いろはにほへど

朝起きて本を読んで寝てます。

間違いなく面白い!おすすめのアニメ映画 厳選25作!

今回は、新作から名作まで間違いなく面白いので是非鑑賞してみて欲しい「おすすめのアニメ映画」を厳選してご紹介していきます。ジャンルはラブストーリー、青春もの、アクション、SF、ファンタジー、戦争ものまで幅広くなっていますが、ある程度ジャンル毎にまとめていますので好みの作品が探しやすくなっていると思います。どの作品も自信を持っておすすめできる素敵な作品ばかりです!気になる作品があれば是非鑑賞してみてくださいね。

おすすめの面白いアニメ映画

  • 掲載の順番はランキング形式ではありません。ある程度ジャンル分けしていますが同監督作品などはジャンルを問わず続けてご紹介しています。
  • 表記はタイトル・公開年・上映時間・あらすじ・感想の順です。


それではおすすめのアニメ映画を厳選してご紹介していきたいと思います。美しい映像や音楽、涙あり笑いありの珠玉のストーリーをごゆっくりとお楽しみ下さい。

秒速5センチメートル


出典: (C) 秒速5センチメートル
2007年【60分】

小学校の卒業と同時に離ればなれになった、遠野貴樹と篠原明里。そのとき、二人の間には二人だけの特別な想いが存在していた。しかし、無情にも時だけが過ぎてゆく……。そんな日々を重ねたある日、ついに貴樹は明里に会いに行くことを決意。訪れた約束の日、チラホラと舞う雪がスピードを増し、辺りを白く包んで行った……。


3話の短編からなっている新海誠さん作品。美しい映像と共に綴られる「時間」と「距離」の物語。それぞれの人生の流れるスピードがみんな違って、すれ違っていく様が切ない映画。ゆったりとした雰囲気がずっと続いてる感じで心地いいのですが、少年の日の恋をいつまで経っても引きずり続ける男の未練が描かれているという点で万人向けな作品ではない感じもします。浸りたい時用におすすめ。

言の葉の庭


出典: (C) 言の葉の庭
2013年【45分】

靴職人を志す15歳の高校生タカオは、雨が降るといつも学校をさぼって公園で靴のスケッチに熱中していた。そんなある日、彼は27歳のユキノと出会い、雨の日だけの再会を繰り返しながらお互いに少しずつ打ち解けていく。タカオは心のよりどころを失ってしまったユキノのために、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作ろうと決心する。


映像が素晴らしく美麗なこちらも新海誠さんの短編映画。ちょっと変わった2人が恋する物語なのですが、すごいテンポで進んでいくので、前半でこんなにまとまってしまって後半どうなるの!?と思っていたら、エンドロールが…。それまで静かだったのにいきなりブワーッと泣かせてくる作品です。

君の名は。


出典: (C) 君の名は。
2016年【107分】

1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。


新海誠さんの映画では珍しくハッピーエンドの作品。映像も今まで以上に緻密でキレイ。時間とか記憶とか、色々越えて再開するラストはやっぱり泣けます。良い意味で万人向けされているので新海さんの他の作品を見るならやっぱりこの作品からだと思います。ここまで話題になっているとハードルも上がりそうですが、やっぱりおすすめ!観ていない方は是非。

聲の形


出典: (C) 聲の形
2016年【130分】

西宮硝子が転校してきたことで、小学生の石田将也は大嫌いな退屈から逃れる。しかし、硝子とのある出来事のために将也は孤立し、心を閉ざす。5年後、高校生になった将也は、硝子のもとを訪れることにし……。


幼い頃いじめていた耳の聞こえない女の子へのいじめのせいでガキ大将だった主人公はクラスで孤立。学校に行かなくなった…。そして高校生になって再会し、いじめていた癖に今更という気持ちを抱きつつ徐々に彼女に惹かれていきます。同時期に上映された『君の名は。』の影に隠れてしまっていたのが勿体無いと思えた作品。聴覚障害なんて関係なく本当の意味でお互いの聲を聞いたり伝えたりできるのはすごく幸せな事だと思わせてくれる素敵な映画です。

千年女優


出典: (C) 千年女優
2001年【87分】

映像製作会社社長・立花源也は、かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された。千代子の大ファンだった立花は若いカメラマンを引き連れ、30年前に人気絶頂の中、忽然と姿を消し、以来公の場に現われなかった千代子の屋敷へ向かった。ようやく姿を現した千代子は、歳は老いても昔の清純な印象を残していた。そして、戸惑いながらも自らの人生を語り始めた。それは、女優になる前、女学生の頃に恋した名も知らぬ男性を、生涯をかけて追い求める壮大なラブ・ストーリーだった。


引退した往年の名女優から語られる彼女の人生をかけた恋のお話。今敏監督作品らしく、現実と虚構の境目が曖昧になる構成がふんだんに使われています。アニメーションながら現実的、それでいて非現実的な夢を見ているような世界観。凄く独特で引き込まれます。

