや、ノートを貸し借りしたり困ったときに助け合ったりするらしい。澄田は友達がほしくないので、孤立している俺に声をかけたらしいのだが―?第5回講談社ラノベチャレンジカップ受賞作が登場!(講談社ラノベ文庫より引用)


友達を作らず1人孤独に生きてる高校生の新藤が、同級生の澄田と友達いらない同盟を結び学園生活をおくるお話で、人と人の繋がりとはなんなのかが詰まったラノベ。表紙が地味ですし、タイトルや煽り等宣伝文がありきたりなところもありますが!かなり満足度の高い良作です。よくあるぼっちものと見せかけて、人間関係や自殺についての暗い問題に、徹底的な論理で切り込んでいて、新しい青春小説の形を見た気がします。おすすめですよ!

だからお兄ちゃんと呼ぶなって

目を覚ますとそこには息を呑むような美少女。そして彼女は、「お兄ちゃーんっ!」と俺に抱きついてきた!誰なんだこの子?いや俺は―。どうやら俺こと蓮杖アキは、事故によって記憶を失ってしまい、萌々と名乗るこの少女は俺の妹なのだそうだ。しかし、記憶を取り戻させるためと俺を襲うのは、過剰なまでの妹の愛!しかも記憶を失くす前の俺は、萌々よりヤバい兄だったようで!?(ファミ通文庫より引用)


一昔前の妹ものラブコメに、記憶喪失系ネタを仕込んだ古いラノベ感。記憶喪失になった主人公が本来の自分を手繰るドメスティックラブコメ。過去の記憶とかラストとかで全力で殴りに来てるからドメスティックラブコメです。記憶を取り戻すため自分を知る者たちに確認すると返ってくるのは超ブラコンの最低野郎という評価ばかり、そして時折顔を見せる不穏な影…。普通にラブコメとして読んでも、主人公の突っ込みが冴えわたっていてかなり面白い!

近すぎる彼らの十七歳の遠い関係

母と二人で暮らす家で、遠い親戚の女子、和泉里奈と同居することになった坂本健一。里奈の控えめな性格や気遣い、女子校育ちの無防備さは、他人との距離に悩む健一に、初めて思春期を意識させる。同じ十七歳の女子と一つ屋根の下で生活していることを友人達にも隠そうとしていた健一だが、幼い頃からの腐れ縁、森由梨子に知られてしまい、彼女との距離感にも微かな変化がもたらされることに―。多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー。(ファミ通文庫より引用)


ゆっくりとした時間の中で描かれる少しせつないおすすめの青春ラブストーリー。同い年の親戚の女の子と同居することになるところから始まり淡々と異性を意識し始めた『十七歳』のリアルが伝えられていきます。特別変わったキャラクターは出ないし、バトルもない、狙いすぎた萌えもないっていうのはラノベでは珍しいと思いますが、普通の恋愛モノもいいものだなあと再確認させてくれる作品。甘酸っぱいな…。

追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ

二学期初日。空虚な日々を送っていた俺、篠山マサキは混乱した。慣れた様子で教室へ突然現れたのは、俺の記憶にだけ存在しない少女。しかも、優等生と評判のお前ときたら、猫被ってるわ、仮面恋人を演じるハメになるわで、もう散々だった。だけどお前は、俺にお手製の弁当を作ってくれた。一緒に登下校をしてくれた。誰にも言えない妙な関係だけど、そんな毎日を何よりも楽しんでる俺がいた。でも、気づいたんだ。出会うはずのないお前との時間は、結局絵空事に過ぎない、と。だから俺は―風間ハルカを消すことにした。(ファンタジア文庫より引用)


2学期初日、登校すると自分の記憶だけにはない少女が…寂れた場所にある郵便ポストに投函した1枚のハガキにまつわるお話、青春とSFが心地よく混ざり合った素敵な物語です。優等生の仮面を被って実は腹黒なハルカと、主人公・マサキの罵り合い、その中での唐突な変化。手紙を書くと、その通りになっているのですが、全てがかなうわけではない…その法則性とは?凄く面白くて、読んでいて青春してきた気分になれますよ!

異世界魔法は遅れてる

「―魔術師、八鍵水明。全ての理に辿り着くことを志す現代の神秘学者だ」現代に生きる魔術師である八鍵水明は、突如現れた魔法陣によって友人とともに異世界へ転移してしまう。だけど勇者として呼び出されたのは友人で、自分はそれに巻き込まれただけ!?しかも帰る方法がわからない!?水明は魔王討伐の旅に同行することを断り、ありとあらゆる現代魔術を駆使しながら、もとの世界に帰る方法を探しはじめる―。圧倒的な現代魔術と未知の異世界魔法が交錯する異世界ファンタジー、開幕!!(オーバーラップ文庫より引用)


手練れの魔法使いが文明の低い異世界に強制転移させられて怒るお話。結局俺TUEEなのですが、そこに至るまでの持っていき方が上手い!そして、聞きかじった程度では作れないような、実際に見たかのようなリアリティのありすぎる魔法描写が凄い!にじみ出る作者の中二病に思わず変な笑いがこみ上げてきます。おすすめです。

文句の付けようがないラブコメ

この俺、波久礼業平には悲しいけどマジで友達がいない。周囲の人間の体力を奪う異能力のせいだ。クラスでも物理的に孤立してて、まさにスクールカースト範囲外!いや、理不尽すぎるだろこの立ち位置!そんな俺の前に現れたのが、高スペックなくせに毒舌のせいで友達ができない、通称「氷の姫」高鷲えんじゅ。こいつが友達を作る『同盟』をもちかけてきたんだけど、ぼっちが集まっても建設的な意見なんて出せないよね―とか言って諦められるか!残念系異能力者たちが全力で友達づくりだけに奮闘する青春未満ラブコメ、スタート!(ダッシュエックス文庫より引用)


神様の少女セカイと神様に捧げられた少年ユウキ、千年を生きる孤独な神と、諦めず救おうとし続ける男のお話です。『ラブコメ』という言葉がこれほど皮肉な意味で使われるとは…。最初はどうかな?と思っていましたが最後の最後で凄い面白い!ってなった作品。神退廃的な世界観が魅力的で好きな人はとことん好きそう。

俺を好きなのはお前だけかよ

ここで質問。もし、気になる子からデートに誘われたらどうする?しかもお相手は一人じゃない。クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼馴染み・ひまわりという二大美少女!!意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。そして告げられた『想い』とは!…親友との『恋愛相談』かぁハハハ。…やめだ!やめやめ!『鈍感系無害キャラ』から、つい本来の俺に戻ったね。でもここで俺は腐ったりなんかしない。恋愛相談に協力すれば、俺のことを好きになってくれるかもしれないからな!そんな俺の哀しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。パンジーこと三色院菫子。三つ編みメガネな陰気なヤツ。まぁなんというか、俺はコイツが嫌いです。なのに…俺を好きなのはお前だけかよ。(電撃文庫より引用)


気になる女子からは恋愛相談の相手にされ、大嫌いな地味女からは何故か好意を寄せられる振り回され系コメディ。難しいことを考えずにゲラゲラ読めるこちらの作品、ストーリーはあらすじからおおよそ察することができるのですが、それを逆手にとってのどんでん返しがとても面白い!斬新なラブコメを読みたい方にオススメです!

ゴブリンスレイヤー

その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級にまで上り詰めた稀有な存在がいるという…。冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼娘。そんな中、彼の噂を聞き、森人の少女が依頼に現れた―。(GA文庫より引用)


『このライトノベルがすごい! 2017』文庫新作ランキングで1位を獲得した作品、実力はあるのにゴブリンだけを倒す男を色々な視点で描いていくお話です。レベルを上げても『俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ』と豪語して、常に慎重に執拗にひたすら狩る作業が書いてあるのですがこれが結構面白い!ただしえぐい描写が多いので、苦手な方は注意が必要かも?

始まりの魔法使い

かつて神話の時代に、ひとりの魔術師がいました。彼は、“先生”と呼ばれ、言葉と文化を伝え、魔法を教えました。そんな彼を人々はこう呼びました。―始まりの魔法使い、と。そんな大層な存在ではないのだが―「だから火を吹かないで!」「ごめんごめん。私にとってはただの息だからさ」竜として転生した“私”は、エルフの少女・ニナとともに、この世界の魔法の理を解き明かすべく、魔法学校を建てることにした。そこで“私”は、初めての人間の生徒・アイと運命の出会いを果たした―。(ファンタジア文庫より引用)


竜としての転生先は6000年前の原始時代だったというなかなか斬新なお話、主人公である先生が様々な種族と出会い交流を深めながら生前の知識と、エルフや人間の少女たちとの地道な実験で魔法を研究しながら少しずつ文明を築いていく物語です。 魔法に限らず日々のなかには発見が満ちていて、読んでいてわくわくする気持ちが湧いてきます。優しくて、温かくて、悲しくて、愛しい素敵な作品です!

ぼくたちのリメイク

僕、橋場恭也はしがないゲームディレクター。会社は倒産、企画もとん挫して実家に帰ることになる。輝かしいクリエイターの活躍を横目にふて寝して目覚めると、なぜか十年前の大学入学時に巻き戻っていた!?落ちたはずの大学に受かっていて憧れの芸大ライフ、さらにはシェアハウスで男女四人の共同生活と突如、バラ色の毎日に!ここから僕の人生を作り直すんだ―後の超有名クリエイター(の卵)と共に送る新生活がいま始まる!と、意気揚々と始めてみたもののそんなにうまくはいかないみたいで…。(MF文庫Jより引用)


もしあの時芸大に行っていたら…ゲーム会社が倒産して無職になった主人公が10年前にタイムスリップして、当時は入学しなかった芸大で人生をやり直す青春物語です。才能あるクリエイターの卵たちと協力し、ぶつかり合いながらも一つの作品を作り上げていく展開はすごく面白いですし、アクシデントにみまわれながらも、製作として全力を尽くす主人公が魅力的でとても良い!それぞれのキャラクターが才能を発揮するシーンなんか鳥肌ものです。4人の学生達の爽やかなシェアライフと、クリエイター達の熱い情熱を感じることが出来る良作です。

ラノベのプロ! 年収2500万円のアニメ化ラノベ作家

「バッキャロウ!こういう人気作は、発売日に買いたくねえんだって。俺より売れてる作家の初動に貢献したくないの!」アニメが爆死した、意識高い系ラノベ作家・神陽太の年収は2500万円。アニメがコケてもこれぐらい稼ぐことはできるが、この業界では全然たいしたことはない。上には本当に上がいる。そんなシビアな業界で陽太は“プロ”らしい日常を心がけるが―税金対策として雇った幼馴染み・希月結麻はラノベ知識ゼロ。後輩作家のJKとJCの才能には焦らされ、担当編集からはダメだしの嵐…。(ファンタジア文庫より引用)


望公太さんの描く最近流行りのラノベ作家モノですが『ラノベのプロ! 』はラノベ作家をこじらせた感が好き。ラノベ業界のかなりシビアな情報やリアルな数字が、ウソか本当か生々しい数字を多用して明かされていて興味深かく読めます。作者の書きたいことが詰まってる感じでとても面白いですよ!

14歳とイラストレーター

「ラノベの挿絵は1冊30万円。税金も家賃もPC代もここから支払うんだ」フェチズムの最前線を走るプロ・イラストレーター京橋悠斗はラノベ挿絵に心血を注いでいる。類は友を呼ぶのか、周りも曲者ぞろいで…巨乳と酒が大好きなチャラ系ベテランレーター倉山錦。いつも笑顔のほがらか美人レーター佐伯愛澄は「ストーカーほいほい」の異名に悩む。そして、14歳のコスプレイヤー乃木乃ノ香、イベント後に悠斗の部屋まで来て、とんでもないものをぶっかけられてしまい―!?理想と現実、そして欲望に振り回される。イラストレーターのガチな日常を大公開!(MF文庫Jより引用)


今までありそうでなかったイラストレーターもので、イラストレーターあるあるを盛り込みつつラノベらしいラブコメ作品。ほとんど馴染みのない世界で終始日常に徹しているので盛り上がりには欠けるのですが、読んでいて心地いい。文章がとても読みやすくてキャラクターも魅力的なので作品にとても引き込まれます!

