いろはにほへど

朝起きて本を読んで寝てます。

犯人を追い詰める!謎を解く!おすすめの倒叙ミステリー 10選!


倒叙ミステリーとは、最初に犯人や犯行が明かされ、主に犯人の視点で物語が展開されたり、アリバイを崩していくタイプのミステリー。


犯人目線のドキドキやパズルのように謎を解いていく楽しみがあります。そんな倒叙ミステリーの中でもおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。ドキドキ・ハラハラを思い切りお楽しみ下さいね。

おすすめの倒叙ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に素敵な作品ばかり!それではおすすめの倒叙ミステリー小説を堪能してくださいね!

探偵が早すぎる/井上 真偽

遺産相続で世界でも指折りのお金持ちとなった女子高生の一華を、あの手この手で事故に見せかけて殺そうとする親族達から守るべく、ほんの些細なことから手口を読んで事件が起こる前に解決する探偵のお話。ちなみに資産はなんと五兆円…探偵を雇ってどうにかするレベルの話ではない設定です。


被害者が出る前に犯人予定者を私刑する必殺仕事人のような早すぎる探偵。殺人を未然に防ぐとともに、殺人トリックを実行者本人にやり返すところが斬新で爽快。倒叙ものって重苦しくなるものだと思うのですが、本作は妙に軽く感じます。といっても読みごたえは十分ですよ!

犯行計画を立てただけなのに……どこからともなく名探偵がやってきた?完全犯罪をもくろむ殺人者は、誰にも見破られぬように犯罪計画を立てた……はずだった。「キミ、殺そうとしてるよね?」彼の犯罪計画の穴とは!?ミステリ界が今、最も注目する才能が放つ、究極の倒叙ミステリ!(講談社タイガより引用)


福家警部補の挨拶/大倉 崇裕

福家警部補シリーズの第1作目の短編集。コロンボを熱愛していた作者ということで、ストーリーもしかり、いつも警察バッジを探していて、いつも交通課に間違えられるというキャラは刑事コロンボを彷彿とさせます。


内容は、犯人がわかっていて警部補がじわりじわりと追い込む倒叙もの。些細な違和感や言動を決して見逃さない、他から見たらムダに見える捜査も、とうに分かってる犯人をぐうの音も出ないほど追い詰めるため、一つの証拠を追っているに他ならなりません。じわりじわりと犯人に詰め寄る福家警部補が堪りませんよ!!こちらの作品は(2017.9.10現在)Kindle Unlimitedでも配信されています。


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現場を検分し鑑識の報告を受けて聞き込みを始める頃には、事件の真相が見えている?!おなじみ刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける、四編収録のシリーズ第一集。(創元推理文庫より引用)


倒叙の四季 破られたトリック/深水 黎一郎

題名通り季節になぞらえた倒叙ミステリの連作短編集。ネット上に不定期に出回る、元刑事が書いたという『完全犯罪完全指南』なるものを参考に完全犯罪を行おうとする犯人達。


完全犯罪をこなしたつもりが海埜刑事により徐々に綻びが指摘されていきます。犯人のミスに何でも気付いちゃうどこか古畑的な刑事と一緒に捜査を楽しめますよ。

懲戒免職処分になった元警視庁の敏腕刑事が作成した“完全犯罪完全指南”という裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人の殺人者。「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」「冬は氷密室で中毒殺」。心証は真っ黒でも物証さえ掴ませなければ逃げ切れる、と考えた犯人たちの練りに練った偽装工作を警視庁捜査一課の海埜刑事はどう切り崩すのか?一体彼らはどんなミスをしたのか。(講談社ノベルスより引用)


さよなら神様/辻村深月

連作短編集。全知全能であるがゆえに事件の真相を初めから知っている神様鈴木くんと、それに翻弄される子供たちのお話。


1行目に犯人が断言されてるのに、読み手に安易に結末を予想させませんむしろ犯人しかわかりません。気付けば主人公の周囲には殺人者と被害者だらけ。


絶対に崩せないアリバイをどう破っていくかに焦点をあてて読むと面白いと思います。それにしてもどの章もあますとこなく後味が悪い。そして後味は悪いけど驚きは満足というすごい読後感の一冊。おすすめですよ!

隣の小学校の先生が殺された。容疑者のひとりが担任の美旗先生と知った俺、桑町淳は、クラスメイトの鈴木太郎に真犯人は誰かと尋ねてみた。殺人犯の名前を小学生に聞くなんてと思うかもしれないが、鈴木の情報は絶対に正しい。鈴木は神様なのだから―(「少年探偵団と神様」)。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させた神様探偵が帰ってきた。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに。(文春文庫より引用)


検察側の罪人/長沢 樹

ベテラン検事である最上と若手検事の沖野が、蒲田で発生した老夫婦殺害事件を扱います。


容疑者として浮上したのが、既に時効となっていた事件の重要参考人。取り調べ時の曖昧なアリバイと嘘の供述に最上は容疑者を今度こそ裁こうと躍起になるのですが…。法律と正義、法律の限界とはいえ最上検事そこまでする!?

蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。最上に心酔する若手検事の沖野は厳しい尋問で松倉を締め上げるが、最上の強引なやり方に疑問を抱くようになる。正義のあり方を根本から問う雫井ミステリー最高傑作!(文春文庫より引用)


キングを探せ/法月 綸太郎

シリーズものですがこのタイトルから読み始めても違和感なく楽しめると思います。四重の交換殺人を目論む男達、それに挑む法月親子のミステリー。あそことそこが繋がってうまくはまってくるのが凄いパズルを解く楽しさを感じるおすすめの作品です。


前半の倒叙から、後半は伏線をきちんと回収した上で、さらに犯人サイドと警察サイドの騙し合いでワクワクさせてくれます。ただの一文で『おおっ…』ってなる感じもさすが法月さん。

繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。目的は一つ、動機から手繰られないようターゲットを取り換えること。トランプのカードが、誰が誰を殺るか定めていく。四重交換殺人を企む犯人たちと、法月警視&綸太郎コンビの、熾烈な頭脳戦をご堪能あれ!(講談社文庫より引用)


彼女が追ってくる/石持 浅海

因縁を持った元同僚を計画通り殺した女はなに食わぬ顔で事件現場に現れます。しかし被害者が想定外のものを握っていたことから混乱し。


碓氷優佳シリーズ3作目。犯人による犯罪実行まではオーソドックスな倒叙ミステリの展開なんですが、被害者の生前の行動により犯人が事態をコントロールできなくなっていく展開が面白く、あるものが見つかる場面は犯人の鳥肌を追体験できる名シーンです。ずっとドキドキハラハラできるおすすめ作品。

“わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ…”中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは。(祥伝社文庫より引用)


聖女の救済/東野 圭吾

東野さんの倒叙ものとしてすぐ思い浮かぶのは『容疑者Xの献身』ですが、今回ご紹介するのはガリレオシリーズ第5弾。最初から犯人は、分かっているのにトリックが後半までまったくわかりません。東野圭吾さんはどうやってこんなトリックにたどり着くの??


想像を超えたトリックで殺人が行われたのですが、あまりにも凄い殺人の仕掛けがなされていて、完全犯罪もありうる状況を湯川博士が見事に見破ります。最初から最後まで抜かりのないおすすめの傑作です!

資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。(文春文庫より引用)

東野圭吾さんのおすすめ15作品


ワイルド・ソウル/垣根 涼介

心臓がぎゅっと痛くなるような悲惨な話が続くのですが、ページを捲る手が止められずぐいぐい最後まで読まされたおすすめの傑作。


ブラジル移民による外務省への復讐劇。移民の陥った凄惨な状況の描写と一気に読ませるストーリー展開はお見事の一言。読んでいて、常にハラハラ感があるし、ブラジル移民の辿った苦難話が生々しくて引き込まれます。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す!歴史の闇を暴く傑作小説。(新潮文庫より引用)


ハサミ男/殊能 将之

約20年前の有名な叙述トリック&倒叙ミステリー作品。主人公が殺人鬼なのでホラーっぽさもありますが、そこまでエグい描写もなく面白い!


ハサミ男と警察官の視点が交互に描かれていて、事件の真相に迫っていきます。それぞれのトリック自体は古典的なトリックと言われているものだと思いますが、複数絡めてきて展開がまったく予想できません。物語のクライマックスとなるあの一文を読んだ時、衝撃があり過ぎて訳が分からなくなる大どんでん返し!