東京ゴッドファーザーズ


出典: (C) 東京ゴッドファーザーズ
2003年【90分】

東京・新宿。元競輪選手のギンちゃん、元ドラッグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキのホームレス3人は、町の片隅で威勢よく生きていた。そんな彼らはクリスマスの夜、ゴミ置き場の中からひとりの赤ん坊を見つける。ギンちゃんは、すぐに警察に届けるべきだと主張するが、ずっと赤ん坊を欲しがっていたハナちゃんは、勝手に“清子”と命名して大はしゃぎ。結局、ハナちゃんに押し切られる形で3人は自分たちで清子の親探しをすることに。手掛かりはスナックの名刺と数枚の写真だけ。それでも3人は希望を抱いて奔走するのだが…。


続けて今敏さん作品のご紹介。ホームレスの三人組が拾った赤ん坊を本当の親に返しにいくお話。絵に描いたような奇跡の連続なのに全くあざとくないし、ホームレスの話なのに泥臭さが全くないという素敵なアニメ。ちょっとノスタルジーな雰囲気も、偶然が重なるストーリーも見ていてとても心地よく、笑いも涙もとまりません!面白いですよ。

パプリカ


出典: (C) パプリカ
2006年【90分】

夢に入り込んで患者の治療を行う装置“DCミニ”が盗まれ、精神医療総合研究所に勤める若きサイコ・セラピストの千葉敦子は、“DCミニ”開発者の時田とともに島所長の元へと集まる。しかし、所長の島が突然、意味不明な内容の演説をとうとうと語り出す。“DCミニ”を盗んだ者たちによる夢の侵略が現実のものとなり始め……。


こちらも今敏さん。映像やデザインは本当に美しいのに、気持ちの悪い感覚のギリギリのアニメ。題材が夢なのでなかなかカオスで、さらに色々な夢をごちゃまぜにするからさらに混沌とした世界観が面白い!狂ってしまいそうになる音楽とストーリーが絶対病みつきになりますよ。今敏監督は間違いないですね。

サマーウォーズ


出典: (C) サマーウォーズ
2009年【114分】

天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。


今以上に世の中にネットが浸透した世界で起こる事件に立ち向かう大家族と少年のお話。家族のチート感と田舎感と仮想世界のかっこよさ!なんと言ってもおばあちゃんかっこよ過ぎ。深刻に考えず軽い感じの緊張感で見られる夏の定番作品です。

おおかみこどもの雨と雪


出典: (C) おおかみこどもの雨と雪
2012年【117分】

19歳の大学生花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲い……。

こちらも細田監督作品、ナレーションで物語を進めつつ、大事なところは行間を読ませます。淡々と描かれて行く母の恋愛から子供達の誕生と成長、新生活での奮闘が綺麗な音楽に乗せて描かれたとても素敵な映画。辛い場面も多いのですが、前向きな余韻の残る作品です。

蛍火の杜へ


出典: (C) 蛍火の杜へ
2011年【44分】

夏休みを利用し、祖父の家に来ていた蛍は、妖怪たちが住むという“山神の森”で迷子になってしまい、どうしようもなくなり泣き出してしまう。そんな蛍の前にキツネの面をかぶった少年ギンが現われ、ギンに助けられた蛍は毎年夏になるとギンのところに行くようになる。2人は惹(ひ)かれ合っていくが、ギンは人でも妖怪でもなく触れようとすると消えてしまう奇妙な存在で……。


『夏目友人帳』の作者、緑川ゆきさんの原作。田舎で女の子が不思議な青年と出会い、毎年の夏に会って成長していく45分と短めの作品。どこか物寂しい儚い世界観がとても良かったです。触れたいけど触れられない儚い恋を静かに優しく描いたおすすめの良作。むちゃくちゃ泣けます。

ももへの手紙


出典: (C) ももへの手紙
2012年【120分】

父親を亡くしたももは、11歳の夏に母と2人で東京から瀬戸内の小さな島へとやって来る。彼女の手には、「ももへ」とだけ書かれた父からの書きかけの手紙が遺(のこ)されていたが、その真意はついにわからずじまいだった。ももは仲直りできないまま逝ってしまった父親のことで胸がいっぱいで、慣れない場所での新しい生活になかなかなじめずにいた。


幅広い世代で安心して見られる王道な感じのストーリー。父と喧嘩したまま死別した少女が、広島の離島にきて妖怪と出会うお話。基本の流れはどことなくトトロっぽいのですが、ユーモラスなやりとりや、少し生意気だけどピュアなももの人間味が感じられて面白い!最後は家族への愛にやっぱり泣かされます。

サカサマのパテマ


出典: (C) サカサマのパテマ
2013年【99分】

果てしなく坑道が続く地下世界に暮らす、地下集落のお姫様・パテマ。天真らんまんで好奇心旺盛なパテマのお気に入りは、立ち入り禁止となっている「危険区域」を探険することだった。世話役のジィの心配をよそに、いつものように危険区域へ飛び出したパテマだったが、予想だにしなかった出来事に遭遇してしまい……。


設定が素敵、そしてラストが衝撃!逆さまの世界から突如やってきた少女のお話。世界観がとても魅力的で『空に落ちる』というのがすごくキャッチー、高所恐怖症の私には手に汗握るシーンがあって怖かった映画です。気になるのは、パテマがわがまま過ぎるところですかね。