妹さえいればいい

妹バカの小説家・羽島伊月の周囲には、いつも個性的な連中が集まっている。愛も才能もヘビー級、残念系美少女のハイエンド・可児那由多。恋に悩み友情に悩み夢に悩む青春三冠王・白川京。鬼畜税金セーバー・大悠アシュリー。天才イラストレーター・ぷりけつ―。それぞれ迷いや悩みを抱えながらもゲームをやったり旅行に行ったり仕事をしたり賑やかな毎日を繰り広げる伊月たち。そんな彼らを温かく見守る完璧超人の弟・千尋には、大きな秘密があって―。(ガガガ文庫より引用)


今秋にはアニメ化も予定されている『妹さえいればいい。』は、妹設定を愛しすぎたライトノベル作家が、変な仲間と沖縄や北海道に行ったり、TRPGをするお話。計算された薄さ軽さで読みやすい日常モノ青春物語です。感想は…めちゃくちゃおもしろい!裏事情みたいなものも含まれているので楽しく読めますよ。

ありふれた職業で世界最強

“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい―!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす―。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、開幕!書き下ろし番外編「勝率0%の戦い」収録!(オーバーラップ文庫より引用)


クラス丸ごと異世界に飛ばされてしまうトリップ物、つぎつぎに戦闘向きの能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ…。主人公の豹変がとにかく凄くて、最初は『もうこれ詰んだ!』としか思えない弱さなのに『これ卑怯!』ってくらい強くなるのが一周回って爽快。ヒロインと思われたクラス女子をよそに、異世界女子とくっつく展開は意外でした。

月が導く異世界道中

ある日、親の都合により月読命様に導かれ、異世界へ行くハメになった僕、深澄真。チート能力も授かり、これはまさに勇者フラグか!と思いきや、この世界の女神に「あんた、顔がブサイクだから」と断ぜられ、僕は「世界の果て」に飛ばされてしまう…。…まあ、仕方ない。開き直って異世界を楽しむか!こうして、裸一貫で人の温もりを求める旅を始めたわけだけど、出会ったのはフローラルな香りがするオークの娘、時代劇かぶれの竜の化け物、M属性のヘンタイ大蜘蛛etc―…僕の周りは見事なまでに人外祭りです。ちくしょー!ふざけんな!僕は絶対めげないぞ!(アルファポリスより引用)


面食い女神のクズ度がいい感じの異世界ファンタジー。冴えない見た目の主人公が性悪女神に疎外されて異世界で生き抜くのですが、見方になるのは魔物ばかり。主人公は基本的に力隠すスタンスですが、ここは暴れて欲しいってときにはちゃんとヒロインお供二人が暴れてくれるのは爽快で面白い!

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを

魔法の息吹がかかったアイテムや食物が産出される『迷宮』。これを中心に栄える迷宮都市の外れに佇む一軒の喫茶店では、この異世界で唯一コーヒーが飲める。現代からやってきた高校生店主ユウが切り盛りするこの店には、コーヒーの芳しい香りにつられて、今日も喫茶店グルメを求めるエルフやドワーフ、冒険者たち、そして街の有力者までもが“常連”として足を運ぶ。近所にある魔術学院に通う少女リナリアもそのひとり。まだ、コーヒーは甘くしないと飲めないけど、ユウがいるこの店の雰囲気がお気に入り。でも、ライバルの女の子たちは他にもいて?恋のスパイスが効いたおいしい物語を異世界喫茶からお届け。(ファンタジア文庫より引用)


なにがなんだか分からないまま異世界に放り込まれた少年は、かつての世界との絆として喫茶店を経営します。主人公は基本的に店から外に出ないので、戦闘や冒険はありません。そして主人公がギリギリチートとは言えないレベルで現代文明の産物である料理を客に振る舞う事で物語は進行していきますのでドキドキもハラハラもなく、穏やかでゆっくりとした日常があります。この作品を読んでるとまるで自分も喫茶店にいるかのような気分になって心が癒されます。コーヒーを片手にどうぞ!


あとがき

いかがでしたか?おすすめの新作ライトノベルをご紹介してきました。どれもとても面白くて読み始めると絶対にはまる作品ばかりです!気になるものが見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

泣いてストレス解消したい方に超おすすめ!絶対に泣ける小説 20選!

大人になってめっきり泣かなくなっていませんか?『泣く』ということは心に溜まったストレスなんかをデトックスさせてくれる、とても大切な行為です。時には思いっきり泣いてすっきりしてみませんか?今回は、涙なしでは読めないようなおすすめの小説をジャンルを問わず厳選してご紹介していきたいと思います。

泣けるおすすめの小説

  • 表記はタイトル、著者、あらすじ、感想の順になっています。


それでは、ごゆっくりご覧になってあなたの『泣ける小説』を見つけてくださいね。

旅猫リポート/有川 浩

野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。(講談社文庫より引用)


5年暮らした愛猫・ナナの新しい飼い主を探す、サトルとナナの旅のお話です。動物は人の心が分かるって言いますが、本当に『ナナ』みたいな感じなのかもしれません…猫視点なのでコミカルだけど内容に重みがあって、人と人、猫と人、あたたかい絆に溢れた物語、サトルとナナから『幸せ』とか『愛』とか『生きること』とか…すごく大切なことを教えてもらったような気がします。ふう…それにしても尋常じゃないくらい泣いてしまいました。私の中で、有川浩さんの作品では『阪急電車』が最高だと思っていましたが、それを超える作品かも。おすすめです!

その日のまえに/重松 清

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。(文春文庫より引用)


生と死がテーマの短編集なのですが、どの作品もどこまでも透き通っています。『その日』自分の大切な人が亡くなる日、それを分かっていて過ごす日常が描かれていて、簡単な言葉で永遠に解けない問題を解いているかのような内容…重松清さんってやっぱり凄い。最後のあたりで全ての内容がほんのり繋がってるところでは、もう鳥肌が立ってしまいました。心が癒されて人に優しくなれる一冊、涙が何度も何度も繰り返し込み上げてきます。


博士の愛した数式/小川洋子

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい"家政婦。博士は“初対面"の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。(新潮文庫より引用)


こちらは第1回本屋大賞受賞作品、事故によって80分しか記憶が続かない老数学者と家政婦、そしてその息子の交流が描かれています。毎朝同じように初対面の挨拶がおこなわれ、博士の体のあちこちには忘れてしまって困らないようにとメモが貼られています。そんな博士が『好き』だから、一生懸命に博士の話にあわせようとする息子、哀しいけれどとてもあたたかい…。こんなにも静かなあたたかさに満ちた世界が本の中に完成されていることに感動、泣きっぱなしでした。


小説 星守る犬/原田マハ

道ばたでないていた子犬の「ぼく」を、みくちゃんって女の子が拾ってくれた。ぼくの新しい生活がはじまった。みんな一緒の楽しいくらしは、ずっと続くと思ってた。でも、家族はだんだん離ればなれになって、ぼくは一人取りのこされたおとうさんと「旅」に出ることになったんだ―。(双葉文庫より引用)


「原生林の中に放置された車の中に 白骨化した遺体、その遺体の近くで白骨化した犬の遺体も発見された。男性の遺体は死後1年以上経過、犬は死後3ヵ月」…仕事も家族も健康も失ったおとうさんと飼い犬ハッピーは旅に出た…。物語は『ぼく』という犬の目線で話が進んでゆきます。どんな状況でもぼくに対する愛情が変わらないおとうさんと一緒に居られることが嬉しくてたまらない姿が健気で、ただひたすら飼い主を思う犬の姿に泣けて泣けて仕方ありませんでしたが、読後感はとてもさわやかで、心に温かいものが残ります。


ツナグ/辻村 深月

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。(新潮文庫より引用)


死者と生者を一度だけ引き合わせる事が出来る使者(つなぐ)と様々な思いを抱く依頼人たちとの短編連作。会うことで、悲しみや後悔が和らぐこともあれば、もう二度と償うことが出来ない事実に打ちのめされることもある…。しっとりとした優しい終わり方が良かったです。読んでる間も泣けるし、思い出しても泣けた一冊。

辻村深月さんのおすすめ作品


くちびるに歌を/中田 永一

長崎県五島列島のある中学校に、産休に入る音楽教師の代理で「自称ニート」の美人ピアニスト柏木はやってきた。ほどなく合唱部の顧問を受け持つことになるが、彼女に魅せられ、男子生徒の入部が殺到。それまで女子部員しかいなかった合唱部は、練習にまじめに打ち込まない男子と女子の対立が激化する。一方で、柏木先生は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝啓十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課した。そこには、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた。(小学館文庫より引用)


長崎の五島列島を舞台に、合唱部に所属する中学生たちが主人公のお話、とても爽やかな清々しい風を感じました。男女で対立が起こったり、淡い恋愛感情の描写があったり、中学生ならではの悩みや葛藤を抱えている姿がリアルに描かれていて、これぞ青春という感じでしっかりと感動させてもらいました。そしてラストの一文は、歌を聞き終った後の余韻のように心に響きました。


夏の庭/湯本 香樹実

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。(新潮文庫より引用)


人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、ご近所でいつ死んでもおかしくない、生きる屍と噂されているおじいさんを観察し始める小学校6年生の男の子3人組とおじいさんとの交流と友情が描かれた作品。最初は怖れを抱いていた死という概念を、ある意味家族と同じように親密になったおじいさんの死を通して、彼等なりに消化し、前を向いて歩いていく…といっても物語自体は明るく描かれていて、微笑ましい描写もたくさん。穏やかでじんわりと心に染みるお話でした。


とんび/重松 清

つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。(角川文庫より引用)


ホリエモンが独房で読んで咽び泣いたという『とんび』は、潮の香りが今にも漂ってきそうななつかしい物語。不器用なのだけど、お互いを想う愛に溢れているベタベタな家族愛ものですがどうしようもなく心に沁みて、涙がぼろぼろと出てきます。 人肌のような温もりがひしひしと伝わってきて、素直に温かい気持ちになれる一冊です。


椿山課長の七日間/浅田 次郎

働き盛りの46歳で突然死した椿山和昭は、家族に別れを告げるために、美女の肉体を借りて七日間だけ“現世”に舞い戻った!親子の絆、捧げ尽くす無償の愛、人と人との縁など、「死後の世界」を涙と笑いで描いて、朝日新聞夕刊連載中から大反響を呼んだ感動巨編、待望の文庫化。(朝日文庫より引用)


椿山課長ら3人の死者が現世に戻ってやり残していたことに片をつけていく結構悲しいお話なのに、ユーモアがあふれていて、もう爆笑しながら号泣。死後の世界をこんなふうに描ける人はそういないと思います。知って良かった、知らなければ良かった、色んなケースが三者三様で描かれていて、心温まる一冊でした。


昨夜のカレー、明日のパン/木皿 泉

7年前、25歳で死んでしまった一樹。遺された嫁・テツコと今も一緒に暮らす一樹の父・ギフが、テツコの恋人・岩井さんや一樹の幼馴染みなど、周囲の人物と関わりながらゆるゆるとその死を受け入れていく感動作。(河出文庫より引用)


若くして夫の一樹を亡くしたテツコと、一樹の父であるギフ。主人公の二人や一樹と関わりのあった周囲の人達のエピソードが短編集の形で綴られています。『死』がテーマの小説なのにどこかほのぼのしていて、独特の雰囲気があって、一話読み終わるたびに気持ちがほんわか。とても心地のよい読後感を味わえますよ。


永遠の0/百田 尚樹

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。(講談社文庫より引用)


零戦に乗り特攻で亡くなったという祖父。彼は実際はどういう人間だったのか。彼を知る人物を訪ね、戦争とは何か、当時を生きた人の真実とは何かを考えるお話。言わずと知れた百田尚樹さんのデビュー作。途中何度も感動して涙してしまって、その時々で立ち止まりその先を読むのが辛くなります。愛する人を限りなく想い、必死に戦ってくれた人がいるから今がある。賛否両論あるかもしれませんがおすすめします。


カラフル/森 絵都

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。 (文春文庫より引用)


死後の運命を抽選で決めたり、プラプラという力の抜けた名前の天使が出てきたり。ゆるい設定のためか、死にまつわる物語なのに暗い感じはせず、ポップで爽やかな印象で凄く読みやすかったです。『どんな人もどんな人生も、いろんな絵の具を持っている。きれいな色も、汚い色も』その言葉にフッと心が軽くなります。とてもカラフルな物語で綺麗な世界観でした!