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。(講談社文庫より引用)


OUT/桐野 夏生

残酷だしグロいしもう散々…全体的に救いがなくて暗くて、読んでいる自分まで荒んだ気持ちになっていく…でも面白くて一気読みしちゃう作品。


女とギャンブルにのめり込み貯金を使い果たし暴力をふるう亭主を女房は殺してしまいます。 すがりつかれたパート仲間が証拠隠滅の為死体をバラバラにして捨てる…お弁当製造工場に勤める女性4人の犯罪。登場人物それぞれが抱えた闇が、複雑に絡まり合って大事件になっていく流れは本当に上手い!怖いもの見たさの感覚で読んでみて下さい。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?自由への出口か、破滅への扉か?四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。魂を揺さぶる書下ろし犯罪小説。(講談社より引用)


あとがき

おすすめの倒叙ミステリー小説をご紹介してきました。どれもトリックを解いていく楽しみを存分に味わえると思います!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!


甘酸っぱい青春を楽しめる!おすすめの青春ミステリー 10選!


思春期を迎えた人物の日常や成長を楽しむ、おすすめの青春ミステリーをご紹介していきたいと思います。甘酸っぱかったり、ほろ苦かったり、気分は高校生時代に戻りながらミステリーも楽しめる素敵な作品ばかり!ミステリーとともに思春期の複雑な感情をお楽しみ下さい!

おすすめの青春ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に素敵な作品ばかり!それでは思う存分堪能してくださいね!

体育館の殺人/青崎 有吾

学校に住んでいるオタク探偵が謎を解決する裏染シリーズ1作目。いきなりといっても良いほど早々に発生する校内で起こった殺人事件を、部室に住み着く天才変人が解き明かすミステリー。状況証拠を積み上げて犯人をあぶり出す過程は読んでいてとても面白い!


軽いノリの学園ものの体裁をとっていても、中身は本格的な謎が仕掛けられている良作で、ミステリ初心者の人もガチ勢の人も楽しめそう。こちらの作品は(2017.9.9現在)Kindle Unlimitedでも配信されています。


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風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。(創元推理文庫より引用)


青の炎/貴志 祐介

17才の純な少年が愛する者を守るために試みた完全犯罪、些細な事から生じるほころび、内から起こる自責の念と迫り来る捜査の脅威。


主人公はとても切れ者なんですが物凄くピュアで心優しい。トリックの緻密さもさることながら、そんな主人公の揺れ動く心の描写が最高です。最後の一行まで重く、深くて哀しい青春ミステリーの傑作。

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。(角川文庫より引用)


冷たい校舎の時は止まる/辻村深月

雪の降る中、学校に閉じ込められる8人の高校生。明らかに現実離れした状況下、一人また一人と『消えて』いくサスペンスフルな展開。


物語は二ヵ月前に起きた同級生の自殺を軸にしています。閉じ込められた八人はなぜだか皆、誰が自殺したのか思い出せなくて…。


ホラーを取り入れた展開と、心の中に抱えた生々しい青春像との意外なくみ合わせに惹かれた一冊です。手に取るのを躊躇うくらいの分厚さに加えて上下巻。かなりのボリュームなんですが面白くて一気読みしたおすすめ小説。

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう―。(講談社文庫より引用)


消失グラデーション/長沢 樹

舞台が学校でなければ発生しないであろうミステリーに、いろんなものを抱えている高校生それぞれが真剣に向き合う姿が、頼もしい青春ミステリー。


人気女子バスケ部員が転落した姿を目撃された直後に忽然と校内から消えた!そのまま消えた部員の謎を追う物語。真相は過去に何度も出てきたトリックですが、本作は徹底していて全て見破るのは至難の業ですよ。

私立藤野学院高校のバスケ部員椎名康は、ある日、校舎の屋上から転落し、痛々しく横たわる少女に遭遇する。康は、血を流すその少女を助けようとするが、何者かに襲われ、一瞬意識を失ってしまう。ほどなくして目を覚ますと、少女は現場から跡形もなく消えていた!?開かれた空間で起こった目撃者不在の被害者消失事件。複雑に絡み合う青春の傷と謎に、多感な若き探偵たちが挑む。(角川文庫より引用)


サクリファイス/近藤 史惠

ロードバイクの競技を舞台にした小説。サクリファイスとは簡単にいえば犠牲心やアシストのこと。途中でタイトル和訳「犠牲」の真意に気付いた瞬間鳥肌が…。


タイトルにもストーリーにも深い意味や意図がありますし、ロードレースの醍醐味や面白さとミステリーの要素が上手く絡められていてワクワク・モヤモヤ。面白いですよ!

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた!(新潮文庫より引用)


彼女の色に届くまで/似鳥 鶏

絵画にまつわるミステリーといえば原田マハさんですが、本作は似鳥鶏さんらしく学園もの。


凡才を自虐しつつ画家を目指す主人公が天才的な絵画センスを持ちながらも少し変わっている少女とともに絵画にまつわる事件と遭遇しながら才能と向き合う過程が描かれています。


少し固めな物語の入り口ですが、コミカルなキャラクターや美術初心者でもニヤリとできる注釈の面白さがあって気軽に入れて読みやすい青春ミステリー。

画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、期待外れな高校生活を送っていた。友人は筋肉マニアの変わり者一人。美術展の公募にも落選続きで、画家としての一歩も踏み出せず、冴えない毎日だった。だが高校生活も半ばを過ぎた頃、僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。その窮地を救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、それから僕の日々は一変する。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり…。二人のもどかしい関係の行方は―?(KADOKAWAより引用)


人魚姫の椅子/森 晶麿

甘いだけじゃない、ちょっぴり苦い恋愛が好きな方にとっては最高の物語。そんな中で一片の狂気を含ませる作風は相変わらず面白い!


空想が好きな杏、椅子作りに情熱を傾ける慧斗、美人で明るい翠。翠が好きな人にラブレターを渡すところから事件が始まります。美しい文章で、瀬戸内の自然や杏の恋心を描いているぶん、内容の異様さがより際立っていると思います。それから杏のラブレター、とっても胸をうちますよ!

瀬戸内海に面した椅子作りがさかんな町、宝松市鈴香瀬町。高校生の海野杏は、毎朝海辺で小説を書きながら、椅子職人を目指す同級生・五十鈴彗斗と少しだけ話すことを日課としていた。そんなある日の朝、彗斗から「高校をやめて町を出る」と告げられる。特別仲がよかったわけではないが、傍にいて当然の存在がいなくなることに焦りを覚える杏。時を同じくして、杏は親友の翠からラヴレターの代筆を頼まれる。必死に頼む姿にほだされ、明るくてかわいい翠を思い浮かべながら、一文一文を丁寧に綴っていく。そのラヴレターから、小さな町を揺るがす失踪事件が始まるとも知らずに。“黒猫シリーズ”の著者が描く、新たな青春ミステリ。(早川書房より引用)


いまさら翼といわれても/米澤 穂信

おなじみ古典部シリーズ最新作。高校の古典部の4人のキャラそれぞれの日々の行き違いや信頼が描かれている6つの短編連作。シリーズとはいえ、1篇1篇が独立しているので、今までの話を知らなくても十分楽しめます。


古典部員の青春ストーリーとしては、キーポイントになるかもしれません。もちろん日常の謎としてのミステリー要素も濃密に楽しむことができるとても贅沢なおすすめの一冊。

神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘―折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)。奉太郎、える、里志、摩耶花―“古典部”4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇!(KADOKAWAより引用)


放課後スプリング・トレイン/吉野 泉

福岡を舞台にした青春ミステリー。と言っても誰も死なないですし、怖いこととは何も起こりません。


放課後、学祭、ボランティアやフィールドワーク。その途中で高校2年生の泉が出会った謎を、大学院生の飛木さんが、背中を押すようにあたたかく解いてゆきます。高校時代に一瞬戻れる爽やかな読後感が素敵なおすすめの一冊。こちらの作品は(2017.9.9現在)Kindle Unlimitedでも配信されています。

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四月のある日、私は親友から年上の彼氏を紹介され、同席していた大学院生の飛木さんと知り合う。彼は、天神に向かう電車で出会った婦人の奇妙な行動や、高校の文化祭でのシンデレラのドレス消失騒動など、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。「飛木さん、どうしたら謎が解けるようになりますか?」福岡を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。(創元推理文庫より引用)


そして、君のいない九月がくる/天沢 夏月

ケイタの幽霊ケイが、友達4人のところに現れて、彼の願いのため旅をするお話。ふわふわっとしてサクサクっと読める一冊。


映画『スタンド・バイ・ミー』のように足跡を辿る旅の中で吐き出される、恵太に対する後悔や嫉妬、恋心。少年少女の複雑で多感な心情が表現された良い青春小説だなと思います。ケイタの死の真相にも驚かされますよ。

その夏、恵太が死んだ。恵太といつも一緒にいた美穂、大輝、舜、莉乃たちは、そのショックから立ち直れないまま呆然とした夏休みを送っていた。そんなある日、美穂の前に現れたのは、死んだ恵太に瓜二つの少年、ケイ。「君たちに頼みがある。僕が死んだ場所まで来てほしい」戸惑いながらも、美穂たちは恵太の足跡を辿る旅に出る。旅の中でそれぞれが吐き出す恵太への嘘、嫉妬、後悔、恋心。そして旅の終わりに待つ、意外な結末とは。(メディアワークス文庫より引用)


いなくなれ、群青/河野 裕

階段島シリーズ1作目。男子高生の七草は、ある日突然知らない場所に捨てられていました。『階段島』住んでいる住民は自分が何故ここにいるの記憶にない状態で、いつの間にかいる島。魔女によって管理されているこの島に七草の知っている少女が捨てられたことで七草の生活は一変していきます…。


元の世界に戻るために失くしたものを見つける物語なのですが、全体的に謎に包まれている感じ。再会が起こす出来事がたまらなく面白いのですが、少し曖昧な表現が淡々と続いていく文章には好みが分かれるかもしれません。

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎…。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。(新潮文庫nexより引用)


あとがき

甘酸っぱい青春を思い切り楽しめる、おすすめの青春ミステリーをご紹介してきました。高校時代にタイムスリップできましたか?気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!