傷物語I 鉄血篇


出典: (C) 傷物語
2016年【64分】

終業式が行われた3月25日。高校2年生の阿良々木暦は、同級生で成績優秀な羽川翼から、吸血鬼が町にいるという話を聞く。その夜、暦は地下鉄のホームで、手足がなく血まみれの姿で、助けを求める女を発見。その女は、羽川が言ったように金髪で美しく、冷たい目をしており……。


劇場三部作の第一作目、新房監督節がこれでもかと詰まった作品で化物語シリーズの原点、阿良々木暦と吸血鬼の邂逅のお話です。作画の本気度がすごくて、内容も次作を期待させるものですが少しグロいです。60分程度なのでサクッと見れますよ。

夜明け告げるルーのうた


出典: (C) 夜明け告げるルーのうた
2017年【113分】

両親が離婚して東京から寂れた港町・日無町に越してきた中学生の少年カイは、父親と祖父の三人で暮らしている。両親に対する複雑な思いを胸に日々を過ごす彼にとって、自ら作曲した音楽をインターネットにアップロードすることが唯一の楽しみだった。そんな中、人魚の少女ルーと出会い交流を深めていくうちに、カイは少しずつ周囲に心を開いていくが……。


転校してきた心を閉ざした男子高校生がルーという女の子に出会って変わっていくというお話。映像の熱量と疾走感、音とリンクしてる楽しさなど、アニメーションの魅力が満載の作品です。湯浅監督のポップな色彩感覚は登場キャラクターたちの不思議な雰囲気にとてもよくあっていて素敵でした。


時をかける少女


出典: (C) 時をかける少女
2006年【100分】

高校2年生の紺野真琴は、自転車事故をきっかけに、時間を跳躍する能力を持ってしまう。その能力のことを叔母の芳山和子に相談すると、それは“タイムリープ”といい、記憶の確かな過去に飛べる能力だという。半信半疑の真琴だが、日常の些細(ささい)な不満やストレス解消などのため、むやみやたらに能力を乱用しだし……。


切なくて甘酸っぱい文句なしの傑作アニメ。最初は、テストやカラオケなどくだらないことにタイムリープを使っていた真琴ですが、それを繰り返して色々な事が起こるに連れてタイムリープが何のためにあるのかを理解していきます。そして、ここぞと言う時に使う瞬間、画面に釘付け、大号泣です!夢中で駆け抜ける主人公と自分の高校時代を重ね合わせてしまい青春時代が愛おしくなる映画です。

心が叫びたがっているんだ


出典: (C) 心が叫びたがっているんだ
2015年【119分】

活発な少女だったものの、ある事を話したことで家族がバラバラになった上に、玉子の妖精にしゃべることを封印された成瀬順。そのトラウマが心に突き刺さり、隠れるようにして生きていく。ある日、通っている高校の地域ふれあい交流会の実行委員会のメンバーになり、さらにそこで上演されるミュージカルの主役を務めることに。困惑する順だったが、メンバーの坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月と行動を共にするうち、自分の中の変化に気付きだす。


幼い頃の何気ない言葉が両親の離婚を招いて喋れなくなってしまった少女が、ひたすらに明るく誠実で前向きな仲間たちとの関係を通して自らを肯定してゆく物語。前半のファンタジーを交えた表現が秀逸で、すんなりと入り込めます。そして最後は意外なハッピーエンド。扱っているテーマは重たいはずなのにとても綺麗な青春映画です。

劇場版 響け!ユーフォニアム


出典: (C) 劇場版 響け!ユーフォニアム
2016年【103分】

高校1年生の黄前久美子は、クラスメートの加藤葉月と川島緑輝と一緒に吹奏楽部をのぞいてみることに。そこで久美子は同じ中学の吹奏楽部だった高坂麗奈を見掛ける。葉月と緑輝は早速吹奏楽部に入ろうと決意するも、入部をためらう久美子の脳裏には、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈とのある出来事があった。


アニメ一期の総集編ですが構成が上手くて全く遜色のない一つの完成品。意外とマイナーな楽器ユーフォ二アムがタイトルの青春部活アニメです。演奏シーンもいいですし、青春ものにあまりない部活のドロドロした所も見ごたえがありました。映像から伝わってくる言葉に出来ない感情の表現が素敵な作品です。

イヴの時間 劇場版


出典: (C) イヴの時間
2010年【106分】

子どものころからアンドロイドを人間視することなく、便利な道具として利用してきた高校生のリクオは、ある日、自家用アンドロイド、サミィの行動ログに不審な文字列が刻まれていることに気づく。親友のマサキと共にログを頼りに喫茶店、イヴの時間を訪れたリクオは、人間とアンドロイドを区別しない店のルールに驚く。


アンドロイドが人間とほぼ見分けが付かなくなっている未来…近未来SFなのに、日常を繊細に描写しているところがとても心地よく、かなり引き込まれる映画。存亡を懸けた闘いのようなシナリオになりがちですが、イヴの時間ではどのように共存していけば良いのかをテーマにゆっくりと暖かく描かれています。人間とロボットの違いってなんだろうと考えさせられるとても良い作品ですよ。