神様のカルテ/夏川 草介

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。 (小学館文庫より引用)


変人と呼ばれる内科医の栗原一止の心のこもった医療の物語。厳しい現場や思い通りにいかないもどかしい現実の中でも、人へ寄り添い、思いやる大切さを描いたとても読みやすくて優しいお話でした。ほっこり読み終えられますよ!シリーズものとなっています。


君の膵臓をたべたい/住野 よる

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて―。読後、きっとこのタイトルに涙する。「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなす、大ベストセラー青春小説!(双葉文庫より引用)



不治の病の彼女と本と孤独を愛する彼の不思議な関係が描かれたお話。普段人と関わらない男の子、周りの人にどんな時にでも明るく接することで生を実感する女の子。明るいヒロインと、淡々とした主人公のやり取りが、読んでいてとても気持ちいい。2人とも実は完全に心を開ききっていないのですが、お互いがお互いだけに徐々に心を開いていきます…切なくもあたたかい気持ちになれるとても素敵な作品。特に後半は外で読むのは危険、すごく泣けますよ!

2017年映画化される小説まとめ


君と会えたから・・・/喜多川 泰

将来に対する漠とした不安を抱えながらも、自分のやるべきこともやりたいことも見つけられずに何もせず、無気力に過ごしていた平凡な高校生の僕のもとに、ある夏の日、美しい女の子がやってきた。そして、彼女から、その後の僕の人生を変える教えを聞くことになる。いつしか彼女に恋心を募らせていた彼の前に次第に明らかになっていく彼女の秘密とは……。(ディスカヴァー・トゥエンティワンより引用)


無気力に毎日を過ごす主人公がふと知りあった女の子に恋心を抱き、彼女と会う内に自分の人生に必要な何かに気づいゆく…ストーリーは短いのですが、余韻はとても長いです。文体がシンプルでとても読みやすく、やりたいこと、これからやるべき事を見つける手がかりになるかもしれない素敵すぎる一冊。今自分のやりたいことがわからなくなり、悩んでる人にオススメです!この作者さんの話は悲しかったり、切なかったりする中で人生について、本当に大事なことを考えさせてくれるものが多いと思います。もちろん泣けます。


八日目の蝉/角田 光代

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。(中公文庫より引用)


映画から入って、小説がもっといいと思えた作品。1つの事件を通して、2人の女性の人生が綴られています。愛する既婚男性の子供を身ごもりながらも抱きかかえることは叶わず、男の赤子を連れ去って幾多の困難に見舞われながら逃げ惑う女性…。主人公のどうしようもない母性に、読んでいて息が詰まり、母とは何か、家族とは何かを考えさせられました。小豆島が舞台となるこの物語、きれいな瀬戸内の海を見て、ゆっくり読むのがおすすめ!


十二番目の天使/オグ マンディーノ

私の人生は素晴らしいものだった、ほんの二週間前まで。妻子を失い、絶望の果てに自殺を決心した私の命をそのとき、ある天使が救ってくれた…。全米が泣いたベストセラー小説。 (求龍堂より引用)


ここから海外の作品を何冊かご紹介。人生を終えようとしていた人間が、小さな小さな少年に救われ…そして、人を救う側にまで立ち直ることができた。『十二番目の天使』は、人生再起の感動小説で、展開は正直予想できてしまいますが、それでも最後はウルっときてしまいます。絶対に、絶対に、絶対に、諦めない!少年の健気な姿とチームメイトの温かさが、心に沁みる素敵な一冊。


青空のむこう/アレックス シアラー

「この世」に思いを残したまま死んだ少年が、「この世」にゴーストとなって戻ってくる。友達、家族に思いを伝える術がなかったが、最後に奇跡が起きて「あの世」に旅立ってゆく。 (求龍堂より引用)


物語は主人公の少年が事故で亡くなり死者の国に来たところから始まります。生前に大きな後悔がある彼は死者の国から舞い戻り自分の人生を振り返る冒険に出ます…。死生観について書かれていながら暗くなりすぎておらず、むしろ前向きな気持ちになれる本。ユーモラスな語りでとても面白い本なのに、途中からずっと泣いてしまいました。


アルジャーノンに花束を/D・キイス

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは? (早川書房より引用)


不朽の名作。チャーリーの日記で進む物語。小さな子どもが書いたような文章が徐々に高度なものになって、論文調になり、そしてゆっくりゆっくり最初に戻っていく…読んでいくとどんどん引き込まれていきます。『知識』とは、『優しさ』とは、『愛情』とはと問うメッセージが強くながれ続け、本当に認めて欲しい感情がなんだったのかを最後に主人公は理解します。何度読んでもラストは涙します。

心を豊かにしてくれる小説5選


あの空をおぼえてる/J・L・ケアリー

事故で妹を失い自身も重傷を負った11歳のウィルは、死んだ妹に宛てた手紙を書きつづけるが、それは誰も知らない二人だけの秘密だった…。かざらぬ少年の優しさと家族の愛が胸に響く、生きている幸せを感じられる物語。 (ポプラ社より引用)


タイトルと表紙に惹かれて読んだのですが、哀しくて優しいお話。死んだ妹に手紙を書く兄、家族の悼みがだんだん癒されるまでが丁寧に描かれています。素直でどこまでも子供な『ウィル』の健気な優しさや、ずっと心に抱えてた気持ちに最後の最後で泣いてしまいましたが、こちらも読んだあとにはほっこり温かい気持ちになるそんな一冊でした。


あとがき

いかがでしたか?涙がとまらない。絶対になけるおすすめの小説 20選をご紹介してきました。人の死をテーマにした作品が多めですが、どの作品もとても優しくて、あたたかくて、心に沁みる世界が描かれていて素敵な読後感を味わえる小説ばかりです!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。


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辻村深月さんの魅力がぎっしり詰まったおすすめの小説6選!

今回は、幅広い読者からの熱い支持を得ている大人気作家『辻村深月さん』の魅力がぎっしり詰まったおすすめ作品をご紹介していきたいと思います。彼女の描く透明感のあって優しさに溢れた小説を思う存分お楽しみ下さい。

辻村深月さんプロフィール

まずはプロフィールのご紹介から。

1980(昭和55)年生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004(平成16)年に『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビュー。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。 引用:辻村深月 | 著者プロフィール | 新潮社


辻村深月さんのおすすめ小説

  • 表記はタイトル、あらすじ、感想の順になっています。

それでは辻村さんの描く魅力たっぷりの世界を思う存分堪能してくださいね!

1.冷たい校舎の時は止まる

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。(講談社文庫より引用)


辻村深月さんが高校生のころから書き始めたデビュー作でもある『冷たい校舎の時は止まる』は、ミステリーが好きな子に勧めてもらった一冊。読んでいてゾクゾクと不気味でダークな印象ですがそれでもかなり面白い!深月をはじめとした高校生数人が雪が降りしきる校舎に閉じ込められるのですがなぜか止まっている時計…それぞれが高校での生活を振り返り、文化祭の日に自殺してしまった同級生のことを考えます。ですが誰も思い出せません。そして自殺した生徒がこの中にいるのではないかという話になり…これはミステリーなのかホラーなのか、一度はまると止まらない濃密すぎる作品です!


2.スロウハイツの神様

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。(講談社文庫より引用)


お次は『スロウハイツの神様』各分野の売れっ子から卵まで、創作活動をする人たちが共同生活を送るスロウハイツでの物語。上巻では登場人物の丁寧な描写がメインでゆっくりと語られるのですが、キャラクターが全員素敵すぎ!どうして各々をこんな魅力的に書けるんでしょうか?そして、そこに登場する201号室の新しい住人がもたらす何かが変わってしまいそうな苦しい空気感…この全てが下巻のラスト半分につながっていくのがもう凄い!最終章では胸が詰まり、うるっとしてしまいました。はやく続きが読みたい!と思わせてくれるのも辻村深月さんの作品の特徴ですね。

3.島はぼくらと

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと―すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。直木賞受賞、第一作。(講談社文庫より引用)


海の匂いがしてくるような気がする素敵すぎる作品『島はぼくらと』は、瀬戸内海に浮かぶ冴島を舞台に、そこに住む4人の高校生の出会いや別れ、心境を描いた透明感あふれる青春物語。一人一人の生き方や生活がとてもわかりやすくて、まるで島の住民になったかのように読み進めることができて清々しい読了感!辻村作品の良さがこれでもかというほどに詰め込まれた爽やかな作品です!


4.かがみの孤城

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 (ポプラ社より引用)


そして辻村深月さんの新作『かがみの孤城』は、些細なことで、学校での居場所を無くし、行けなくなってしまった少女こころが主人公。部屋の鏡の中に引き込まれ、出会った6人の同じように学校に行けない少年少女たちと出会い…一つの城を舞台としたミステリーになっています。あっという間に物語の世界に入り込んでしまって、最後の100ページくらいからは鳥肌がたちっぱなし、結構深い感動をもたらしてくれた一冊です。特別でない普通の子をこんなに素敵な物語にする力のある辻村さんはやっぱり凄い!


5.名前探しの放課後

依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。(講談社文庫より引用)


『冷たい校舎の時は止まる』と設定が似ている気もしますが、こちらももちろん面白くておすすめです。3ヶ月前にタイムスリップした依田いつかが、これから自殺する同級生が誰なのか仲間と探すお話。あらすじを読む限り、暗く重たい内容を想像してしまいそうですが…清々しい!そして最後、怒涛の伏線回収にはもはや興奮!気持ちよく騙されたいと思う方にぴったりの一冊です。


6.凍りのくじら

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。(講談社文庫より引用)


そして最後にご紹介するのがこちらの『凍りのくじら』です。各作品で登場人物がリンクしているのが大きな特徴でもある辻村深月さんの作品をより楽しむ上でこの小説を最初に読むべきと言われる一冊。ドラえもんの世界を軸に、頭が良いことを自覚している冷めた女子高生の理帆子を中心とした何気ない日常が描かれているのですが、後半からは泣きながら読むことになると思います…そしてラストは…。読み終えてドラえもんが読みたいなあと思いました。


あとがき

いかがでしたか?辻村深月さんの魅力がぎっしり詰まったおすすめの6作品をご紹介してきました。どの作品もとても面白くて心温まる小説ばかりです!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。


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休日にのんびり癒されたい方におすすめの映画 10選【邦画】


【更新情報】2017.06.10一部修正

今回は、休日にゆっくり映画鑑賞でもして、のんびり癒されたいなって方におすすめの邦画DVDをご紹介していきたいと思います。のんびりと穏やかな空気の流れる良質の作品ばかりですので是非お気に入り作品を見つけだしてしっかり癒されて下さいね。

注意事項、表記について

  • 掲載の順番はランキング形式ではありません、また作品は随時追加予定です。
  • 表記はタイトル・監督・公開年・あらすじ・感想の順です。

癒される!おすすめの邦画DVD

それでは、あなたの休日を充実させてくれること間違いなしの素敵な映画をご紹介していきたいと思います。


1.かもめ食堂


監督: 荻上直子
原作: 群ようこ 『かもめ食堂』

公開年 : 2005年

夏のある日、ヘルシンキの街角に「かもめ食堂」という小さな食堂がオープンした。店主は日本人女性のサチエ(小林聡美)。献立はシンプルで美味しいものを、と考えるサチエは、メインメニューをおにぎりにした。しかし、客はなかなかやってこない。それでもサチエは毎日食器をぴかぴかに磨き、夕方になるとプールで泳ぎ、家に帰ると食事を作る。サチエは、毎日真面目にやっていれば、いつかお客さんはやってくると思っていた。そんなある日、ついに初めてのお客さんの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)がやってきた…。(映画.comより引用)