WEB漫画総選挙の結果発表!おすすめのWEB漫画が勢揃い!

pixivコミックよりWEBマンガ総選挙の結果が発表されましたね。Webで発表されるマンガ作品を対象に行われた今回の投票、どんな作品が選ばれたのでしょうか?投票数とあわせてランキング順に選ばれた漫画のあらすじ、書評を紹介してみたいと思います。

WEBマンガ総選挙とは?

「今もっとも愛されているWebマンガ」をコンセプトに創設された同賞は、ピクシブと日本出版販売による協同企画。Webが初出で9月9日までに書籍化されたマンガを対象にユーザー投票を行い、そのポイント結果で選定されランキングされました。


WEBマンガ総選挙結果

それでは、1位より順にあらすじ、感想をご紹介していきます。本当に面白い漫画ばかりですので気になる作品があれば是非読んでみて下さいね。※タイトル横の数字は投票数です。

1位 RENA「ヲタクに恋は難しい」(79,366P)

隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、ルックス良く有能だが重度のゲーヲタである宏嵩(ひろたか)とのヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメディ。(一迅社より引用)


見た目可愛い隠れ腐女子OLの成海とルックス良く有能ですが重度のゲーヲタである宏嵩とのヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメ。面白いしキュンとするし宏嵩には女の夢が詰まってるし、マンガの中でくらいヲタクでも幸せになってくれ!堂々の1位も納得の一冊です。

2位 RENA「雷神とリーマン」(44,307P)

ゲイの大村は失恋を機に色事から遠のき、日々を味気なく過ごしていた。 いつものように仕事に疲れ自宅へ戻ると、部屋の中にフワフワ浮遊する不審者を発見。 不審者曰く「神でいるのが嫌になった。お前、俺を人間にしろ」 事態が飲み込めぬまま大村の疲れは極致へ達す…! 嘘か真か神とリーマンのシェア生活、はじまりはじまり。(クロフネコミックスより引用)


ハイスペック純粋雷神×疲れきった乙女リーマン。主人公がゲイではあるのですがBLではありません。孤独なゲイのリーマンの元に来たのは人間になりたい雷神様。ぶっとんだコメディかと思えば感動のエピソードも。たまに心に突き刺ささってくる雷遊の言葉…温かすぎて泣く。

3位 はくり「幸色のワンルーム」(34,534P)

薄幸な少女は誘拐されて“幸せ"を初めて知る。 その日、少女は誘拐された。 しかし、それは少女にとって一縷の希望にかけた生活の始まりだった。 少女は誘拐犯に結婚を誓い、誘拐犯は少女にたくさんの“幸せ"を捧ぐ。 被害者と誘拐犯の関係なのに―――どうしてこんなに温かいの? (ガンガンコミックスpixivより引用)


誘拐犯の少年×誘拐された少女。 正しい家族に正しく愛されることがなく、まっすぐに正しく生きる事が難しかったヒロインを、救いにやって来たのは、やはり正しくないことをする男だった。2人はお互いに依存し自分を隠したまま共同生活を送り続けます。複雑だけれどもとても暖かい作品、おすすめです。

4位 泥川恵「ゆるお先輩とわたし」(32,018P)

隠れ腐女子がリア充バイトで、脱力系イケメンと出会った。 超絶ゆるいのに仕事はできる、まかない飯にニコちゃんマーク……なんだろうこの胸のトキメキは!? ちょっと変わった仲間たちと楽しく働く、胸キュン&笑いたっぷりの実録バイトライフ! (ピクシブエッセイより引用)


実録漫画。てっきり泥川さんがゆるお先輩に恋する話かと思いきや、憧れの先輩のゆるい雰囲気を見て癒される作品。賑やかでゆるくて面白いです!そして、創作じゃなくて、エッセイの重みを感じるラスト…。

5位 春園ショウ「佐々木と宮野」(31,275P)

女顔がコンプレックスな腐男子の宮野は、校内で起きた喧嘩をきっかけに、先輩で不良の佐々木に気に入られてしまい――。BL展開断固拒否!な男子高生の日常。(ジーンピクシブシリーズより引用)


不良センパイ×腐男子後輩。不良の先輩・佐々木先輩と後輩・宮野くんのボーイズライフなお話。ラブではないですよ、ライフ。じわじわと距離の縮まっていく2人が可愛いです。宮野くんの腐りっぷりもまた読んでいて楽しい。

6位 星海ユミ「ヤンキーショタとオタクおねえさん」(28,314P)

ヤンキー小学生×地味ヲタ社会人。 混じわれない異文化ラブコメ開幕!! ごくごく普通の地味ヲタ社会人・佐伯かづ子が苦手なものは、《男子》と《ヤンキー》。 そんなかづ子にやたらとかまう、お隣のヤンキー小学生・愛川龍桜。 脅かされる平和なヲタク生活! その理由とは…? (ガンガンコミックスpixivより引用)


お隣のヤンキーショタに怯えるオタクおねえさんと、そんなオタクおねえさんを恋い慕うヤンキーショタのお話。龍桜くんに振り回されるお姉さんに大爆笑!この2人、とにかく微笑ましくてニヤニヤしながら読めますよ。果たして彼の恋が成就する日は来るのかな?

7位 久世岳「トリマニア」(23,754P)

ようこそ、トリマニア共和国へ。 トリマニア共和国──。世界で唯一、背中に翼を持つ人々が住まう国。そんな謎めいた国に留学を決めた少女・あかり。彼女はトリマニア共和国で何と出会い、何を見つけるのか?(ガンガンコミックスONLINEより引用)


主人公あかりは失恋の傷を癒すため適当に選んだ「トリマニア共和国」に留学する事に。背中に翼があるだけでそれ以外は普通の人間なトリマニア人。そこに留学生のあかりを加えて彼らの恋や日常が描かれています。シュールで面白いスルメ漫画、謎な低いテンションで、一言ひとことがツボに嵌りますよ。

8位 りべるむ「そうしそうあい」(17,078P)

金髪ガチヤンキーそうしと、黒髪真面目女子のめぐみの、かわいすぎる両想いをお送りします☆ 付き合い始めたふたりのキレッキレな愛情表現に、誰もが表情ゆるっゆるになるほんわか教室ラブデイズ♪(ジーンピクシブシリーズより引用)


金髪ヤンキー×黒髪ツインテール優等生。もともとは学校の課題から生まれた作品だそう。見かけによらず純粋なそうしと、見かけによらず積極的な相馬ちゃん、お互いにもっていないものに惹かれ合う2人とも超可愛い!お互いに堂々と好きを貫いていてタイトル通りの相思相愛漫画です。ニマニマしながら読みましょう。

9位 iko「テラモリ」(15,375P)

スーツ屋でお仕事はじめました。ヲタク女子大生・高宮 陽(20)。バイト未経験の彼女は時給にひかれてスーツ屋“テーラー森”で働くことに!ネクタイ、シャツ、紳士靴 etc. 呪文のようなスーツ用語を覚えつつ、楽しくも必死で働くアパレルコメディー、開店です♪(小学館より引用)


スーツに関する雑学を楽しみつつ、登場人物の日常を楽しむ漫画。コミュ力が低いけれど、時給に目がくらんでスーツ屋で接客のバイトをする事にした陽のラブコメかな?みんな良い人達ばかりで環境が恵まれていて読んでいて楽しいです!

10位 北大路みみ「On the way to Living Dead」(13,731P)

東京湾に浮かぶ人工島「富士島」では、“世紀の薬品”と言われる新薬が開発されていた。ある日、島は死者がうごめく地獄へと姿を変える。島に残された者達の運命は――!?(一迅社より引用)


全編オールカラーでゾンビがいっぱいでてくるひたすら格好良い漫画。ある孤島で突如ゾンビが大量発生!対ゾンビ用訓練を受けていたクォーターの安藤竜太郎の前に現れた少女・吉祥寺まひる。2人の出会いによって物語はさらに…。絵柄は可愛いめなんですが、どこか狂気とか不安が漂っています。

あとがき

納得の良作ばかりでしたね。読みたい時にすぐ読み始められるWEB漫画、もちろんpixivコミックでいつでも読めますので気になる作品があれば是非読んでみてはいかがでしょう?本当に面白い漫画ばかりですよ!