ハル


出典: (C) ハル
2013年【60分】

最愛の人、ハルを飛行機事故で失ったくるみ。ケンカしたままハルが帰らぬ人となり、くるみは生きる力をなくしていた。ヒト型ロボットのQ01(キューイチ)は、彼女のためにハルにそっくりのロボハルとなり、くるみと一緒に住むことにする。ロボハルが頼りにできるのは、かつて、くるみが願い事を書いたルービックキューブだった。


人間とロボットの純粋な愛をアニメーションで描くラブストーリー。絵はストロボエッジやアオハライドの作者である咲坂さんが描いてるから凄く綺麗、最愛の人を亡くした彼女が再び笑顔になれるようにと願うヒト型ロボットが、心を通わせていく様子を描いた作品です。60分と短編なので個人的に展開が早すぎるのがちょっと残念。

BLAME!


出典: (C) BLAME!
2017年【105分】

ネット文明が極度に発達した世界。巨大な階層都市は増殖し続け、人類は防衛システム“セーフガード”に駆除・抹殺される存在になっていた。“電基漁師”の村人たちを救うべく、食糧を求めて旅に出た少女・づるだったが監視塔に見つかり、仲間を殺されてしまう。逃げる手段を失い追い込まれたづるの前に現れたのは、探索者の霧亥だった。


人間の言うことをきかなくなった機械が、無限に都市を作り続けている未来。機械に支配されたディストピアの中で人間が生きるために足掻く物語。ストーリーはシンプルなのですが、世界観が緻密でしっかりとした作品。原作は20年以上も前に描かれたものだということに驚きます。無限に続く都市の描写は圧巻の一言。

楽園追放


出典: (C) 楽園追放
2014年【104分】

西暦2400年。ナノハザードによって地球は荒れ果ててしまい、人類のほとんどが知能だけを電脳世界に残して生活するようになっていた。そんな電脳世界の住人にして捜査官であるアンジェラは、圧倒的戦闘脳力を誇るスーツ「アーハン」を装着し初めて地上世界に降り立つ。地上世界の調査員ディンゴと一緒に旅をする中、さまざまな人物と対峙(たいじ)し、戦いを強いられていくことになる。


SFアニメ好きに是非オススメしたいキャラクター3DCGアニメ映画。人口の9割以上が宇宙空間の電脳世界で暮らすようになった世界のお話で、登場人物が少なくて話も理解しやすく、後味もすっきりとしています。特にアクションシーンは驚くほど見応えがあって、映像の凄さが際立ちます。

人狼


出典: (C) 人狼
1999年【98分】

敗戦から十数年。占領軍統治下の混迷を抜け、国際社会への復帰をめざし高度経済成長を続けるもう一つの〈日本〉。しかしスラム化した首都での凶悪犯罪が激増。武装する反政府勢力により首都圏治安警察機構・通称〈首都警〉との武力衝突が相次いだ。治安の番人として強化服と重火器で完全武装する、“ケルベロス”というその精鋭集団は、ゲリラを徹底的に排除してゆくのだったが……。


彩度の低い世界が印象的。1960年代あたりの、パラレルワールドの日本が舞台、童話「赤ずきん」をモチーフとした、武装化した赤軍的な市民ゲリラとそれを鎮圧する特機隊にまつわるお話です。少し単調な感じはしますし視た後に気分は落ち込んでしまいますが、最高到達地点とも言われるセルアニメーション技術やノスタルジックな世界観はとても美しかったです。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊


出典: (C) 攻殻機動隊
1995年【80分】

西暦2029年。企業のネットが星を覆い、電子が駆けめぐる近未来。公安9課の草薙素子を隊長とする、通称“攻殻機動隊”のメンバーに、国際手配中の天才ハッカー・人形使いが捕らえられたという報が入る。完全にサイボーグ化し、電脳を有する人形使い。ネットの海から生まれた彼は、自らを生命体と主張し、亡命を提言する・・・。


押井守監督によるSFアニメの金字塔、色々な映画に影響を与えた名作。身体を極限まで機械化した主人公は悩んでいました。果たして自分は人間なのか?実はとうの昔に死んでるんじゃないだろうか?というストーリー。正直半分も理解できていませんが、20年以上前の映画なのにかなり作り込まれた世界観、重量感のある内容で絵の迫力もあって圧倒的です。

ジョバンニの島


出典: (C) ジョバンニの島
2014年【102分】

父・辰夫、祖父・源三と一緒に、北方四島の一つである色丹島に暮らしている10歳の淳平と7歳の寛太の兄弟。1945年に太平洋戦争が終わり、日本がポツダム宣言を受諾することに。その直後、ソ連軍が、択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島に上陸して進駐し、淳平と寛太が通う学校にも兵士がなだれ込んでくる。やがて、二人はロシア人少女と心を通わせるようになるが……。


北方領土問題をテーマに描かれたアニメ映画ですが決して誰かを、ロシアを悪者にしないストーリーが素敵。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフに、当たり前が当たり前でなかった時代、そこで生きた人々の苦悩や我慢ほんの少しの幸せが描かれています。どこか蛍の墓を思い出すストーリー、本編で泣いてスタッフロールで笑いました。スタッフ豪華すぎ!