フィンランドで食道をやっている日本人女性のお話。まったりとした日常が自然に描かれていて、淡々と静かに流れる時間がとても心地の良い作品です。きっとのーんびり美味しい珈琲を飲みたくなりますよ。



出典:©︎かもめ食堂


2.めがね


監督: 荻上直子
公開年 : 2007年

南の海辺の小さな町に降り立ったタエコは小さな宿ハマダに辿り着く。タエコの周りには不思議なことばかりが起き、周囲のマイペースさに耐え切れなくなったタエコは、もう一軒の宿に向かうが…。春、この世界のどこかにある南の海辺。人生の一瞬にふと立ち止った女性が、訪れた場所に流れるのどかな時間と、そこで出会う人々との奇妙なふれあいを通じて、日常の中で忘れていた何かを取り戻していきます。最近、旅をしていますか? 「めがね」のなかにきっとみつかるあなただけの海で、心ゆくまでたそがれどきを過ごしてください。 (Amazonより引用)


もうひとつ、荻上直子監督×小林聡美主演の『めがね』もおすすめ。『何が自由か、知っている。』が、キャッチコピーのこの映画、のんびりと穏やかな空気や風が流れている海と砂浜と木々…涼しい空気感と安らぎと癒しになること間違いなしです。単調でのんびりとした描写が多いのに、観る度にどんどん映画の中に引きずり込まれていきますよ!



出典:©︎めがね

【めがね 予告編 - YouTube】


3.しあわせのパン


監督: 三島有紀子
公開年 : 2012年

東京から北海道の月浦に移り住み、湖が見渡せる丘の上でパンカフェ「マーニ」を始めた夫婦、りえさんと水縞くん。水縞くんがパンを焼き、りえさんがそれに合うコーヒーを淹れ、料理をつくる。そこには、日々いろんなお客さまがやってくる。 それぞれの季節にさまざまな想いを抱いて店を訪れた彼らが見つけた、心の中の“しあわせ"とは? そして彼らを見守るりえさんと水縞くんに訪れることとは? (Amazonより引用)


映画の舞台は北海道の洞爺湖。うっかり見逃してしまいそうなお店ですがこんな所でのんびりできる休日って最高!雄大で繊細な月浦の自然の美に心が癒されますし、原田知世さん、大泉洋さんの控えめな演技が、自然の美しさや美味しそうなパンの雰囲気をより引き立ててくれていますよ。



出典:©︎しあわせのパン

【しあわせのパン 予告編 - YouTube】



4.ニライカナイからの手紙


監督: 熊澤尚人
公開年 : 2005年

「風希、お誕生日おめでとう・・・」
涙を必死にこらえながら竹富島の船着場で母 昌美を見送った6歳からずっと、風希と母をつなぐものは、毎年誕生日に送られてくる手紙だけだった。竹富島で祖父 とふたりで暮らす風希。やがて、父の遺品のカメラで写真を撮り始めた彼女は、カメラマンになることを夢見ながら、母のいる東京への思いを募らせて…。(Amazonより引用)


心に残る、やさしくてとても美しい映画。一人の少女が成長していく中で接してゆく様々な愛や優しさが竹富島のゆっくりと流れていく時間と綺麗な景色にとけ合っていて心に沁みます。とてもシンプルな映画なのにどうしてこんなに感動してしまうんだろう?素敵な主題歌もこの映画にぴったりですよ!



出典:©︎ニライカナイからの手紙


5.南極料理人


監督: 沖田修一
原作:西村淳『面白南極料理人』

公開年 : 2009年

堺雅人が南極で料理人に! 氷点下54℃、家族が待つ日本までの距離14,000km 究極の単身赴任! おいしいごはん、できました。元南極観測隊員である作家・西村淳の実体験を綴ったエッセイを映画化したヒューマンドラマ。南極ドームふじ基地に派遣された男・西村。彼に課せられた任務は、同じく南極観測隊員として派遣された7人の仲間のために毎日食事を作ることだった。(Amazonより引用)


南極という過酷な環境で男8人が共同生活をするのを覗き見るような映画ですが、その穏やかなつくりがとても心地いいです。大きなトラブルなんかは起きずドキドキワクワク要素は殆どありません、爆笑というよりはクスクスがずっと続きます。そしてなによりも、全編とにかく料理が美味そうに見えすぎます!



出典:©︎南極料理人


6.おと・な・り


監督: 熊澤尚人
公開年 : 2009年

風景写真を撮りたいという夢を抱きながらも、友人で人気モデルのシンゴの撮影に忙しいカメラマンの聡。一方、フラワーデザイナーを目指して花屋のバイトをしながら、フランス留学を控えた七緒。同じアパートの隣同士ながら、一度も顔を合わせたことがないふたりは、ともに30歳で恋人なし。いつしかお互いに隣から聞こえる生活音に安らぎを感じるようになる。音によって心を通わせる、ふたりの恋の行方は…。(Amazonより引用)


こちらも熊澤尚人監督の作品。それぞれの部屋から漏れ聞こえてくる『生活音』に惹かれ合うようになって…という、少し不思議な設定ですが、終始静かな時間が流れ余韻の残る素敵な映画。鑑賞後は日常の音にもっと耳を傾けて、自分に合う心地よい音に出逢いたくなります。エンドロールもとっても素敵ですよ!



出典:©︎おと・な・り


7.天国はまだ遠く


監督: 長澤雅彦
公開年 : 2008年

自殺を考え、京都府宮津の人里離れた山奥に建つ民宿にやってきた千鶴。宿には若い主人の田村が一人いるだけ。千鶴は睡眠薬を大量に飲んで自殺を図るが、普通に目覚めて失敗。やがて豊かな自然と何気ない田村の優しさに、行き場のない千鶴の心は解きほぐされていく…。(Amazonより引用)


美しい自然の中で、ゆっくりと千鶴の傷が癒されていく。千鶴との出会いで、田村も少しづつ変わっていく…。広大な大自然の映像が本当に美しく、そのなかでゆったり流れる2人の関係に引き込まれます。時間がこんなにスローに流れる映画があったなんて!見終わったあとの心の温かさを味わってみて下さいね。



出典:©︎天国はまだ遠く


8.海街diary


監督: 是枝裕和
公開年 : 2015年

鎌倉の古い家に暮らす幸、佳乃、千佳の香田三姉妹。父は不倫の末に15年前に家を出て行き、その後、母も再婚してしまい、今この家に住むのは3人だけ。ある日、その父の訃報が3人のもとに届く。葬儀に参加した三姉妹は、そこで腹違いの妹すずと出会う。すずの今後を心配した幸は、別れ際に“鎌倉で一緒に暮らさない?”と提案する。(Amazonより引用)


ある3姉妹と異母の妹の共同生活を描いた映画。全編を通して画面が淡いトーンで終始していて一瞬一瞬がすごくリアル、観ているだけでそのまま海の香りがしてくるような感覚におちいります。ストーリーに起伏はありませんが心に残る作品ですよ!



出典:©︎海街diary



9.船を編む


監督: 石井裕也
原作:三浦しをん『舟を編む』

公開年 : 2013年

出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめ みつや)は、営業部で変わり者として持て余されていたが、言葉に対する天才的なセンスを見出され、辞書編集部に異動になる。そんなある日、出会った運命の女性。しかし言葉のプロでありながら、馬締は彼女に気持ちを伝えるにふさわしい言葉がみつからない。問題が山積みの辞書編集部。果たして「大渡海」は完成するのか。馬締の思いは伝わるのだろうか。(Amazonより引用)


辞書編集といういかにも地味な仕事にかける想いや年数、愛が丁寧に描かれていて、静かに穏やかに、ゆっくりと時間を重ねる素敵な作品。ほのぼのとした愛を感じる名作だと思います。主演の松田龍平さん、宮崎あおいさん、オダギリジョウさんらの柔らかい演技が心に染みますよ。



出典:©︎舟を編む

【舟を編む 予告編 - YouTube】



10.百万円と苦虫女


監督: タナダユキ
公開年 : 2008年

百万円を貯める度に引越しをし、その行く先々の街で様々な人々と出会い、笑ったり、怒ったり、また恋をしながら自身の生き方を模索する一人の女性を描く。短大卒業後、就職もできずにアルバイト生活を送っている鈴子。ひょんな事件に巻き込まれた彼女は、人との関わりを避けるように家族のもとを離れ、百万円が貯まるたびに誰も知らない土地へと移り住むことにするが…。(Amazonより引用)


100万円貯まる度に転々と移動するなんとなく憧れを誘うちょっとステキなプチ放浪のお話。転々とする場所ごとに色々な気持ちを背負う主人公、恋愛して、すれ違って、少しずつ成長していく様子がうまく描かれています。何だか余韻がいつまでも残る、不思議で素敵な映画ですよ。



出典:©︎百万円と苦虫女


まとめ

いかがでしたでしょうか?休日にのんびりと癒されたい方におすすめのDVD 邦画編をご紹介してきました。どれも超おすすめの面白くて癒される映画ばかりです!気になる作品があれば是非一度視聴してみて下さいね。





おすすめの『胸キュン』漫画 厳選30作品!


【更新情報】2017.6.25作品追加

今回ご紹介するのは、胸のときめく『胸キュン 漫画』です!今話題の作品や新作を、特に少女漫画を中心に『胸キュン』にこだわってご紹介していきたいと思います。


ご紹介していく作品は現時点(2017年6月)で10巻以内連載中のある程度新しいものを中心に(今話題の作品などは10巻を超えているものや完結済みのものもあります)とにかくおすすめの胸キュン漫画ばかりをご紹介していますので是非参考にしてみて下さい。



人気記事
間違いなく『胸キュン』できるおすすめ少女マンガ厳選40作! - いろはにほへど


注意事項やルール

  • 掲載の順番はランキング形式ではありません、また作品は随時追加予定。
  • 表記はタイトル・連載状況・作者・あらすじ・感想の順です。
  • 同一作者さんの作品は除外しています。
  • 連載中は2017.6.1現在での表記です。
  • 少女漫画が中心ですが少年・女性漫画も含まれています。


おすすめの『胸キュン』漫画

それでは、切なかったり、愛おしかったり、胸キュン、むずキュンのたくさん詰まった作品たちをお楽しみ下さい!

【関連記事】


1.僕の家においで
2013.5〜連載中/優木 なち

チョー貧乏ネガティブ純情少女×美男子×同居=ドキドキMAX!! ちょー貧乏ネガティブ純情少女の美玲は、人並の高校生活を送るため、アルバイトに励む日々。そんな中、美玲は不注意から、国宝級美男子・真野さんにケガをさせてしまい…!? 女の子のアコガレがいっぱい詰まった、とびっきりのドキドキストーリー(りぼんマスコットコミックスより引用)


『僕の家においで』は、とにかくほんわかしたお話で癒されます。美玲ちゃんみたいな激ピュアな子は今どきいないと思いますがかわいいから許しちゃいます。そして、真野さんの行動1つ1つにキュンキュンが止まりません



出典:©りぼんマスコットコミックス



2.大正処女御伽話
2016.2〜連載中/桐丘さな

時は大正。事故がもとで母と右手の自由、父の期待を失い田舎に養生という名目で家を追われた青年・珠彦。世の中の全てに嫌気がさし、引き籠もりの厭世家となり果てていた珠彦のもとに、夕月という少女がやってきた。彼女は父が珠彦の世話をさせるため買ってきた嫁で…。(大正処女御伽話・ジャンプコミックスより引用)


『大正処女御伽話』は、ケガをして家族から居ないものとして扱われて居る男の子とお金で買われた女の子の純愛ストーリー。なんとほっこり癒される漫画!しかも少し切なかったり、愛おしく感じたりと色々な感情が溢れる不思議な作品です。本当に少年マンガ?ってくらいキュンキュンしますよ!