後味の悪さを楽しみたい!おすすめのイヤミス小説 10選!

最近話題の小説ジャンル『イヤミス』。イヤミスとは、読んで嫌な気持ちになったり、後味の悪さを楽しむミステリーのことです。中には途中で本を閉じたくなってしまうような場面もありますが、それでも読まずにはいられない…そんな魅力あるおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。

おすすめのイヤミス小説


表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に面白いイヤミス作品ばかりですよ!それでは後味の悪さを思う存分堪能してくださいね!

十一月に死んだ悪魔/愛川 晶

売れない小説家『蒼井聖』は11年前の交通事故で記憶を失くしてしまいます。あるきっかけで舞華という美しい女性と同居することになるのですが、舞華の正体を探るうち徐々に記憶が戻っていき…。


最初は物語の合間の不可解なストーリーが謎で、どう繋がるの?と頭を悩ませると思います。こちらの作品、決して読み易くはないかもしれませんが意味が解った瞬間から一気に面白くなります。


最後に明らかになる事実は意外性があってお見事!なんですが、読後の気分の悪さときたら…。もう一度読み返したくなるような、もう読みたくないような。

イヤミスここに極まる。まさに唾棄すべき傑作!鳴かず飛ばずの作家・柏原が十一年前の交通事故で失った一週間の記憶。謎の美女・舞華と出会ったことで封印されていた魔物が甦る!(文藝春秋より引用)


女王はかえらない/降田 天

2015年度『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作品。針山小の3年1組はマキが仕切っていて、そこには階級制度が出来上がります。


4年生になってもクラスは持ち上がり、そのままマキが女王として君臨するのかと思われたのですが、東京からの転校生エリカがやって来て、マキとエリカの戦いが始まります。その結果ある事件が起きるのですが…。


小学生のカーストが、叙述トリックを用い幾重にも伏線を散りばめながら描かれていて単純に読んでいてすごく面白い!容赦なくえぐい感じがリアルで、小学生でここまでするのかと嫌な感情を抑えつつも、先が気になりラストまで驚きと恐さにゾクゾクしっぱなしです!さすがこのミス大賞作品と思えるおすすめの一冊。

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(宝島社より引用)


告白/湊 かなえ

けっこうなエグさなのに意外と冷静に読み進められるのは、明らかに救いがなさそうなのがわかるから。お次は、イヤミスの女王『湊かなえ』さんのデビュー作、良い意味で救いようのない小説『告白』です。


中学校教師の娘が不慮の死を遂げるという出だしからそれを取り巻く教師と教え子とその家庭環境がそれぞれの当事者目線で描かれ、そこに渦巻く思惑が入り乱れながらもパズルのように組み合わされていきます。


語り手の視点がバラバラと入れ替わってひとつの事件を語っていく構成で、章ごとに事件の見え方や登場人物の印象がガラッと変わります。映画化や漫画化、本屋大賞に新人賞を総なめにした鳥肌に次ぐ鳥肌の一冊です。

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。(双葉文庫より引用)


愚行録/貫井 徳郎

人間の嫌な部分が全て詰まった一冊。裕福で恵まれた生活を送る幸せを絵に書いたような4人家族の滅多刺し惨殺事件が起こります。


事件を追う記者によって、隣人、会社の同僚、学生時代の友人、元恋人らによる事件と被害者夫妻についてのインタビュー形式で話が進んでいきます。関係者の証言のみで構成されている異色の小説でそれはまさに『愚行』の記録。


普段はなるべく見ないように、気づかないようにしている人間の愚かさを、まざまざと見せつけられるような気がして、薄気味悪くていやーな感覚が残ります。

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。(創元推理文庫より引用)


リライト/法条 遥

未来から来た初恋の少年を助ける為に10年後にタイムリープしたはずの自分が10年後に現れない…そんな冒頭から始まる時間物SFです。


てっきり主人公が真相解明に奔走する爽やかな展開かと思いきや、次章から思い切り裏切られ、どんどん混乱の渦に巻き込まれていきます、そして後味の悪い衝撃のラスト。


文体は分かり易くてとても読みやすいのですが、複雑な構造なのでほとんどの人はきっと頭がこんがります。ですが、難しいながらも予想外の展開に鳥肌が立ちっぱなしになること間違いなし。クライマックスは、ジェットコースターで奈落の底に落ちる感じが楽しめますよ!

過去は変わらないはずだった―1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ…しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき…。(ハヤカワ文庫より引用)


祝言島/真梨幸子

映画『祝言島』に映った殺人が実際の殺人ではないか。そんな謎を提示されつつ、現在から過去へ飛んで…。 ストーリーの中から情報を集めて、自分で真相を完成させるミステリー。


文章のテンポがよくて、あっさりと変な世界観に引き込まれるのですが、リライト同様こちらも時間軸がわからなくなりますし、登場人物がとにかく多い!相関図と時系列を整理しないと理解不能のひねりにひねったイヤミス作品。


どうしてこんなに色々な人物が入れ替わり登場するのか、最後でようやく納得できます。蓋を開ければ単純なんですが、それを狂気に満ちた世界に仕上げたのはさすが真梨さん。

2006年12月1日、東京で3人の人物が殺され、未解決となっている「12月1日連続殺人事件」。大学生のメイは、この事件を追うテレビ番組の制作会社でアルバイトをすることになる。無関係にみえる3人の被害者の共通点が“祝言島”だった。東京オリンピック前夜の1964年、小笠原諸島にある「祝言島」の火山が噴火し、生き残った島民は青山のアパートに避難した。しかし後年、祝言島は“なかったこと”にされ、ネット上でも都市伝説に。一方で、祝言島を撮ったドキュメンタリー映画が存在し、ノーカット版には恐ろしい映像が含まれていた。(小学館より引用)


だからあなたは殺される/水生 大海

母を亡くした女子高生・優羽は10年ぶりに刑事の兄 正義と暮らし始めます。時を同じくして近所で読モ女子高生が惨殺され、正義は捜査に乗り出すのですが…想定外なイヤミスオチ。


この主人公あまり好きになれないなと思いながら読み進めるも途中まではあまり山場もなく、最後は普通に犯人が見つかるだけかと思いきや、結構な驚きが!!読後は、タイトルとカバーの不気味さに震えます。確かにイヤミスなのですが、何かスッキリもする一冊。

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


ユリゴコロ/水生 大海

人の死を生きる拠り所とする女とその手記に翻弄される男のお話。主人公の亮介が、末期がんで余命わずかな父の家の押入れで見つけた『ユリゴコロ』と題された4冊のノート。そこには、人を殺しても何の痛痒も感じない女性の半生と殺人記録が綴られていました。


手記の中盤あたり、暗くて気持ち悪くて、もう本当に読むのが嫌になったのですが、真実が明かされていくうちに…。


ホラーサスペンスですが、愛の話でもある不思議な物語。読み終わった後のスッキリ感が病み付きになりそうな、暖かいものも残るおすすめの一冊。あれ?確かに面白いんですがよく考えると後味が良いイヤミスですね。

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!(双葉社より引用)


209号室には知らない子供がいる/櫛木 理宇

209号室に住む少年・葵という得体の知れない子供。高級マンションに暮らすそれぞれの家族のほんの少しの隙間に潜り込み支配する…。


気味が悪くて後味も悪いとゆうイヤミスホラー。家族が葵に絡めとられ少しずつ常軌を逸していく過程がコワいんですが不愉快なキャラのオンパレードによる憤りが恐怖を余裕で凌駕します。そして最後まで読むと…イライラが怖さに変わります。

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


いちばん悲しい/まさき としか

背後から執拗に刺し殺された男には妻子があり若い恋人がいた。表紙の感じからは絶対に予想つかない極端なイヤミス。


深夜の路上で刺殺された中年男性。男性の愛人、妻、関係者の女性、とにかくどの人も自分勝手で皆が口にする『私がいちばん悲しい』という言葉、それぞれの視点から怒りを爆発させていきます。


自分が一番悲しい筈だと陶酔しているかのような女性が複数出てきて、ジットリとした不快感、最後の真相がわかってもモヤモヤと後味が悪いですが、読後感の嫌さが絶妙ですごくいい感じの一冊。イヤミスを堪能できますよ!

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


あとがき

後味の悪さを楽しむ、おすすめのイヤミスをご紹介してきました。どの作品も嫌な気分になりつつもページを捲る手のとまらないとても面白い作品ばかりですよ!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!