この世界の片隅に


出典: (C) この世界の片隅に
2016年【129分】

1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。


戦争の悲惨さを描きながらもどこなくあたたかくなるような作品。戦争アニメといえば、火垂るの墓が有名ですが、当時の本当の生活、日常を描いたという点では、間違いなくこちらが優れていると思います。あくまで、あの時代に生きた人々の日常を丁寧に優しく描いています。いつまでも余韻が残り、深く考えさせられるおすすめの名作です。

千と千尋の神隠し


出典: (C) 千と千尋の神隠し
2001年【140分】

両親と共に引越し先の新しい家へ向かう10歳の少女、千尋。しかし彼女はこれから始まる新しい生活に大きな不安を感じていた。やがて千尋たちの乗る車はいつの間にか“不思議の町”へと迷い込んでしまう。その奇妙な町の珍しさにつられ、どんどん足を踏み入れていく両親。が、彼らは“不思議の町”の掟を破ったために豚にされてしまい……。


千と千尋の神隠しはジブリの中でも1番見てるかもしれない作品。細かな仕草や台詞、世界観まで作りこまれていて、秀逸なストーリーと相まって心温まる作品に仕上がっています。いつ見ても何回見てもその時その時で初めて観たかのような新しい発見が必ずあるまさに名作中の名作ですよね!

ルパン三世 カリオストロの城


出典: (C) カリオストロの城
1979年【100分】

ニセ札の噂が絶えないこの国へやって来たルパンは、悪漢に追われるひとりの少女クラリスを助けるが、彼女は再び連れ去られてしまう。実はカリオストロ公国・大公家のひとり娘であったクラリスは、強引に結婚を迫るカリオストロ伯爵によって城に幽閉されていたのだ。ルパンは既に城内に忍び込んでいた不二子の手引きで城に潜入するのだが…。


締めは金曜ロードショーでやってるとぜったいみちゃうやつ、誰もが知ってるルパンを一躍有名にしたのはこの映画じゃないでしょうか?アニメーションが細かくて宮崎駿さんの天才っぷりを深く痛感させられる作品です。景色も構図もカリオストロという架空の国の風俗もとてもとても素敵です。いつまでも愛され続ける名作!!


あとがき

間違いなく面白い!おすすめのアニメ映画を新作、名作の中から厳選してご紹介してきました。どの作品も絶対に満足できる素敵な映画ばかりですので気になる作品が見つかれば是非一度鑑賞してみて下さいね。

どんでん返し!衝撃がクセになるおすすめの叙述トリックミステリ 10選!


今回は、騙された時の衝撃がやみつきになる、おすすめの『叙述トリックミステリ』をご紹介していきたいと思います。

叙述トリックとは

叙述トリックとは文章中の仕掛けで読者を騙すトリックの事。私達読者の先入観を利用して、異なった解釈を与えることで、最後の最後で衝撃を与えてくれるテクニックです。所謂"どんでん返し"この衝撃が凄くクセになるんです。有名どころでは綾辻行人さんの『十角館の殺人』や殊能将之さんの『ハサミ男 』、島田荘司さんの『占星術殺人事件』などはよく耳にする作品だと思います。


それから『こちらで紹介している作品は叙述トリックを使っています』と言っている時点で、ある意味ネタバレとも言えそうですが、その上で尚、騙されてしまう本当に面白い良作ばかりですので心配いりません!気になる作品があれば是非参考にしてみて下さい。

おすすめの面白すぎる叙述トリックミステリ小説

表記はタイトル、筆者、あらすじ、書評の順になっています。本当に素敵で面白い作品ばかり!それではおすすめの叙述トリックミステリ小説で思い切り騙されて下さい!

異人たちの館/折原 一

8歳で児童文学賞を受賞し天才少年と呼ばれた小松原淳は、なぜ富士の樹海に消えたのか?母親の依頼で淳の伝記を書くことになった作家志望の島崎は、膨大な資料を読み、関係者に取材して淳の人生に迫るが、やがて不気味な“異人”の影が彼の周辺に出没するようになり…。( 文春文庫 より引用)


24年前に発表された作品ですが、今読んでも全然古びていません。一人の人間の伝記を書くために取材をしていく、というこれだけ聞くと地味なのに、先の読めない展開にぐいぐいと引き込まれる作品。限られた登場人物だけで、ここまで先が気になって読み進められる小説は中々ないと思います。


そして、私自身この作品を読んでいる間に『え~!』と何度叫んだことか…。どんでん返しが何度もあるので、600頁強もある長編ですが全く飽きることはありませんでした。多くの実在する事件をもとに様々な事件が描かれ、これでもかってぐらい読者を騙し、攻めて攻めて攻めまくる手法はさすがとしか言いようがありません。著者自らが自信を持ってオススメしてくれている良作です!