出典:©ジャンプコミック



3.ハコイリのムスメ
2015.9〜連載中/池谷理香子

箱入り娘のお嬢様・珠子。家を出て、東京暮らしに憧れるように。偶然出会った紀之にも後押しされ、夢が膨らんでいく。猛反対していた祖父だが、珠子と紀之が許婚同士となり、2人が同じ大学に合格すれば、東京行きを認めると!! まさかの提案に珠子と紀之は、なんと偽装婚約を!?(ハコイリのムスメ・マーガレットコミックスより引用)


令嬢ヒロインと超イケメンが利害の一致で同居から始まる偽装婚約、設定自体はよくあるのですが主人公『珠子』がとにかく素直で天然で可愛いから、『紀之』が惚れるのもしょうがないかな。登場人物が魅力的だからかすんなりとハコイリ世界に入っていけて楽しめます!何度も読み返したくなる胸キュン作品ですよ!



出典:©マーガレットコミックス



4.大正ロマンチカ
2012.9〜連載中/小田原みづえ

時は大正。 父の形見を取り戻すために公爵邸を訪れた明。 そんな明を出迎えたのは、金髪碧眼で超美形な異国の公爵様! 明は、形見を譲ってもらうかわりに、 公爵がアンティーク貿易の 取引で日本にいる間、お嫁さん役をすることになって――!?(NextcomicsFより引用)


ヒロインがたまに暴走して子供っぽい所があるものの、設定といい絵柄といいかなりお薦めの作品です。恋愛あり、謎あり、事件ありとただの単調な恋愛物ではありません、いろいろな困難を乗り越えて2人の絆が深まって行く感じがもう最高ですよ!



出典:©NextcomicsF



5.町田くんの世界
2015.7〜連載中/安藤 ゆき

物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。アナログ人間で不器用。なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからは愛されています。その理由とは…?(マーガレットコミックスより引用)


町田くんみたいな人を好きになると、することなすこと魅力的すぎ!彼の存在がみんなの心をほんわかキュンとさせてくれます。人に優しく、興味を持っていくことができれば世界が変わりそうです。これを読むと疲れとストレスでやさぐれた精神が浄化されますよ!



出典:©マーガレットコミックス



6.スローモーションをもう一度
2016.10〜連載中/加納梨衣

クラスではイケてるグループに属している、一見 リア充な高校一年生・大滝くん。だけど実は彼には、誰にも言えない「秘密」があった… それは、アイドルや歌、おもちゃなどの「80年代文化」が大好きということ! 自分が大好きなものを誰とも共有できず、一人だけで楽しむ毎日を送っている大滝くん。 そんなある日、クラスで隣の席の地味な女の子・薬師丸ちゃんが自分と同じ「秘密」を持っていることを知って!? 同じ趣味を持った同年代の人間とはじめて会った二人が、一緒に遊ぶようになり、そして、恋に落ちていくという、みずみずしくて胸がキュンとするラブストーリーです。 (ビッグコミックスより引用)


『スローモーションをもう一度』は、学校では人気者の男の子『大滝くん』と暗い女の子『薬師丸ちゃん』が趣味を通してピュアな恋をしていく80年代をテーマにした1話完結形式の作品です。名前に狙いすぎ感はありますが、くっつきそうでなかなかくっつかない2人の姿に『あー!』どうしてもニヤニヤ、キュンキュンが止まりません。相思相愛の2人を絶妙の距離感で引っ張りつつ、毎話ドラマが作り上げられているのも凄い!とても面白いですよ!



出典:©ビッグコミック



7.キスよりも早く
全12巻完結/田中 メカ

幼い弟を抱えて路頭に迷っていた高校生・梶文乃は、担任の尾白一馬に拾われる。「同情するなら結婚して!」という売り言葉に買い言葉で、2人は結婚!! 弟を養うために先生を利用しようとした文乃だが、先生の愛に惹かれ始めて…!?(花とゆめCOMICSより引用)


先生と生徒のため、周りに2人の関係がバレてはいけないという設定。なかなか進展しない2人にヤキモキするものの先生の愛がたまりません!1冊につき3回くらいはキュンキュン出来ますよ



出典:©花とゆめCOMICS



8.ショートケーキケーキ
2016.1〜連載中/森下suu

芹沢天、高校1年生、女子。通学はバスで片道2時間。特に不満は、なし。だったけど…。友達の下宿先にこっそり泊まった日。そこに住む男の子の言葉に背中を押され、家を出て下宿をすることに。新しい出会いが呼び起こす、この気持ちはいったい何――? (ショートケーキケーキ・マーガレットコミックスより引用)


『ショートケーキケーキ』のストーリーは王道三角関係もの、それが寮生活の中で繰り広げられるので、普通の学園ものとはまた違ったドキドキがあります。奥手なのにいざという時は大胆、そしてセリフに名言を挟んでくる不思議くん『千秋』と、チャラいのにいざとなると調子が狂いっぱなしの『理久』かっこいい2人と可愛い『天ちゃん』の贅沢な三角関係がどうなっていくのかすごく気になります、どっちなんだ!?読みすすめて行くとキュン度がどんどん上がっていきますよ!



出典:©マーガレットコミックス



9.夕暮れライト
全5巻完結/宇佐美 真紀

父親の再婚話が浮上して、再婚相手が住むマンションに引っ越してきたちなみ。 再婚相手とその娘・和音を見極めようとするけど、和音の幼なじみのイケメン兄弟、奏多&雄大に邪魔されて…!? 同じマンションに住むことになった4人のハッピーストーリー開幕です!! (フラワーコミックスより引用)


身近で四角関係…もっとドロドロになりそうなのに終始爽やかでほのぼのとした雰囲気が出ている家族、友情、恋愛と色々詰まった作品。甘酸っぱい恋愛を思い出すには読みやすく全5巻で全体的にスッキリまとまっています。



出典:©フラワーコミックス



10.俺の執事がイケている
2015.3〜連載中/真崎総子

父の借金のために始めたヤバめのバイト先で、類のピンチを救ったのはお坊ちゃまの祷真。来年の春まで女とバレないという条件で、彼の執事となり、男装して一緒にイケメンだらけの男子校に通うことに!? そこには「暴君」と呼ばれる祷真のいとこ・遥祈が! うっかり遥祈に恋心を抱いちゃった類…。祷真への「忠誠」か遥祈との「恋」か……どっちをとるの!? キケンすぎる男装&執事女子ライフ…自分の操は自分で守れ!!(KC デザートより引用)


父親の借金によって家族が離れ離れになった親子、見た目が男の子の女子高生と見た目が女の子の弟が大金持ちの家で執事として住み込むことに…不遇な環境からのイケメン選り取りみどりな男装女子『類』の健気な頑張りがツボ、めちゃかわいいです!『俺の執事がイケている』の登場人物はみんなイケメンなのですが描き分けがあまりはっきりしていないのが惜しい、でもストーリーはキュンと笑いもあって抜群!



出典:©デザートKC



11.春待つ僕ら
2014.7〜連載中/あなしん

本当の友達が欲しかっただけなのに……高校こそ脱ぼっちを目指して意気込んでいた美月(みつき)。だけど、突然出会ったバスケ部イケメン四天王にかまわれ振り回され、新生活は思わぬ方向に…!? イケメン4人とのハチャメチャ青春DAYS始まる!!?(KC デザートより引用)


爽やかな恋愛『 ザ・青春』って感じの作品です。 本当に等身大の駆け引きも出来ず、お互い迷いながら相手の様子を伺いながら…という恋の進展の仕方が妙に生々しい。現代男子がたくさん出てきて、好みのタイプの子を思わず応援したくなっちゃいます!学園物好きでキュン死にしたい方には物凄くおすすめですよ。



出典:©KC デザート



12.オトナの恋はこじらせる
全1巻短編集/安 タケコ

山森真理(やまもりまり)、25歳。派手な見た目のせいで、社内のあだ名は「企画部のモンロー」。愛人している…なんて噂されてるけど、本当は人見知りで、超・純情なんです! 恋にも奥手で3年間、片想いしていた平田(ひらた)にフラれてしまった真理。あきらめよう…と頑張るけど!(フラワーコミックスアルファより引用)


表題作の他に2話短編があり、2話ともほっこり愛を感じるキャバ嬢のお話です。オトナの可愛い恋が描かれていてお互いを一途に想い合う気持ちが言葉からも絵からも伝わり、読後感がとても良いです、読み返したくなる!



出典:©フラワーコミックスアルファ



13.永久指名おねがいします!
2014.11〜連載中/カナエサト

兄と2人暮らしで、引きこもりの十和子(とわこ)。そんな十和子の前に、突然兄の仲間であるイケメンホスト達が現れ、家に入り浸ることに!目の前で裸になったり抱きついたり…十和子の静かな日常はどうなるの!?(スフレコミックスより引用)


ひきこもりの十和子とホストクラブで働きはじめた兄とホスト達のお話。焦れったいけど、面白い。彼が彼女に優しい優しい、甘やかす甘やかす、でドキドキします…読者を問答無用でキラキラな世界に引きずりこむ中毒性が凄い!



出典:©スフレコミックス



14.王子様には毒がある。
2015.9〜連載中/柚月 純

とってもかわいいけれどちょっぴり頼りない、幼なじみの颯太くんをお世話している、りず。……だけど、それは颯太くんの仮の姿!自分以外の男を好きにならないように、華麗に暗躍しており――!?(講談社コミックス別冊フレンドより引用)


彼女の前では頼りないふりをして、実は何でも出来る...主人公のりずちゃんに悪い虫が付かないようにしているあたりかなりブラック、良い意味で裏切られます!主人公が鈍感すぎるところもありますがこんなイケメン男子が幼なじみなら文句なし!笑える要素もたっぷりですごく楽しめますよ!



出典:©講談社コミックス別冊フレンド



15.初恋ダブルエッジ
2014.02〜連載中/小田原 みづえ

男はオオカミ。女の子はみんな、ぺろりと食べられちゃうの。だからあたし、どうせ食べられるなら理想のオオカミさんがいいな。…なんて言いながら、実はわけあって男性恐怖症の女子高生・謡。そんな謡が出会った超絶理想顔のクールなギター職人・戸野田。男なんて大キライ。でも、恋はしたい。一見矛盾だらけのまま走り出した恋のゆくえは?(ジュールコミックスより引用)


『初恋ダブルエッジ』は、トラウマのあるヒロインの恋をしようと頑張る姿が健気で可愛いなと応援したくなるような作品。随所に見られる肉食感にギャップもあって萌えます。ギター職人・戸野田こと『とのさん』の無自覚女殺しがいい!



出典:©ジュールコミックス


16.かぐや様は告らせたい
2016.3〜連載中/赤坂アカ

「恋愛は告白した方が負けなのである!」 家柄も人柄も良し!! 将来を期待された秀才が集う秀知院学園!! その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!! プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!! 新感覚“頭脳戦”ラブコメ、開戦!!(かぐや様は告らせたい・ヤングジャンプコミックスより引用)


『かぐや様は告らせたい』は『素直になれない』を『どうやったら相手から告白させるか』にこじらせた秀逸ラブコメ。何話も進展なしにダラダラやってる恋愛マンガもここまで来ると面白い!登場するキャラクターは皆天才、秀才なのにアホばかりで可愛いくてキュンキュンです。



出典:©ヤングジャンプコミックス



17.ハニー
全8巻完結/目黒あむ

それはまだ中学の頃。雨の中道端に1人の不良が倒れてるのを発見した奈緒ですが、ヘタレのために絆創膏と傘だけ置いて、逃げてしまいます。そして時は過ぎ高校入学。奈緒は偶然にもその不良と再会してしまいます。報復を恐れてビビリまくる奈緒ですが、彼の第一声は「結婚を前提にお付き合いしてください」!?(マーガレットコミックスより引用)


絵柄が可愛く柔らかくて、ストーリーがまっすぐであたたかい。ライバルでさえも人格が良いとゆう…もうピュアすぎて、涙でます。人は見た目で判断しちゃダメですね!なんとゆー可愛い話なんだっ!!