ワクワクが止まらない!最高に好奇心をくすぐる本 厳選10作!

表紙やタイトルを見ただけで妙にそそられる本、たまに見かけますよね。今回は、そんな好奇心をくすぐる本の中でも特におすすめのワクワクできる作品をご紹介していきたいと思います。あなたを知的興奮のるつぼにつきおとすことうけあいの良書をお楽しみ下さい!

ワクワクが止まらない、最高に好奇心をくすぐる知識・教養本

表記はタイトル、あらすじ、書評の順になっています。それでは思う存分ワクワクを堪能してくださいね!

極上の世界旅行

これぞ“世界旅行の王道"という旅先400カ所以上を、宝石のように美しく迫力のある写真で紹介。ワンランク上の新しい旅へと誘います。 見逃せない最新ベストスポットやテーマ別世界のベスト10、旅の達人が感動したエピソードなどをふんだんに織り交ぜ、今まで知らなかった憧れの旅先の発見や、訪れたことのある旅先の魅力の再発見をお手伝い! いずれの旅先でも、一番堪能できる方法を、自信を持ってお薦めします。 読みやすいB5サイズで、ページが左右に大きく開くので写真を存分に味わうことができる、大人のための上質な旅ガイドです。
(日経ナショナルジオグラフィック社より引用)


ソファの近くに置いて、ときどき開いて拾い読みするのに最適な本。都会から田舎まで素敵な場所ばかり、写真も迫力のあるものばかりで目の保養になる一冊。旅のヒントとしてHPも記載されているのでタブレットと一緒にどうぞ。

100年前の世界一周

一九〇五年(明治三八年)、ドイツ人青年が旅に出た。アメリカ、カナダ、日本、朝鮮、中国、インドネシア、インド、スリランカなどを周遊。まだ世界が広かった時代、豊かな地域性を残した社会を旅した貴重な記録。(日経ナショナルジオグラフィック社より引用)


100年以上前、裕福なドイツ人青年が、当時の高級品であるカメラを抱えて自分探しの世界周遊へ。日本を中心とした世界を、当時貴重なカラー写真で収めた写真集と回想録です。宿の和室にベッドらしきものが有ったり、リアルな花魁道中の写真など色々と興味深い一冊。

自然界における左と右

鏡像、回文、利き手、洗面器の底にできる水の渦、つるの巻き方、立体異性体、原子構造、反粒子と息もつかせずおどろく程広範囲にわたって繰り広げられる、左右の話。 (紀伊國屋書店より引用)


『鏡はなぜ左右を反転させるが上下を反転させないのか?』凝り固まった常識に揺さぶりをかける一冊。右と左に関する考察から、最先端の物理学研究ではどんなことが考えられて来たのか解説されています。目に見えない世界をあれやこれやと想像するのは面白いですね。

フラットランド

ここはフラットランド。二次元の国。主人公の「正方形」はある日、夢で一次元に行く。しかし線の世界で正方形は、「点」でしかなかった。平面世界に戻った彼の前に、奇妙な訪問者が現れる。空間世界から来た「球」だった―。異なる次元は、いかにして捉えられるのか?三次元の住人たるわれわれは、どうすれば四次元を想像できるのか?子供から物理学者まで、世界中を虜にした不思議な物語。(講談社選書メチエより引用)


私達が四次元を理解するのが難しいように、フラットランドの住人はスペースランドを理解するのが難しいと言う話。簡単に言えば、二次元人が一次元へ行って「こんな狭いとこに住んでるとか」って言っていたら三次元人が来て「お前もやろ」って言う話。別次元に想像を働かせたくなる、知的興奮に満ちたおすすめの一冊。

この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた

ゼロからどうすれば文明を再建できるのか?穀物の栽培や鉄の製錬、印刷、発電、輸送機器、医薬品など、現代生活の基礎となる科学技術をどのように復活させるのか?(河出書房新社より引用)


何てワクワクするタイトル!でもファンタジーなタイトルとはかけ離れたリアルな実用書です。なんらかの大破壊によって今の文明が滅んでインフラも全て失われた後の世界でどうやって文明を再考していくかのマニュアル本。

絶対に行けない世界の非公開区域99

英国女王の寝室/沈没したソ連の潜水艦/グーグル・データセンター/エリア51/死体農場/コカ・コーラのレシピ保管庫/CIA本部/エアフォースワン/ホワイトホールの秘密トンネル/ロンドン塔宝物庫/バチカン機密文書館/ウィキリークスの地下データセンター/ガザ地区の密輸トンネル/海賊の町、ホビョ/トラボラの洞窟/ビンラディンが潜伏していた家/カシミール紛争地域/パドマナーバスワーミ寺院の財宝/ゴビ砂漠の不明建造物/朝鮮労働党39号室/伊勢神宮…など、多数収録!(日経ナショナルジオグラフィック社より引用)


非公開の理由を見ていくだけでも感慨深いものがある本。中には『何でこんな理由で非公開にするの?』と思わせる場所もありますが、それが理由で思わぬ憶測を呼んでいるのも事実。知的好奇心をそそられる記事がたくさん!

漂着物事典 海からのメッセージ

玄界灘沿岸に流れ着く様々な寄り物、漂着に関わる民族・歴史、さらに調査・収集・研究の方法まで、219項目を収録した事典。索引付き。(海鳥社より引用)


福岡市東部〜宗像市辺りの海辺を歩いて収集した品々とそれにまつわるエピソードを紹介した本。海岸を散歩するのが趣味の方、ちょっとこの本を読むだけで、漂着物を見るのが楽しくなりますよ!

LIFE 人間が知らない生き方

この本は、「生き物」をテーマにしたビジネス書です。私たち人間は高い知能を持っていますが、その生き方は極めて不安定。他の動物たちと比べ、「定まっていません」。では、他の生き物たちは、どのような戦略で生き残ってきたのか?人間の知らない生き方から、「より人間らしい生き残り戦略」を学ぼう!という作品です。(文響社より引用)


動物の生態を人間の生き方に当てはめた本。例えば『猫が人間をどう思っているのか?』や『こちらを見てくる理由』など知らなかった生態ばかり。まさかそんな風に思われていたなんて!雑学だけじゃなく、少し気楽に生きていくための指南書みたいな素敵な一冊。

世界史を変えた50の動物

ミツバチ、カイコ、ネコ、ヒツジ、ライオン…世界の発展に大きく貢献し、生活様式に大きな影響をあたえてきた50の動物の興味深い物語を、美しい写真とともに紹介。(原書房より引用)


人と深く関わってきた生物たちが、その生態から人への影響まで解説されています。ミミズやノミなどの小さな動物が歴史を動かしていたという史実を示しているところが特に新鮮。50番目の生き物はお馴染みのアレですよ!

本当にあった奇跡のサバイバル

映画『大脱走』『キャプテン・フィリップス』の実話は、もっとすごい。誘拐・航空事故・内戦・遭難・災害など、いつわが身に降りかかるかもわからない、絶対絶命からの生還。脱出ルートをたどる地図・図解当時の報道写真・資料を多数収録。(タイムズ 日経ナショナルジオグラフィック社より引用)


生き残れないと確信できる過酷なサバイバルの数々。戦争、災害、事故のあらゆる極限の場面を地図や写真を含めながらドキュメンタリーを見ているような本です。浅く広くなので軽く読めますよ。

脳は美をいかに感じるか

モネやピカソの芸術を鑑賞しながら、最新の脳研究による解説を楽しんでいくユニークな本。脳のいろいろな領域と絵画要素の研究からミケランジェロ、フェルメール芸術の真髄まで、従来の美術論にない新鮮な切り口で語る。 (日本経済新聞社より引用)


脳や視覚に関する研究から、美術に関連して指摘出来そうなものを少しずつ載せた本です。ただ、タイトルに対して答えはありません。優れた美術作品を生み出す人って、やっぱり脳の機能のある部分が突出してるんだろうな…。

もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら タケコプターで読み解く経済入門

もしあの道具が実現したら…を発想のベースに、投資のプロが経済と世の中の“ひみつ”を解き明かす。のび太でもわかる!?まったく新しい経済入門。(CCCメディアハウスより引用)


秘密道具が商品化されたら経済学的に社会はどのように対応し、変わっていくかを考察した本。超真剣にドラえもんの道具が発明された後の経済状況や販売会社、利益、増大、縮小する企業を考えています。具体的な社名などが出てきてる点も面白いです。

あとがき

最高に好奇心をくすぐるおすすめの本をご紹介してきました。どの作品もとても面白いワクワクする作品ばかり、読み始めると手が止まらなくなるはずですよ!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめの恋愛ミステリー小説 5冊の名作を楽しもう!