ボランティアバスで行こう!/友井 羊

東北で大地震が発生した。多くの支援活動が行われる中、大学生の和磨は、バスをチャーターして援助活動に参加する「ボランティアバス」を主催することに。行方不明になった父親の痕跡を探す姉弟に出会う女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内などさまざまな人がそれぞれの思惑を抱えてバスに乗り合わせるが。驚きのラストが感動に変わる!(宝島社文庫より引用)


気持ちは持っていても、なかなか1歩が踏み出せない災害復興ボランティア。東日本大震災で被害を受けた集落の復興支援を行う『ボランティアバス』に乗った人達がそれぞれの視点から語る優しいミステリーの連作短編集。ボランティアに参加する方、受ける方の思いが静かにスーッと心に入ってくる1冊です。


人が人を助ける理由を主軸に、多面的にボランティア活動を描き、魅力的な登場人物をつくり、そこにミステリとしての楽しさを盛り込んだ素敵な作品。そして、読み終えた時の大どんでん返しは驚き!最終章での驚きと感動は本当に気持ちいいですよ!!

贖罪の奏鳴曲/中山 七里

弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。(講談社文庫より引用)


御子柴弁護士シリーズの1作目。過去に世間を震撼させた事件を犯した少年が、弁護士となったお話。御子柴弁護士は、依頼人から高額報酬を受け取る一方で、カネにならない国選弁護人も引き受けます。


物語は、御子柴弁護士が死体を遺棄する場面から始まります。悪徳弁護士かと思いきや、法廷で検事や証人を追い詰めじわじわと真相を暴いていく様がかっこいい!過去は過去で、暗いモノを背負ってはいますが、贖罪の人生を歩んでる御子柴。誰もが見逃しがちな真犯人に気づき、どんでん返しで暴いてくれます。

アルバトロスは羽ばたかない/七河 迦南

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか?だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。 (東京創元社より引用)


七海学園の子どもたちが通う高校で起こった転落事故を描いた『冬の章』を軸に、春から秋までの章が挿入される形をとった連作短篇集。本作は、単体でも充分おもしろいのですが『七つの海を照らす星』の続編となっていますので、できれば順番に続けて読むと面白ろさがグッと増します。


児童養護施設で起きる日常の謎を解明しながら働く保育士の春菜。ある日、学園の子が通う高校で、屋上からの転落事故が起きます…何度も何度も騙されながら謎解きを繰り返して、最後に驚愕。終盤に明かされる転落事故の真相は、衝撃を通り越して読者に痛みを伴います。噂に違わぬ傑作ですのでミステリーファンなら絶対に読んでおきたいおすすめの一冊です。

武家屋敷の殺人/小島 正樹

探偵役は、若き弁護士とリバーカヤック仲間のフリーター。孤児院育ちの美女が生家探しを弁護士に依頼に来て、手がかりは捨てられたときに残された日記くらいだと言う。具体的な地名はいっさい出てこない代わりに、20年前の殺人と蘇るミイラの謎が書かれた日記をもとに調べ当てると、思わぬ新たな殺人が起こる。最後のどんでん返しまで、目が離せないジェットコースター新感覚ミステリー。(講談社ノベルスより引用)


孤児院育ちの女性が、自分の生家を探してほしいと弁護士の川路の元に訪れます。手掛かりは捨てられた当時、赤ん坊の自分と一緒に置いてあった叔父の日記。ただその日記には普通では考えられない奇妙なことが綴られていて…魅力的な謎が次々とだされ、それが解かれたらまた違う謎が…という愛に溢れた作品。


出だしからものすごく引き込まれますし、トリックも満載!テンポも良くて面白いのですが、一つの話の中にちょっと盛り込み過ぎな感はあります。そんな謎の数々を、最後に全てまとめて解決するのではなく、何度もどんでん返しを踏まえて解決していく展開がお見事な一冊。

Another(アナザー)/綾辻 行人

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。(角川文庫より引用)


主人公が転校した先のクラスに漂う、奇妙な違和感。『いないもの』とされる謎めいた同級生のメイと、同級生たちと周辺の人々に起こる不幸…。呪い?最後の章でようやく関係者のみに語り継がれてきた三年三組の秘密が知らされます…。この負の連鎖を止める事は出来るのか?転校生である主人公の視点で語られるお話。


とにかく不気味で、違和感だらけなのに何が起こっているのかが分からない…。全体的にジメジメとしたホラー作品で本格ミステリーではないのですが、そこはさすが新本格物の名人!ホラーの中にも伏線の張り方から叙述トリックまでしっかりと健在。アニメ版もおすすめです!

殺人鬼フジコの衝動/真梨 幸子

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして新たな人生を歩み始めた十一歳の少女。だが彼女の人生はいつしか狂い始めた。「人生は、薔薇色のお菓子のよう」。呟きながら、またひとり彼女は殺す。何がいたいけな少女を伝説の殺人鬼にしてしまったのか?精緻に織り上げられた謎のタペストリ。最後の一行を読んだ時、あなたは著者が仕掛けたたくらみに戦慄し、その哀しみに慟哭する…。(徳間文庫より引用)


フジコもお母さんも怖い、でも一番コワイのは……もうびっくり。イヤミスの中でも代表的な作品でイヤミスの名に違わず全編に渡り救いがない物語。貧困や虐待の連鎖、学校でのいじめ、フジコが感じる劣等感がすごくリアルに描かれていて読んでいてとてもつらい。


両親と妹を何者かに殺された主人公フジコ。小学生から成人になるまでに幾たびと沸き起こる殺人の衝動。どこまでも続く残虐な負のスパイラル…。物凄く辛い内容とは裏腹に、文章は凄く読みやすくてアッという間に惹き込まれてしまいますよ。そして、後書きで鳥肌!