出典:©マーガレットコミックス



18.古屋先生は杏ちゃんのモノ
2017.1〜連載中/香澄裕子
[ラブコメ]

カフェでプロポーズに玉砕し、人前で号泣…。しかもプロポーズ相手とはキスしたこともなく、彼氏とすら思われてなかった…。そんな残念教師・古屋先生(でも無駄にイケメン)の意外な一面を知り、恋に落ちてしまった杏! 積極的に迫るけど、残念な男のくせに先生のガードは予想以上に固く…!? 痛快・禁断コメディ!!(古屋先生は杏ちゃんのモノ・りぼんマスコットコミックスより引用)


『古屋先生は杏ちゃんのモノ』の設定はよくある先生と生徒モノなんですが、主人公『杏ちゃん』は元気で真っ直ぐで可愛いし、古屋先生もちょっとダメ男だけど、普通にない純粋さを持ってて素敵。何よりすごくイケメン!そして当て馬同級生の『君嶋くん』、彼も無表情なイケメン、最初は『俺に惚れさせて
バッサリ捨ててやろう』と攻撃的ですがどんどんデレていきます。京都が舞台の関西弁も新鮮なキュンキュンのとまらない期待作です。



出典:©リボンマスコットコミックス



19.夢みる太陽
全10巻完結/高野 苺

母親の死と父親の再婚、そして弟が生まれたのをきっかけに、自分の家には居場所がないと感じ始め、家出をした女子高生の亀戸しま奈。公園で出会った着物姿の男から住む所を紹介してやると言われ、即答で入居を決めたしま奈だったが、それには「3つの条件」をクリアしなくてはいけなくて…!?(アクションコミックスより引用)


『orange』の高野先生が描く、一軒家同居ラブコメ、ちょっとシリアスなところもありますけどふわふわした女の子とイケメン男子がいっぱい出てくるお話です。主人公の女の子しま奈ちゃんが、純粋で素直で、愛らしい!とにかく、キュンキュンしまくりの爆笑しまくり作品です。



出典:©アクションコミックス



20.理想的ボーイフレンド
2016.8〜連載中/綾瀬 羽美

強引男子が好みの結沙は、バスケ部の先輩がタイプ。でも、友だちの奈々未と先輩が急接近! 奈々未の恋を応援するため「好きな人ができたの!」とウソをついた結沙。たまたま近くにいたクラスメイトの春田くんがその作戦を察して、彼氏のフリをしてくれました。淡々としているけど、ときどき、とっても優しい。そんな春田くんに、結沙の気持ちは…?(マーガレットコミックスより引用)


嘘の恋人同士から始まる…よくある感じですが、ほっこりします。春田くんは恋がよく分かっていなくて、天然できゅんきゅんさせてくる厄介な人。ゆっくり恋に目覚めていく様子が可愛いすぎます!



出典:©マーガレットコミックス



21.きっと愛してしまうんだ
2016.06〜連載中/一井 かずみ

美人だけど近寄りがたいと言われている歩とイケメンで有能、みんなの人気者の谷地。特に接点のない同期の二人だったけど、失恋してボロボロになった歩に、そっと手を差し伸べてくれたのは彼だった。おかげで、ほんの少し前を向くことができた…と思ったら、まさか今日から彼とひとつ屋根の下――!?(フラワーコミックスアルファより引用)


じれったくなるぐらいゆっくり二人の距離が近づいていくのがむずむずきゅんきゅんしていい!クールビューティー『歩』が彼の前でどんどんかわいくなっていくのもキュンポイントですよ!激しい愛を求める方には少し物足りないかも(笑



出典:©フラワーコミックスアルファ



22.やがて君になる
2015.10〜連載中/仲谷鳰

人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える新入生・小糸侑は、生徒会の先輩・七海燈子が告白を受ける場面に遭遇する。誰からの告白にも心を動かされたことがないという燈子に共感を覚える侑だったが、やがて燈子から思わぬ言葉を告げられる。「私、君のこと好きになりそう」(電撃コミックスNEXTより引用)


『やがて君になる』は『好きになってくれた人のことを好きになりたい』この感覚がとても丁寧に描かれた漫画というよりもはや文学といえる作品、クールな主人公『侑』と、普段はクールで有能なのに主人公の前では可愛くなる先輩『燈子』の組み合わせがすごく素敵です。



出典:©KADOKAWA



23.婚約生
全3巻完結/岩 ちか

高校生同士で結婚…!? 両親が他界し、ひとりぼっちになってしまった紗愛。そんな時、高校生ながら大家の西園寺幸一に突然「プロポーズ」される!! お試しで同居をするうち、2人でいる心地良さを知っていく…。まだ恋人未満の2人だけど、結婚を決意し!? キュンの連続。紗愛と大家さんの結婚生活!(マーガレットコミックスより引用)


あり得ない出会いだけどそこは漫画ということで!2人を温かく見守りたくなるお話です。2人とも凄くピュアで、真っ直ぐでセリフ1つ1つにキュンキュンしますよ。出てくる料理とか手作りのものが可愛くてそれも楽しめます。



出典:©マーガレットコミックス



24.クイーンズ・クオリティ
2016.01〜連載中/最富 キョウスケ

人の心の中にある穢(けが)れを払う“ココロの掃除屋”を家業としている堀北(ほりきた)家。 その能力を見込まれ、堀北家に住み込みで家業のお手伝いをすることになった文(ふみ)だけど、人々に絶大な力を及ぼす『女王(クイーン)』の力が覚醒し始めていることが発覚して…!? 一方、コミュ力底辺ながらも“掃除屋”の腕はある玖太郎(きゅうたろう)。 文の力を止められるかもしれない特別な存在の彼に「絶対に離れない」と宣言されて不覚にもトキメいてしまった文だけど!? (Betsucomiフラワーコミックスより引用)


何と言ってもストーリーがとっても面白くてシリアスなのにギャグ要素もあって、気持ち悪いし、怖いし、そして気持ちがなかなか通じ合わないのが切ない…胸がギューっとなります!深いセリフがあるのも最富先生の魅力ですね。



出典:©Betsucomiフラワーコミックス



25.まいりました、先輩
2016.11〜連載中/馬瀬 あずさ

ある日、世里奈の机に書いてあったラブソングの歌詞のラクガキ。それを書いたのは1コ上の水川先輩。なんとか先輩に近づきたい世里奈だけど、めちゃめちゃ冷たいし、明らかに脈ゼロ…。でも先輩の不器用だけど優しいところをしって、思わず先輩に告白しちゃって…!? 毎日がドキドキ!! 先輩彼氏との憧れスクールラブ!(KC デザートより引用)


劇的な展開はありませんが、この漫画はそのゆるく続く空気感がすごく良い!そしてお互いの気持ちが繊細に丁寧に描かれているので読んでいるこちらが感情移入しやすくてドキドキします。キュンキュンが止まりませんよ!



出典:©KC デザート



26.僕らはみんな河合荘
2011.5〜連載中/宮原るり

親の転勤により、一人暮らしをすることになった宇佐くん。だが彼の新しい住居は奇人変態ばかり。だが、憧れの律先輩もそこにいて…!? ラブ3:コメ7の思春期コメディー!(ヤングキングコミックスより引用)


『僕らはみんな河合荘』は、無愛想で本の虫だったヒロインに恋した主人公とそれを取り巻く人間模様の描かれた、絶妙な下ネタとほんとに面白いギャグ満載のラブコメです。これだけいろんなキャラ出してきて、ひとりも空気にならない作品は珍しい。絵もキャラも文句なしのなぜか和む作品です!



出典:©ヤングキングコミックス



27.印伝さんと縁結び
2015.03〜連載中/小糸さよ

平凡な大学生 美山(みやま)くくりは、ある日突然、京都・名家のカタブツ御曹司 印伝織之助(いんでんおりのすけ)と不思議なご縁で結ばれることに。だけど印伝さんの性格はかなり難があり、結婚や恋愛を仕事のように考えていて…。そんな印伝さんに振り回されっぱなしのくくり。しかし結婚に向けて一緒に過ごすうちに、印伝さんは人の気持ちがわからないのではなく、真面目すぎて不器用なだけだと気づいて――。(Next comics Fより引用)


京都を舞台にした、かわいい純愛物語。見ず知らずの人と運命の人と言われていきなり婚約することになった2人が徐々にラブラブになってホッコリ。初々しい2人のやり取りが可愛いし、和装や京小物みたいなのも可愛い!



出典:©Next comics F



28.塩田先生と雨井ちゃん
2015.5〜連載中/なかとかくみこ
[ラブコメ][学園]

女子高生の雨井ちゃんと、担任の塩田先生は、実は付き合っているのです!ということを大前提とした、日常ラブコメ短編集。pixivで人気の連作が大幅加筆修正と描き下ろしを加えて書籍化。両思いまでの過程描写が中心なのが恋愛ものジャンルですが、今作は出来上がっているカップルのやり取りを楽しむ、少し異質なもの。好きな気持ちを全力表現な雨井ちゃんと、そんな彼女に引き気味ながら惚れこむ先生の、四季を通しての構成になっています。(イースト・プレスより引用)


とにかく微笑ましくニヤニヤしたい人にはうってつけ!びっくりするぐらい学校内でいちゃいちゃする2人ですが、雨井ちゃんがとにかくかわいい!ピュア過ぎる愛を、時々ぶっ飛んだ言動で全力でぶつける姿はいい感じに斜め上いってますよ!そして先生の雨井ちゃんに対する愛情も溢れています。ニヤニヤ。



出典:©イースト・プレス



29.思い、思われ、ふり、ふられ
2015.10〜連載中/咲坂 伊緒

夢みがちな由奈と、現実的に恋する朱里。正反対のふたりだけど、友達になりました。モテる理央と、天然な和臣のふたりの男子も加わり、きらめく青春と本音をぶつけあう恋がスタートします!(マーガレットコミックスより引用)


恋愛だけじゃない、途中の友達を思いやる気持ちとか優しさとかが魅力の咲坂作品。ダブルヒロインの女の子2人は全然違う恋愛感で、お互い理解できないのもいい関係。もちろんキュンも2倍で楽しめますよ!



出典:©マーガレットコミックス



30.おとなりコンプレックス
2016.07〜連載中/野々村 朔

同い年のあきらと真琴は、隣どうしの家で兄弟のように育ってきた幼なじみ。天然無自覚?かっこいいあきらちゃん(女)と女装は武器!かわいい真琴くん(男)、距離感が近くてよく誤解されるけど、ずっと一緒にいたから、これが自然で、これが普通。なのに最近、様子がおかしい。親友以上、恋愛未満。幼なじみコンプレックス!(クロフネコミックスより引用)


男の子の時はカッコよくて女装をしてる時は可愛い男の子マコトと見た目や中身が男らしい女の子のアキラがお隣通しで幼馴染みのお話。なかなか進展なんかないのに全然イライラせずにむずキュンしながら読めます!紆余曲折有もあるけど、これはもう最後はハッピーエンドの予感しかしません!



出典:©クロフネコミックス



31.オットに恋しちゃダメですか?
2013.11〜連載中/藤原 晶

「王子」と呼ばれ社内でも評判のイケメンと、カラダの相性だけで結婚しちゃったわたし。今から恋を始めたいけど、一緒に暮らして共に過ごす時間が増えたのに、逆にチャンスを逃しまくって…?(白泉社より引用)


結婚してからどんどんお互いを知り、理解しあい、好きになっていく2人。主人公のテンションが高めですが、コミカルでめちゃくちゃ楽しいお話です!明るいタッチのイチャラブで2人のやりとりにキュンキュンですよ! !