今回は、恋愛の要素があるミステリー小説、そのままずばり『恋愛ミステリー』のおすすめ作品をご紹介していきたいと思います。

おすすめの恋愛ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、あらすじ、書評の順になっています。それでは『愛』のあるミステリー小説の名作を思う存分堪能してくださいね!

秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。(文春文庫より引用)


全ては愛する人の為、あまりにも切ない『秘密』。平介はバス事故で妻・直子を亡くしましたが娘・藻奈美は生還します。ところが娘の身体の中には直子の魂が…。


大切な妻娘との事故後の不思議な生活。意識の入れ替わりの話しによくあるようなドタバタではなく、このような状況になったら人はどうするのかが色濃く書かれている作品。『秘密』の本当の意味が分かった時、心が震えました。人を想うとは何か、思いやりとは何か、愛するとはなんなのかを教えられる一冊です。

異邦の騎士/島田荘司

失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、男はその断片的“事実”に戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺した男なのか?そしていま若い女との幸せな生活にしのび寄る新たな魔手。記憶喪失の男を翻弄する怪事の背景は?蟻地獄にも似た罠から男は逃げられるか?希代の名探偵・御手洗潔の最初の事件。(講談社文庫より引用)


島田荘司さんの御手洗潔シリーズ・エピソード0。実質的には処女作ですがインパクトが弱いという理由で長年眠り続けていた作品です。ですので『占星術殺人事件』など先に何作品か御手洗シリーズを読んでからの方がより本作を楽しめると思います。


ベンチの上で目覚めた男は自分に関する全ての記憶を無くしていました。僅かな手がかりを探して町をさ迷い歩く中、ひとりの女性と出会い、恋に落ちます。彼女との生活は幸せなものでしたが、そこに突然、過去の妻子の存在が浮上し…。


途中まで、ミステリ作品?と思ってしまうお話でしたが、終わってみると、ああなるほど騙されたという感じで、ミステリーとしても人間ドラマとしても深く厚みがあって凄く面白い!そして、終盤の展開はかなり切なくて胸を打たれます。ファンの間で熱く支持されている名作。

暗いところで待ち合わせ/乙一

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。(幻冬舎文庫より引用)


描かれているのは、盲目のミチルと殺人容疑で警察に追われているアキヒロの共同生活。お互いの存在に気づきながらも何事もないかのように静かに暮らす物語です。見えてる方も見えない方も不器用で、ふたりの距離が近づいていく感じがとにかく良い!ほとんど会話のない2人の、静かで温かな心の交流にぐっときます。


最初は目の見えない彼女の生活や、殺人を犯して逃げている彼の行動にハラハラドキドキの展開ですが、途中からはどうするのが良いのかわからなくなり、ただただ2人の幸せな結末を祈るばかり。


題名と表紙の装幀の暗さでホラー感もあって、ちょっと読むのを躊躇っている方もいそうな乙一さんの『暗いところで待ち合わせ 』想像以上に面白いので是非読んでみて欲しいおすすめの恋愛ミステリーです。

ユリゴコロ/沼田まほかる

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!(双葉社より引用)


主人公の亮介が、末期がんで余命いくばくもない父の家の押入れで見つけた『ユリゴコロ』と題された4冊のノート。そこには、人を殺しても何の痛痒も感じない女性の半生と殺人記録が綴られていました。この手記の作者は、もしかして自分の母なのか…。


ユリゴコロには、殺人の様子が詳しく書いているので、この辺りは少し気持ち悪く目を逸らしたくもなります。それでも亮介と読み手が重なり合って実際に自分がノートを読んでるんじゃないかと思ってしまうほど没入感が凄い!そしてラスト間際のあの数ページ…暖かいものも残るとても読みやすい良作です。

涙/乃南アサ

「ごめん。もう、会えない」。東京オリンピック開会式の前日、婚約者で刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた萄子は愕然とする。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していたことも判明。挙式直前の萄子はどん底に突き落とされた。いったい婚約者の失踪と事件がどう関わっているのか。間違いであって欲しい…。真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追った。(新潮文庫より引用)


東京オリンピックの前日、萄子の婚約者である刑事・奥田は失踪します。時を同じくして奥田の上司・韮山の娘が惨殺され、現場で奥田の定期入れが見つかります…。婚約者の失踪と殺人事件の謎を追うヒロインとその家族、そして刑事である被害者の父を描いた恋愛ミステリー。


タイトルからしてハッピーエンドではなさそうなんですが、プロローグで萄子が母親になりごく当たり前の生活をしている様子が描かれているので心配することなく読み進められます。


ヒヤヒヤドキドキしながらも先が気になりぐいぐいと引き込まれる内容で、所々にある時代の背景が真実味を増して楽しめます。まるでタイムスリップしたような感覚が味わえますよ。読後はまさにじわじわと『涙』でした。

あとがき

恋愛ミステリー小説おすすめの5作品をご紹介してきました。どの作品もとても面白くグイグイと引き込まれる名作ばかり!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

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戦慄!おすすめの怖すぎるホラー漫画 恐怖の厳選20作!


出典:©︎ミスミソウ

夜に読んでたら怖くて、昼に読んだけど、やっぱり怖かった…身近にありそうな想像をしてしまったら、もう眠れなくなってしまった…こんな怖すぎるホラー漫画を厳選してご紹介していきたいと思います。ホラー漫画好きの方にも、ちょっとゾクゾクしたいだけの方にも自信をもっておすすめできる傑作ばかりですよ!

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怖すぎるおすすめのホラー漫画

紹介する作品の中にはグロテスクなシーンの含まれているものもあります。なるべく紹介文の中にその旨を記載しておきますが、苦手な方はご注意下さい。それではお気に入りのホラー漫画を見つけて思い切り『恐怖』を楽しんで下さいね。作品は随時更新予定です。

※掲載の順はランキング形式ではありません

恐之本


出典:©︎恐之本

高港基資ホラー傑作選集。エアコンなしで涼しい気分を味わえるこの暑い季節にぴったりの話が満載!あなたを恐怖の世界に誘います…。(SGコミックスより引用)


ありそうでなかった、直球ど真ん中のガチホラー。心霊的な恐怖も扱いながら、人間的恐怖も題材としていて、とにかく『恐怖』を楽しみたい方にはうってつけの作品。


語り口はテレビの『本当にあった怖い話』に似ている気がします。一昔前っぽい絵柄が余計に怖さを際立たせていて、どの話も一回は何かしら『うわあー』ってなります。ホラー漫画好きなら是非読んで欲しい超おすすめの一冊。



死人の声をきくがよい


出典:©︎死人の声をきくがよい

岸田純は死んだ人間の姿が見える高校生。あるとき彼の前に現れた美少女は、行方不明の幼なじみ・早川涼子で…。 日常に忍び寄る恐怖と狂気を描きだす正統派ホラー!!(チャンピオンREDコミックスより引用)


少しノスタルジックな絵がいい雰囲気を盛り上げているオーソドックスなホラー漫画、全9巻。全体的に残虐で狂気的なのですがなんか笑ってしまう感じもクセになる作品。


霊を感じると鼻血を出す主人公と、主人公の側にいつもいる、狂気の餌食となった可愛い女の子の幽霊…1話読み切りで短いのにちゃんと怖いおすすめ漫画。とんでもない勢いで人が死に、同級生も平気で犠牲者になります。グロ気持ち悪くて怖いんですがキャラがかわいい。チャンピオン系は、時折こんなヤバイ感じの漫画があるから結構好きです。



殺戮モルフ


出典:©︎ 殺戮モルフ

白昼の繁華街を襲った悪夢! 下されるのは血に塗れた惨劇の刃!! 暴虐と異常性MAXの殺人鬼の脅威から生き延びろ! ホラー界最恐タッグが贈るスプラッタホラー開幕!!( ヤングチャンピオンコミックス より引用)


2巻に出版社の検閲が入ってグロシーンを黒塗りにしたとかで騒動にもなった作品。白昼の繁華街を襲った恐怖。覆面を被った謎の殺人鬼が白昼人々を惨殺。


そこに遭遇した女子高生・まどかは、間一髪のところで助かり、捕まった犯人は拘置所に入れられた、はずだった…。謎めいた殺人鬼に翻弄されるヒロインと警察官のサスペンスホラー。序盤からかなりグロい描写が続きますので苦手な方は注意して下さいね。


りんたとさじ


出典:©︎りんたとさじ

眼鏡が印象的な青年“りんた”と、明るく情熱的な女の子“さじ”。恋人同士のはずなのに、ふたりはなぜか微妙な関係。それは彼らの行くところ、予想を裏切る恐怖と不条理が待ち受けているから…。繊細で緻密な独特のタッチと、ユニークなキャラクターが新鮮な著者の初コミックス。リアルな現実と、悪夢のような非現実が交錯し読者を奇妙な世界へといざなう、予想を裏切る面白さの異色青春ホラー連作シリーズ。(ソノラマコミックスより引用)