真梨幸子さんのおすすめ作品10選


儚い羊たちの祝宴/米澤 穂信

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。(新潮文庫より引用)


夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル『バベルの会』。格式高く異様な家柄での事件を怪談話のように書き上げた連作短編集です。こちらの作品、どの短編にも最後の一言に背筋が凍るような恐怖が隠されています。


独特な少し古典調な語りで恐さを誘うミステリー調ホラー。内容はかなりダークですが、登場人物はみんな浮世離れしているので気が重くなるようなことはありません。清らかな文章の中に潜む残酷な真実…痺れます。5つの短編集なんですが、どの話が一番と決めきれないほど良作揃い!個人的には『玉野五十鈴の誉れ』のオチが秀逸だと思いました。

米澤穂信さんのおすすめ作品10選


チェーン・ポイズン/本多 孝好

誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」それは決して悪い取り引きではないように思われた―。新境地を開いた驚愕のミステリー。(講談社文庫より引用)

自殺志願の30代OLの前に「本当に死ぬ気なら一年待ちませんか?」と命の取引がもたらされます。一年後に訪れる眠るような死を希望にして日々を生きる女性と、不可解な共通点のある三人の服毒自殺者の謎を追う雑誌記者。


最後の一文がたまらなくいい!死へと近づいていくので全体は重苦しく鬱々した雰囲気ですが、設定が重苦しい分、爽やかな読後感が味わえます。このギャップがとても印象的な作品。叙述ミステリーがメインではなく『生きること』をテーマにした一冊としても素敵な作品。

名前探しの放課後/辻村 深月

依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。(講談社文庫より引用)


突然3ヶ月前にタイムリープした依田いつか。 元の記憶を辿るとその間に同級生の自殺があった事実を思い出すのですが、肝心な名前や特徴の記憶だけが欠落していて自殺者の特定ができません。 自殺を阻止するため同級生あすな達と共に容疑者を探し始めます…。 一人の男子のタイムスリップから始まり、一人の生徒の自殺をチームで阻止するという設定。それぞれの場面で各自が熱く青春をしていて、心に響くものがある作品。


いろんな展開を想像しながら読みましたが、ラストは予想の上の上をいってました。タイムスリップの謎まできちんと回収されますよ!そして、あの物語と繋がりがあったり、あの人があの物語のあの人だったり…これぞ辻村ワールド!この作品が気になった方は、読む前に是非『ぼくのメジャースプーン』を読んでおいて下さいね。

辻村 深月さんのおすすめ作品6選


あとがき

どんでん返し!衝撃がクセになる叙述トリックミステリ小説をご紹介してきました。どれも本当に面白くて気持ちよく騙される良作ばかり!読後感も最高の作品ばかりです。いろんな展開を想像しながらお楽しみ下さいね。気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。最後まで読んで頂いてありがとうございました!

おすすめのミステリー小説 50選!


おすすめのSFミステリー10選!壮大で不思議な世界で謎解きを楽しもう!


壮大な世界観を描くSF(サイエンスフィクション)小説とミステリーの融合した『SFミステリー』ワクワクしない訳がありません!


今回は、そんなSFミステリーの中でもおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。本当に面白い作品ばかりです!思い切りワクワク・ドキドキしながらお楽しみ下さいね。

おすすめのSFミステリー小説

表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に素敵な作品ばかり!それではおすすめのSFミステリー小説の壮大で不思議な世界観を堪能してくださいね!

死なない生徒殺人事件/野崎 まど

この学院には永遠の命を持った生徒がいる、そんな噂が受け継がれている女子校に赴任してきた若手教師が、噂の真相に迫っていくお話。


死なない生徒、不死がテーマのSFミステリーです。なんですが、あらすじを見て頂ければわかる通り早速死んじゃいます…最初の掴みからとてもうまい!


序盤で提示される不死の謎に興味を惹かれて、そこからは読みやすい文体と魅力的な登場人物で最後まで一気に持っていかれます。文章の微妙な違和感が後に効いてきたり、とてもよくできた謎解きだと思います。おすすめですよ!

「永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」生物教師・伊藤が着任した女子校「私立藤凰学院」にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、ある女生徒から声をかけられる。自分がその「死なない生徒」だと言ってはばからない彼女だったが、程なく彼女は何者かの手によって殺害されてしまう―。果たして「不死」の意味とは?そして犯人の目的は!?第16回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞者・野崎まどが放つ、独創的ミステリ。 (メディアワークス文庫より引用)


800年後に会いにいく/河合 莞爾

タイムマシンではなく意外な方法で800年後の彼女に会いに行く。何の取り柄もない旅人君の人生が、街でアルバイトのチラシをもらった時から大転換!