出典:©白泉社



32.僕に花のメランコリー
2015.12〜連載中/小森 みっこ

高校2年の新学期、雨宮花は街で不良少年のケンカに巻き込まれる。乱暴で荒んだ様子の男の子には幼なじみ・弓弦の面影が…。 初恋の相手との予期せぬ再会に花の心は揺れて──(マーガレットコミックスより引用)


ただの幼なじみラブではないので、心通わせるまで見守りたいなって思える作品。花の純粋さと真っ直ぐで健気な愛が、弓弦の冷たく凍っていた心を徐々に溶かしていく様がとてもキュンキュンします。絵も可愛い!



出典:©マーガレットコミックス



33.30禁
2017.6〜連載中/畑 亜希美

30禁―それは30歳未満お断りの恋。 仕事も恋も、大抵のことは経験してきた森山志乃30歳。 結婚相手も、一通りやり終えた同年代がいい。そう思っていたのに、9つ下の真雪(まゆき)から突然の告白。そのまっすぐさに惹かれ、志乃に結婚相手ができるまでという条件で、つき合うことになり…? 何歳になったら「要領のいい恋」ができるのだろう。 何歳までなら「もがくような恋」が許されるのだろう。(フラワーコミックスアルファより引用)


31歳女性のいろんな思いが細かく描かれています。割り切るつもりで始めた関係がとても愛おしい物になってきて…。35才の落ち着いて完璧な男の人とかわいすぎる男の子、登場人物がみんな秘めた思いを胸に抱えていて、とても切なくて悩ましい恋愛物語。キュンキュンです!



出典:©フラワーコミックスアルファ


あとがき

2017年後半版おすすめの『胸キュン』漫画 をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?好みの作品は見つかりましたか?おすすめのものばかりですので、気になる作品が見つかれば是非手にとってみて下さいね!最後まで見て頂いてありがとうございました!


初心者が最初に読むべきおすすめのミステリー小説 20選!


【更新情報】2017.6.25 作品追加
今回は、初心者が最初に読むべきおすすめのミステリー小説をご紹介していきます。

はじめに

色々ある小説のジャンルの中でもミステリー小説はやっぱり面白い!そんな面白さを最初の一冊で味わう事が出来ればきっとどっぷりハマるはず!名作から新作品まで、初心者向けの難しく考えることなく読むことができて、ミステリーの楽しさをしっかりと味わえるおすすめのミステリー小説を厳選して、あらすじや感想と合わせてご紹介していきたいと思います。



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とにかく面白い!おすすめのミステリー・推理小説 50選【随時更新】 - いろはにほへど


おすすめの初心者向けミステリー小説をご紹介!

  • 掲載の順番はランキング形式ではありません、また作品は随時追加予定。
  • 表記はタイトル・作者・ジャンル・あらすじ・感想の順です。


夜よ鼠たちのために/連城三紀彦

叙述トリック

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。なぜこんな姿で殺されたのか、犯人の目的は一体何なのか…?深い情念と、超絶技巧。意外な真相が胸を打つ、サスペンス・ミステリーの傑作9編を収録。(宝島社文庫より引用)


復刊希望も頷ける、素敵すぎる短編集。最初の『二つの顔』で思いっきり引き込まれ、次の『過去からの声』に強い衝撃を受けこのトリッキーな仕掛けにどんどんハマってしまいます。謎解きに加えて文章でも魅せてくれる本当に面白い一冊!おすすめです。


カラスの親指/道尾 秀介

コン・ゲーム小説

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは?息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。(講談社文庫より引用)


人を騙し、そして盛大に騙されるまさにペテン師たちの壮大なスペクタクル、詐欺師達と彼らと出会った姉妹らの復讐劇のお話です。ストーリーも展開も面白くて充分楽しめるうえにこのやられた感、まさに物語全体がマジックです。そしてさわやかな感動がいつまでも残る最高の読後感が味わえます!


十角館の殺人/綾辻 行人

クローズドサークル
本格ミステリ

※クローズド・サークル(wiki)

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。(講談社文庫より引用)


物語は、過去に殺人事件のあった無人島で過ごすミステリ研究会のメンバーと、参加せず本土に残ったメンバーたちの1日を交互に語る形式で進められます。『たった1行ですべてがひっくり返る』のキャッチコピー通り終盤にある一行にはひっくり返るほど驚かされますよ!こんなに衝撃的で読み易い作品はあまりありませんし他のミステリーも読んでみたくなる、そんな素敵な一冊です。


インシテミル/米澤 穂信

クローズドサークル
本格ミステリ

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。(文春文庫より引用)


高額バイトに惹かれた者同士が集められて行われる密室での殺人ミステリー、閉鎖空間での命の奪い合いです。一人二人と惨たらしい被害者が発生するなかで冷静でいられなくなっていく様子がリアルで怖いのですが、主人公の暢気さに救われます。終盤の広げに広げた風呂敷の勢いある見事な回収は爽快


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リピート/乾 くるみ

クローズドサークル
SFミステリ

もし、現在の記憶を持ったまま十カ月前の自分に戻れるとしたら――。この夢のような「リピート」に成功し、人生の「やり直し」に臨もうとしている、年齢も職業もバラバラの十人の男女。彼らは一人、また一人と、次々と不審な死を遂げていきます。誰が「リピーター」を殺しているのか?家族にも警察にも相談できないまま、独自の捜査を行う彼らが辿りついた衝撃の真相とは――。(文春文庫より引用)


ケン・グリムウッド氏の名作『リプレイ』と、クリスティー氏の『そして誰もいなくなった』を合わせたSFミステリー。現在の記憶を持ったまま10ヶ月前の自分に戻る体験『リピート』を実現した9人の男女のお話で、案外少ないタイムリープものなのですが、主人公の平凡さのおかげで終始妙な現実味を帯びています。後味は悪めですが先の読めないストーリーはとても面白いですよ!


13階段/高野 和明

社会派ミステリ

無実の死刑囚を救い出すために与えられた期限は三ヶ月、報酬は一千万円だった。不可能とも思える仕事を引き受けた二人の男に待ち受けていた運命とは―手に汗握る展開と、胸を打つ驚愕の結末。現代社会の罪と罰を問い、圧倒的なサスペンスで読書界を震撼させた江戸川乱歩賞受賞作。(講談社文庫より引用)


死刑囚の冤罪を晴らすべく前科を背負った青年と刑務官が調査をしていくというお話。死刑制度という難しいテーマが根底にあるのですが丁寧にわかりやすく書かれていて読んでいて苦になりません。序盤から終盤へかけてのそろりそろりとした展開から、終局へ向けた畳みかける展開のスピード感の変化が絶妙、ラストはどんでん返しの連続。めちゃくちゃ面白いです!


七回死んだ男/西澤 保彦

SFミステリ

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人―。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。(講談社文庫より引用)


同じ日を9回繰り返す特異体質を持つ主人公久太郎が、祖父の死という未来を変えるために試行錯誤する姿を描いた作品、復活しては毎回死んでいく祖父の姿は、笑ってしまいます。びっくりする程のトリックや驚愕の結末はありませんがストーリーを追うだけで面白いですし、もちろんどんでん返しもありますよ!


占星術殺人事件/島田 荘司

本格ミステリー

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。その後、彼の六人の娘たちが行方不明となり、一部を切り取られた惨殺遺体となって発見された。事件から四十数年、迷宮入りした猟奇殺人のトリックとは!?(講談社文庫より引用)


言わずと知れた名作、事件のトリック・真相はわかってみればとてもシンプルなのにそれらを恐ろしく複雑怪奇な物語に仕立て上げる手腕はさすがとしか言いようがありません。文章も登場人物たちの個性ある会話により飽きさせることがなく解説も丁寧なので、まさに初心者向きの素晴らしい作品だと思います。


クラインの壷/岡嶋 二人

SFミステリ
イヤミス

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。(講談社文庫より引用)


30年前に書かれた小説ですが古さを感じさせない作品、話題になっているVRを題材とした怖くて、人間の好奇心を巧みに操ったお話。それにしてもこの作品に感じる陰鬱さは時代性なのでしょうかそれとも作者の作風?読後の興奮と疲労感はまさにイヤミス


暗いところで待ち合わせ/乙一

恋愛ミステリ

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。(幻冬舎文庫より引用)


駅のホームで起きた殺人事件の容疑をかけられ逃走中のアキヒロが、視力と父を失い1人で生きてるミチルの家に息を潜め隠れて過ごす奇妙な同棲生活のお話。同じような悩みをもった2人の縮まっていく距離の描き方が絶妙です。もちろんミステリーとしてもしっかりと伏線回収しれくれて気持ち良い!とても面白くて心温まる小説です。


容疑者Xの献身/東野 圭吾

倒叙ミステリ

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。(文春文庫より引用)


ガリレオシリーズ、言わずと知れた直木賞作品で映画も人気でしたね。天才vs天才の物語、天才によって仕掛けられた驚くべきトリックがもう一人の天才によって暴かれた時──。面白すぎます!そしてラストの回収シーンは切なくドスンと胸にささります…正に献身。


ハサミ男/殊能 将之

倒叙ミステリ

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。(講談社文庫より引用)


叙述トリックで有名な作品、連続殺人犯が別の殺人犯を探るという画期的なストーリー、主人公がハサミ男で、その視点から話が繰り広げられていくので、読んでいてある種の安心感を感じます。トリックの仕掛けは素晴らしくて気をつけて読んでも多分意味がありません、きっと騙されます。


人格転移の殺人/西澤 保彦

SFミステリ

突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。法則に沿って6人の人格が入れ替わり、脱出不能の隔絶された空間で連続殺人事件が起こる。犯人は誰の人格で、凶行の目的は何なのか?人格と論理が輪舞する奇想天外西沢マジック。(講談社文庫より引用)


誰が誰だかわからなくなる事が狙いの話だと思います…ややこしい作品(笑)ですが、良い意味での文章の軽さがうまく中和してくれているので、ぐちゃぐちゃ感を味わうのもいいと思います。そして終盤謎解きが加速するにつれ面白さも跳ね上がっていきます!陰惨な事件の後で爽やかな読後感に包まれるのも意外性大。


死神の精度/伊坂 幸太郎

ファンタジー・ミステリ

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。(文春文庫より引用)


人間の生死を判断する仕事に真面目、でもちょっとズレてる死神・千葉が6人の人間と出会う話で各話とも異なるテイストの短編集ですが少しずつ話がつながっています。ラストシーンを読み終えると死をテーマにした作品とは思えないぐらい、心が爽やかでスッキリする素敵な作品です。


姑獲鳥の夏/京極 夏彦

本格ミステリ

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。(講談社文庫より引用)


京極夏彦さんのデビュー作、内容が出来すぎていて名のある作家のイタズラだと思われたらしいですよ。ミステリー性とキャラクターの魅力と怪奇性とがうまくマッチしていて面白い!作中に散りばめられた一つ一つの点が終盤で繋がって一つの推理に行き着くのですが、このテクニックがすごく巧くて物語としてもミステリとしても楽しめる小説です。


慟哭/貫井 徳郎

誘拐ミステリ

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!(創元推理文庫より引用)


叙述トリックの代表作の一つ、連続幼女誘拐殺人事件を追う警察と新興宗教にはまり込む男の2つの視点で進んでいくストーリーが、どこでどう結びついて犯人逮捕につながるのか、ドキドキしながら読み進められます。そして、その2つが重なるラストはまさに『慟哭』。


火車/宮部 みゆき

本格ミステリ

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。(新潮社文庫より引用)


20年近く前の作品なので時代背景はちょっと古いのですが、本当に面白いです。クレジットカード社会の闇をミステリーによってうまく浮き彫りにしている重厚な作品。全ての辻褄が合ってスッキリする感じが素晴らしく、ラストは読者の想像力を掻き立てられますよ!


私が殺した少女/原 りょう

ハードボイルド
誘拐ミステリ

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る…。(早川書房より引用)


傑作と評されていることに納得のハードボイルド小説、昭和の香りが漂う大都会でやられたらやり返すハードボイルドを素で行く探偵の姿や、続々登場する強面の人たち、誘拐事件の謎、ハマる人には堪らない作品だと思います!