読むと不思議な感覚に襲われる1話完結形式のホラー漫画で、気味の悪い、じんわりとした得体の知れない恐怖を扱ったストーリーです。


関西地方の大学生カップル、メガネ美青年『リン太』と『さじ』の日常に起こる奇妙な出来事が描かれているのですが、なんだか狭間を覗きこんだときのような恐怖があって、背筋がゾオっ。そして音の描きかたが怖い…読んでいて自然と怖くて気持ちの悪い音を思い浮かべてしまいます。レビュー点数も総じて高いかなりおすすめの一冊ですよ。



サユリ 完全版


出典:©︎サユリ 完全版

「僕の家族が、死んでゆく……」伝説的ホラーコミック「サユリ」に描き下ろしエピソードを加えた完全版!(バーズコミックス スペシャルより引用)


こちらの作品、最後にお婆ちゃんの壮絶な復讐劇になるのがただのホラー漫画と違う所。お婆ちゃん、いや、ババア無双のお陰で読後感がスッキリ爽やか。


平凡な家族を襲う悪霊。中古のマイホームを手に入れた父親が前にすんでいた女性怨霊の呪いによって死に、そして次々と家族が死んでいきます。ボケていたお婆ちゃんが正気になって、霊に同じ思いを体験させるために前住んでいた家族を探し、そして…。『サユリ』既読者でも完全版を絶対買うべき!おすすめです。


ミスミソウ


出典:©︎ミスミソウ

廃校が決まっている田舎の学校に転校した春花。最後の卒業生となるクラスで春花を待っていたのは、鬱屈した環境の中、静かに狂い始めたクラスメイトによる陰惨なイジメだった――。(ぶんか社コミックスより引用)


もう一冊、押切蓮介さんの作品をご紹介。『ミスミソウ』表紙は綺麗なのに内容がグロすぎるし、ひたすら暗くて重くて壮絶な漫画。


閉鎖的な田舎に越してきた主人公・春花、虐められ家族を火事で焼き殺され、心が崩壊し復讐の鬼となります。最初から不快な連中が登場して胸糞展開、物語が動いても晴れることはありません。こんな所すぐに離れた方がいいと誰もが思う閉塞的な場所にのこり、自分や家族に手を掛けたクラスメートへの復讐に燃えるいわゆる『逃げない』展開。壮絶で悲惨な鈍器で殴られているような感覚のホラー漫画です。



もののべ古書店怪奇譚


出典:©︎もののべ古書店怪奇譚

忌まわしき古書、買い取ります―――。 寡黙な古書店主と健気な少年、血にまみれた古書を狩る。新鋭・紺吉が描く猟奇的和風幻想譚、登場!(マッグガーデンコミックスより引用)


読むと人を鬼へと変える鬼が書いた本、『鬼書』を巡る二人の鬼の割とグロいホラーミステリ漫画。


古書店を営む正太郎は、読むと鬼になるという鬼書を探して回収する仕事をしているのですが、実は正太郎自身が鬼で…。そして、マスコット的なキャラクターだと思っていた同居の子供・シロが…その正体の見せ方がすごく良かったです。陰惨としているのでメンタルが弱っている時には読んではいけない本。



羊のうた


出典:©︎羊のうた

高校生の高城一砂は、幼い頃に別れた一つ年上の姉・千砂と再会し、高城家に代々伝わる「病」のことを聞く。その「病」は、発病すると「吸血鬼」のように、他人の血が欲しくなるという。やがて発病し、発作に苦しむ一砂に千砂は自らの血を与えるが……。(バーズコミックスより引用)


全7巻完結の暗い…でも雰囲気のいい和製吸血一族のお話。コアなファンの多い冬目景さんの数少ない完結作です。


一族にだけ存在する血液の病気で、血を見ると正気を失う弟と姉。自分の中のものと闘うよくある展開の漫画ですが、登場人物が皆優しくて、だからこそ悲壮感がたっぷり詰まった作品。この静かで陰鬱な雰囲気がたまりません。



カラダ探し


出典:©︎カラダ探し

友人の遥から「私のカラダを探して」と依頼された明日香たち。それは、学校に伝わる“赤い人”の怪談を予感させるものだった――。早くすべてのカラダを見つけなければ、永遠に同じ日が繰り返され、何度も“赤い人”に殺されると言うが…。(ジャンプコミックスより引用)


死の鬼ごっこ、捕まったら死ぬけれどやり直しできるよ。でも死の苦痛は毎回きちんと味わうからそのつもりでね…みたいなつらい展開。絵柄におぞましさがあって、思い切りホラー感が味わえます。


クラスメイトから『カラダを探して』と誘われて始まるんですが、唐突で意味が分からない…それがもう怖い。バラバラにされているカラダを探しながら、赤い人から逃げるという『カラダ探し』にいきなり巻き込まれた数名のお話。毎日死ぬの怖すぎる…。



うずまき


出典:©︎うずまき

女子高生・五島桐絵が生まれ育った黒渦町に、ある日突然、異変が起き始める。つむじ風が舞い、草木の枝葉がとぐろを巻き、火葬場の煙が渦を巻いて上がっていく……そして人間も、うずまき化し始めていく。髪が渦巻く。身体がねじれあがる。カタツムリに変身する……うずまきの呪いから助かるため、桐絵は町から脱出しようとするものの!?閉塞感渦巻く今日の格差社会を予見した、ホラー漫画の古典的傑作は、怪奇漫画家・伊藤潤二の代表作。 (KC KISSより引用)


3巻完結、圧巻の奇想作品。どこからこんな発想が出てくるのかな?うずまきの呪いにかかった町が舞台の物語。


住人はうずまきの形状に見入られ、人間がカタツムリ化し、額に空いたうずまきに自身の身体が飲み込まれる。渦巻いたものにとことん拘るシュールな発想がじわじわと怖くて。まあ、恐怖マンガとギャグ漫画は紙一重ということを教えてくれた一冊です。



不安の種+


出典:©︎不安の種+

階下の暗闇に気配を感じるような、ドアごしの殺した息づかいのような、視界の隅に映りこんだ視線のような、ざらりとした質感、気分、戦慄。(少年チャンピオンコミックスより引用)


短編なので気軽に読めるホラー漫画で4巻完結、トラウマ量産作品として結構話題にもなっていた漫画。すごく短い話が何本もあるスタイルで基本的に絵柄で驚かす感じですが、まんまと驚きます。


ストーリー性はほとんどないのですが、左右非対称の顔、顔のパーツのちょっとした差異、たったそれだけで見慣れたものに物凄く気持ちの悪い印象を受けるものですね…気味の悪さは天下一品の作品です。



座敷女


出典:©︎座敷女

雷のなる深夜、森ヒロシはドンドンという音で目が覚めた。外を覗(のぞ)いてみると、隣の部屋の前に、ロングコートにロングヘアー、紙袋とバッグを提げた異様な大女が立っていた。翌日から、突如その大女に付きまとわれるようになった森。サチコと名乗る女の行動は次第に異常さを増してきた。彼女の目的は何? そして彼女は何者!? ひたひたと迫りくる恐怖に、あなたは耐えられるか? 望月峯太郎の傑作ホラー!(KCデラックス ヤングマガジンより引用)


定番の感がありますがやっぱり面白い望月峯太郎さんの『座敷女』は、なんといっても理不尽!だけどホラーってそういうもの、おすすめの都市伝説系ホラー作品です。


ただ隣の山本くんを訪ねてきた長身の女サチコと目があっただけで、サイコなストーカー行為を受ける大学生のヒロシ。ストーカーにはこじらせた愛情があるけれど、座敷女にそれがあるかといえば、ないんです…怖い。とりあえず夜中にロングヘアーに紙袋下げた女がドアをノックしてきても決して出てはいけません。



夢幻外伝


出典:©︎夢幻外伝

高橋葉介氏の代表作「夢幻紳士」。昭和初期の日本を舞台に、さまざまなシチュエーションに登場する黒衣の探偵「夢幻魔実也」。(あさひコミックスより引用)


大正昭和初期の怪奇事件のお手本のような作品、レトロ怪奇好きのバイブルですね。主人公が、ミステリアスな魔性の美青年ってところもポイントです。


人間のダークサイドに踏み込んだ秀逸なストーリーが多くて、ホラーミステリーマニアには堪らない傑作だと思います。グロが苦手な方にもちょうど良い一冊。



零 影巫女


出典:©︎零 影巫女

女子大生・鷲月沙羅が超常現象カメラマン・龍崎に見せられた一枚の銀塩写真。そこには封印された怪事件を呼び覚ます、あるモノが写っていた……。(講談社コミックスより引用)