涙香迷宮/竹本 健治

暗号ミステリ

明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのはIQ208の天才囲碁棋士・牧場智久!いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作る日本語の技巧と遊戯性を極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。(講談社文庫より引用)


このミスやら本ミス大賞などの賞をかっさらっていった『涙香迷宮』、日本四大奇書の『匣の中の失楽』を書いた竹本健治さんの著書です。トリックの解明はほぼ蚊帳の外になっていますが、50首もの『いろは歌』が凄いし、いろは歌に隠された暗号も面白い、暗号ミステリ物がこんなに面白いとは!普通の人には全く想像がつかないレベルの暗号、これを黒岩涙香ではなく竹本さんご自身が考えたのですからすご過ぎです。日本語の美しさも味わうことが出来ますよ!


葉桜の季節に君を想うということ/歌野 晶午

本格ミステリ

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。(文春文庫より引用)


世の中に横行する悪徳商法がテーマの程よくライトで読みやすい作品、冒頭の表現によるイメージの植え付けが見事などんでん返し小説、180度印象の変わる逆転の鮮やかさはトップクラスだと思います。きっと『ええええええ?!』と声が出ちゃうはず。


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大誘拐/天藤 真

誘拐・ユーモアミステリ

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。しのぎ稼業から足を洗い社会復帰を果たすには元手が要る、そのためには―早い話が誘拐、身代金しかない。雑居房で知り合った秋葉正義、三宅平太を仲間に、準備万端調えて現地入り。片や標的に定められた柳川家の当主、お供を連れて持山を歩く。…時は満ちて、絶好の誘拐日和到来。(創元推理文庫より引用)


誘拐ミステリの傑作、身代金100億円というビッグスケール誘拐に終始した豪快で大胆ですがほのぼのしたストーリー、スーパーおばあちゃんにお人好しな犯人達が振り回され、やがてコントロールされてしまう様は、ユーモアたっぷりで面白すぎます!


あとがき

いかがでしたか?初心者が最初に読むべきおすすめのミステリー小説をご紹介してきました。


どの作品もとても読みやすくて面白いミステリー小説ばかりとなっていますので気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。きっとミステリ作品が大好きになるはずですよ!

イヤミス作家の代表格『真梨幸子』のおすすめ小説 10選!

湊かなえさんなどと共に大人気女性作家として活躍する『真梨幸子さん』は食前に読むべきでない作家ナンバーワン(褒め言葉)!イヤミス作家の代表格です。今回は、ミステリー作家『真梨幸子さん』の魅力を存分に味わえるおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。

真梨幸子さんプロフィール

まずはプロフィールのご紹介から。

1964年生まれ。宮崎県出身。2005年、「弧虫症」で第32回メフィスト賞を受賞してデビュー。『殺人鬼フジコの衝動』はベストセラーとなり、イヤミスの旗手として注目されている。2015年、『人生相談。』で第28回山本周五郎賞候補。最新刊は『私が失敗した理由は』。 引用:真梨幸子 | 著者プロフィール | 新潮社


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真梨幸子さんのおすすめ小説

  • 表記はタイトル、出版日/出版社、あらすじ、感想の順になっています。
  • タイトル横の数字は、ランキング形式ではなく出版日順になっています。

読みながら襲ってくる嫌な気分・気持ち悪さ・不快感を楽しみたい人には特におすすめ!真梨さんの描くイヤミスの魅力とゾワゾワを思う存分堪能してくださいね!

1.孤虫症

2008.10.15 /講談社文庫

「週に三度、他の男と逢うことを習慣にして」いる主婦・麻美。彼女の不倫相手が、次々と身体全体に瘤のようなものを作って原因不明の死を遂げる。彼女自身の肉体にも異変が起こる。女同士の憎悪や嫉妬、母娘で繰り返される愛憎劇。一見幸せな主婦の誰にも言えない秘密とは…。(講談社より引用)


真梨さんのデビュー作、元祖イヤミス作品ですね。なんかもう正視できない文章の連続ですが好奇心から読むのを止めることのできない小説。でもまあはっきり言うとグロい!気持ち悪くて身体がゾワゾワ、『読みたい人だけどうぞ』と言われているような感じです。解説の最後も本作より後味悪い気がするんですが…。


2.殺人鬼フジコの衝動

2011.05.07/徳間書店

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして新たな人生を歩み始めた十一歳の少女。だが彼女の人生はいつしか狂い始めた。「人生は、薔薇色のお菓子のよう」。呟きながら、またひとり彼女は殺す。何がいたいけな少女を伝説の殺人鬼にしてしまったのか?精緻に織り上げられた謎のタペストリ。最後の一行を読んだ時、あなたは著者が仕掛けたたくらみに戦慄し、その哀しみに慟哭する…。(徳間書店より引用)


ベストセラーとなった本作は、小学生の女の子の命がけの苦悩から物語がはじまり、殺人鬼フジコと呼ばれた彼女の生涯が残酷に描かれています。次は誰が殺されるんだろう的な面白さもありましたし、ドロドロした人間関係を描いた部分にも面白さがありました…。でもやっぱりなんかスッキリしないんですよね。続編『インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実』もおすすめです。


3.深く深く、砂に埋めて

2011.08.12/講談社文庫

かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。彼女に魅せられたエリートサラリーマンが、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。やがて明らかになる男の転落と女の性。奔放に生きる有利子は悪女か、それとも聖女なのか?悪女文学の傑作『マノン・レスコー』を下敷きに、女のあくなき愛と欲望を描く長編ロマンス。(講談社文庫より引用)


目先の欲望しか考えられず、贅沢が大好きな浪費家で男を狂わす魔性の女性『神崎有利子』を巡るお話。真梨作品の中でもシンプルなストーリーで、それほどエグくなくヘビーユーザーの方々には少し物足りないかもしれません。真梨さん初心者向け小説。


4.ふたり狂い

2011.11.10/ハヤカワ文庫

「自分のことが書かれてる」小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、作家を刺した。それに端を発し起こるデパ地下総菜売場異物混入騒ぎ、企業中傷ネット祭り、郊外マンション連続殺人。事件の陰には意外な“ふたり"の存在が。クレーマー、ストーカー、ヒステリー。私は違うと信じる人を震撼させる、一瞬で狂気に転じた人々の「あるある」ミステリ。(ハヤカワ文庫より引用)


人間が精神的に追い詰められたり歪んだりしていくホラーミステリー。短編集という形を取りながら全ての話が繋がっているので、各編が終わるごとに休憩する間も無く次のページに進めてしまいます。イヤミス感は少ないのですが人間の怖さがとてもよく分かる作品です。


5.みんな邪魔

2011.12.06/幻冬舎文庫

少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する“青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件―。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が…。殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。(幻冬舎文庫より引用)


模範的な真梨作品、少女時代に夢中になった漫画の世界に更年期世代を迎えて一層のめり込む女性たち…少女漫画ファンクラブ6人の幹部をめぐるドロドロ劇です。1人1人が最高に嫌な女性で、グロさと不快感で挫折しそうになるほどでしたが、やっぱり続きが気になってイライラどんよりしながら読み進めました。誰も幸せにならないイタ過ぎるイヤミス作品です。


6.女ともだち

2012.01.17/講談社文庫

同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマンが殺された。一流企業のOLだった被害者の“裏の顔”とは?二つの殺人をつなぐ接点とは?新人ルポライターの楢本野江が辿り着いた真相は、驚くべきものだった…。衝撃の結末が女たちの心の闇をえぐり出す、ドロドロ濃度200%の長編ミステリー。(講談社文庫より引用)


タワーマンションで、2人の独身OLが殺され犯人は逮捕されるのですが、その事件の真相を調べる新人ルポライターのお話。またもやイヤミスの模範的作品。中盤まで割と淡々としているかなって印象でしたが、そこから徐々に露わになる粘着ドロドロな真相。最後に気持ち悪い話を畳み掛けてこないでー!


7.四〇一二号室

2012.10.12/幻冬舎

タワーマンションの最上階、四〇一二号室に暮らす人気作家、三芳珠美は、人生の絶頂にいながら満たされずにいた。ある日、古本屋の老婆に「あなたに」と古い写真を見せられるが、そこには見知らぬ赤ん坊の姿が写っていて…。一方、根岸桜子は同時期にデビューした珠美の成功を安マンションで妬ましく思う日々。そして、1999年11月22日、大停電の日。珠美がマンションから転落。その日から女たちの運命が逆転した―のは悲劇の始まりに過ぎなかった。“人間は、あっという間に地獄の底に転落するのよ”四〇一二号室からはじまる“不幸”の連鎖。(幻冬舎より引用)


高層マンションの最上階、四〇一二号室に関わる人たちに降りかかる不幸の連続。全般にわたって不穏な雰囲気に満ちあふれていますが、真梨さん作品では穏やかな部類ですね。夢か現実か分からないような部分が多くて少し混乱しましたが、ラストでそう来たか!とまたしても騙されてしまいました。


8.人生相談。

2014.04.15/講談社文庫

昔のあの出来事、セクハラにあたるのでしょうか?…西城秀樹が好きでたまりません!占いは当たるのでしょうか…すべては“あなたの悩み”から始まった―。何の関係性もなさそうな「人生相談」。その裏にあるものは?!ラスト1ページまで、目が離せない!!(講談社より引用)


連作短編、9つのお悩み相談から広がる話ですが全て繋がっていく様子はぞくぞくします。ただ登場人物がとにかく多い!誰が誰だかこんがらがってしまいますのでメモなんか取りながら読むのがおすすめかも知れません。時系列とあわせて複雑に入り組んでいるんですが文章は読みやすいですよ。


9.鸚鵡楼の惨劇

2015.07.07/小学館文庫

一九六二年、西新宿。十二社の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で惨殺事件が発生する。しかし、その記録は闇に葬られた。時は流れて、バブル全盛の一九九一年。鸚鵡楼の跡地に建った高級マンションでセレブライフを送る人気エッセイストの蜂塚沙保里は、強い恐怖にとらわれていた。「私は将来、息子に殺される」―それは、沙保里の人生唯一の汚点とも言える男の呪縛だった。二〇一三年まで半世にわたり、因縁の地で繰り返し起きる忌まわしき事件。その全貌が明らかになる時、驚愕と戦慄に襲われる!!(小学館より引用)


鸚鵡楼での殺人事件から始まる因縁のお話でこれはかなりなミステリー作品、最後に真実が一気に明かされていく感じも真梨さんならではで最高!ここまでの『本格推理もの』は珍しい気がします。もちろんドロドロとした空気は終始漂っていますけどね!


10.私が失敗した理由は

2016.07.20/講談社文庫

落合美緒は、順風満帆な人生から一転、鬱々とした生活を送っていた。ある日、パート先の同僚のイチハラが、大量殺人事件を起こしたと聞く。彼女とコンビニで会った夜に事件を起こしたらしい。イチハラが言っていた言葉「…成功したかったら、失敗するなってこと。…」を思い出し、かつてないほどの興奮を感じた美緒はあることを思いつき、昔の恋人で編集者である土谷謙也に連絡を取るが―。失敗の種類は人それぞれ、結婚、家族、会社―様々な人間の失敗談から導き出される真理。美緒は一体何を思いついたのか、そして事件の真相は?(講談社より引用)


失敗しない事が成功に繋がるのではないか?!そんな事をテーマに書かれたミステリー。こちらも簡単な人物相関図を作るコトをオススメします!自分の作品を登場させたり、自分が登場したりかなり愉快、最初にご紹介した『孤虫症』を先に読んでおくと、より楽しめる作品だと思いますよ。


あとがき

いかがでしたか?真梨幸子さんの魅力を味わえるおすすめの小説をご紹介してきました。


軽いものからドロッドロのものまで、嫌なんだけどやめられない…一度ハマれば抜け出せなくなること間違いなし!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。


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