ゲームが原作、雰囲気が和風ホラーで良い怖さの漫画。独特のふるくささ、民俗学っぽさや謎…ゾクゾクします。


地元の特別な巫女の血筋である影巫女の少女。大学生の彼女はサークル仲間と共に地元の廃校を訪れることに。地元についた直後から次々怪現象が起きついに仲間の一人が行方不明に…というお話。絵柄に賛否はありますが、ホラーには結構合ってると思います。



切子


出典:©︎切子

17年ぶりに集まった中学の同級生6人。母校で行われる同窓会が惨劇の場と化すとは、その時誰もが思わなかった…。「ハカイジュウ」でモンスターパニック漫画の金字塔を打ち立てた本田真吾、待望の新作!正体不明の異形女子が圧倒的殺意で襲い来る、「呪殺系」ホラーの傑作!!(ニチブンコミックスより引用)


B級ぽいのを少しご紹介していきたいと思います。こちら切子のバケモノ具合が完全にB級ホラー。最初は人と同じサイズですが最後の方はもうゴジラ。1周まわって面白い気がするグロ強めの漫画。


六人の同級生には秘められた過去がありました。それは中三の卒業間近のある日、転落事故で同級生の美少女『切子』が死亡、その不可解な死に誰もが疑問を持っていたのです。その疑問を口にした時…。突っ込みどころは多いけど、ある意味怖い一冊です。



黒街


出典:©︎黒街

引きこもりの高校生・幸一と、バイトを転々とする父は、小さなアパートでふたり暮らしをしている。そんなある日、亡者の群れに出くわして…!? 父と息子とマスク女子。弱者3人のサバイバルホラー!!(少年チャンピオンコミックスタップ!より引用)


3巻完結のつっこみが追い付かないホラー、ホラーなのかな? 確かに現実にあればめちゃくちゃ怖いんですけど、なんだろう?このゆるい世界は…。


リストラされ転々と職をかえる父と息子のお話。切なくなってくる感じだと思っていたら読み進めるごとにホラー。とりあえずゾンビが出てるのに街の人たちは普通に暮らしています。そうとう疲れた時に見る夢みたいで、不思議な面白さがあります。



伊藤潤二傑作集 富江


出典:©︎伊藤潤二傑作集 富江

伊藤潤二傑作集の第1弾は、映画「富江 アンリミテッド」の原作『富江』。デビュー作にして代表作。これを読まずして伊藤潤二を語ることなかれ。(朝日コミックスより引用)


全10巻、伊藤潤二傑作集『富江』、最初は気味悪く思いますが、だんだんと富江の不死身さにシュールさが垣間見えてきます。


BSマンガ夜話で『ギャグと紙一重』とも言われていた本作。リングの貞子や呪怨の佳那子よりも不気味さでは富江が上。 特に危害を加えるわけではなく男子が彼女に惹かれ切り刻みたくなってしまいます。 で、どんなに小さな肉片からでも元の富江が再生します。…こんな感じのおすすめ漫画です。好き。



地獄先生ぬ~べ~NEO


出典:©︎地獄先生ぬ~べ~NEO

あれから十数年……ぬ~べ~クラスの卒業生、稲葉郷子は童守小学校の新任教師に! イマドキの子供たちに四苦八苦する郷子だが、そんな時、ついにあの男が九州から帰還する!! 全てを切り裂く鬼の手で襲い来る妖怪や悪霊から生徒たちを守る! 最強先生、凱旋!!(ジャンプコミックスより引用)


ここらでぬ〜べ〜先生を入れておきます。NEOです。でも作画は驚くほど変わっていません!変わらないってことも大切ですよね。ただ前作は子供向けでしたが連載が青年誌に移ったこともあって育児放棄等、現代特有の教育問題に切り込んでいて切り口が鋭くなっています。


教え子・響子が母校に教師となって戻り、九州にいた鬼の手を持つ教師、ぬ~べ~も戻ってきて同じクラスの担任・副担任に…なお話。今作は教育問題に切り込んだ幽霊が多めです。



絶叫学級


出典:©︎絶叫学級

ようこそ、恐怖の授業へ! 何気ない日常に潜む、もう1つの世界へあなたをご案内します。/1時間目「悪魔のゲーム」地獄のはじまりは、拾ったゲーム機だった… 2時間目「呪いの絆」「憎しみ」で結ばれた少女たちの、血塗られた復讐!! 3時間目「メリーの食卓」苦手なものを食べてくれる人形。敵か、味方か!? 課外授業「優しいママの家」ネットで知り合った理想の「ママ」。その正体は!? (りぼんマスコットコミックスより引用)


少し長めの20巻完結作品、絵は、全然ホラーぽくない可愛くて明るい絵です。ただ、どれも救いようがない。短編で全体的に後味が悪い話が多かったです。


少女漫画のふわふわした雰囲気にそぐわないホラーシーンが突如として入ってきます。安心とみせかけておいて・・怖っ!みたいな感じ。りぼん連載作品とはいえ、ちゃんとホラーしていて大人でも十分楽しめますよ。



モンキーピーク


出典:©︎モンキーピーク

社員の結束を高める為の、登山レクリエーション。雄大な自然を感じる爽やかな山は、夜と共に惨劇の舞台と化す!藤ヶ谷製薬36名が体験した、未体験の悪意とは…!?凍牌の志名坂高次が初の原作を手がけ、俊英・粂田晃宏が入魂の筆致で迫る。戦慄と衝撃の山岳パニックホラー開幕!! (ニチブンコミックスより引用)


登山した製薬会社の社員が、正体不明の猿のような怪物に襲われる、ハリウッド的なパニックホラー漫画。登場キャラがサクサクと殺されて、物語はテンポよく進みます。


研修登山で、大鉈を持った大猿に襲われ次々惨殺されていく社員たち…。理不尽極まりない状況に心臓がバクバクします。大猿もたいがいですが、15cmもある石を握り砕くアメフト部員の強キャラ感。まあ、登山しながら怪物と戦うなんて無理‼︎おすすめです。



ワンダーランド


出典:©︎ワンダーランド

日本のとある街。平穏な日々を過ごしていた高校生のゆっこは、ある朝自分の異変に気付く… なんと、自分の体が小さくなってしまっていた!!動揺するゆっこ。
だがそれは、彼女を取り囲む全てのものが、 巨大化して襲いかかる、恐怖の始まりだった…!! 飼い犬のポコと共に、この混乱した世界に出て行くことになったゆっこ… 果たして、彼女は生き延びることができるのか…!? (ビッグコミックスより引用)


結構なグロ作品、目が覚めたらなぜか小さくなってものすごく大変な目に遭うお話。パニックホラー漫画です。


突然人形サイズまで縮んでしまった主人公。両親や周りの人間も同じ状況で、その地域一帯がガスによって覆われています。小さな動くものに対しての好奇心による飼い猫の猫パンチで、両親が…。カラスが、猫がひたすら怖い。



刻刻


出典:©︎刻刻

佑河樹里は失業中の28歳。家では父・貴文と兄・翼、じいさん三代のダメ男がヒマを持て余している。ある日、甥・真が翼とともに誘拐される。身の代金を渡す期限に間に合わなくなった時、じいさんは佑河家に代々伝わるという「止界術」を使い、世界を“止めた”。 だがあり得ないことに、救出に向かった先で樹里たちは自分たちの以外の“動く”人間に襲撃される。そしてパニックの中、異形の存在「管理人」が現れ、襲撃者の一人の頭を捻り潰した。 (モーニング KCより引用)


全8巻完結、時が止まった世界が舞台というSFチックな世界観のホラー。帯には『水木しげる近年最高点!』という一文もあるらしいです。


時間を止める能力を持つ佑河家と、その止まった時間に侵入する謎の宗教団体・真純実愛会との攻防が描かれています。いい人でも悪い人でも、クシャっと簡単に殺されて怖い。この異様な空気感は寝る前に読むと夢に出ます。



東京喰種トーキョーグール


出典:©︎東京喰種トーキョーグール

“東京”には、或るひとつの「絶望」が潜む…。群衆に紛れ、人間を狩り、その死肉を喰す怪人、人はそれを「喰種(グール)」と呼ぶ。青年が怪人に邂逅したとき、数奇な運命が廻り始める──!(ヤングジャンプコミックスより引用)


かなり話題となっている人気漫画ですね。グールという人を喰らう人種がひっそりと、人に紛れて暮らしている世界設定。内容はグロくて残酷、人間を食すグールのグロテスクさが伝わってきます。


グールの内臓を移植したことで人の肉以外では栄養が採れない体になってしまった主人公。人肉を喰らう狂気の狭間で、主人公が苦悩、決断していく様にはゾクゾクしますよ。とりあえず面白いのは確かなおすすめ作品です。

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あとがき

以上、戦慄!おすすめの怖すぎるホラー漫画 恐怖の厳選20作と題してご紹介してきました。


純粋に恐怖を感じる作品からギャグ漫画と紙一重のものまで幅広くなってしまいましたがどの作品もとりあえず怖いです。気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

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