クリスマスイブに出会ったメイは800年後に住んでいます。そしてスズランが無いと人類が滅んでしまうとネットで800年前の旅人に訴えるのですが…といった感じで、もうつかみはバッチリ、ちょっと照れちゃうくらいのストレートないいお話。最後もすっきりほっこりでとても良い結末のSFミステリー。

「西暦2826年にいる、あたしを助けて」。彼女の「真実」を知った時、あなたはきっと涙する。 かつてない、恋愛SFミステリー誕生! クリスマスイブの夜、残業をしていた飛田旅人のPCに突然、謎の少女からメッセージが届く。「このままでは死んでしまう。あたしにスズランを届けて」。再生された動画ファイルの作成日付は、2826年12月24日とあった。メイと名乗るその少女は何者なのか。そしてなぜスズランが必要なのか。「メイに会いたい。でもどうやって?」。思い悩む旅人に、上司で天才技術者の菜野マリアが、800年後の未来に行くための〝あっと驚く、思いもよらない方法〟を提案する――。〝彼女〟の真実を知った時、あなたはきっと涙する。いまだかつてない、恋愛SFミステリー誕生!(幻冬社より引用)


失われた過去と未来の犯罪/小林 泰三

全人類が記憶障害に陥り、10分ほどしか記憶を保てなくなった世界。人々は長期記憶の保持を外部メモリ装置に頼るようになります。うん、壮大なSFですね。


メモリを他の人に挿したらそれは誰なのでしょうか?人間の魂がどこにあるの?記憶が同じだったら生き返ったことになるの?記憶がなくなったらその人は死んだことになるの?色々と考えさせられます。全編とても面白くて興味深い作品です。

女子高生の結城梨乃は、自分の記憶が10分ともたないことに気が付いた。いち早く状況を理解した梨乃は急いでSNSに書き込む―「全ての人間が記憶障害に陥っています。あなたが、人類が生き残るために、以下のことを行ってください」。それから幾年。人類は失った長期記憶を補うため、身体に挿し込む「外部記憶装置」に頼り、生活するようになった。『アリス殺し』の鬼才が贈るブラックSFミステリ、ここに開幕。(KADOKAWAより引用)


人間の顔は食べづらい/白井 智之

自分のクローンは食べてもいいという食人法が制定された世界が舞台…この作者さんの作品は、基本気持ち悪いんですが、ミステリー小説としてすごくきちんとしています。


和志は、違法に自宅の地下でクローンを育てていました。食べる為に…ある日、和志は顧客の元に生首を送りつけた疑いをかけられます。しかしそれは、和志を奈落の底に落とす為の序章に過ぎませんでした…。


あまりにもぶっ飛んだ世界観に翻弄されるばかりで、そこそこ簡単なトリックにも全く気が付きませんでした。怒涛の展開とインパクトが抜群な一冊。

世界的に流行した新型ウイルスは食物連鎖で多様な生物に感染し、爆発的な数の死者をもたらした。ヒトにのみ有効な抗ウイルス薬を開発した人類は、安全な食料の確保のため、人間のクローンを食用に飼育するようになる。食用クローン人間の飼育施設で働く和志は、自宅で自らのクローンを違法に育てていた。ある日、首なしで出荷されたはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が発生する。和志は事件の容疑者とされるが、それは壮大な悪夢のはじまりに過ぎなかった。(角川文庫より引用)


百年法/山田 宗樹

不老不死の技術のある世界で、社会の成長が止まり、その打開策として『百年法』が施行されます。手術を受けてから100年後に死ななければならない法律…100年後、強制死に対する不安が社会、政治、国家を変えていきます。


SF小説という体裁ですが、設定はすごくリアルで理解しやすく、100年生きられるとしたらどんなメリットやデメリットがあるのかなども細かく書かれていてとても面白いです。登場人物が多いので頑張って下巻まで一気に読み終わらせましょう!

原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。 (KADOKAWAより引用)


ナゼアライブ/川口 愉快

2020年、世界中で爆発的に増加した理由なき自殺は止まるのか?人は何故生きるのかを問う一作。文体はライトですが、主題はすごく重い…読み進めるほど息苦しくなるような展開ですが、最後に壮大なスケールで突きぬけ爽快。


SFとしてだけでなく、主人公とその仲間たちが織り成す青春群像劇としてもかなり楽しめるのですが、不意打ちのように『自殺』という冷や水をあびせられ、一瞬にして現実に引き戻される手法はさすが!

「おれ、死ぬわ」――理由なき自殺が、地球規模で爆発的に増えていく。幼稚園児までが自殺し、百人以上が集団死する異常事態。行方不明の父を持つ記憶障害者・日那多雄と悪友たちは、そんな生と死の狭間で青春を迎える。キミはナゼ生きる? そしてナゼ自殺する? この大量自殺は、いつか止まるのか…。SFホラーと青春群像劇が交錯するファンタジック・ミステリー長編小説! (文芸社より引用)


バイロケーション/法条 遥

買物の折りに贋札使用疑惑で逮捕された忍。直前に自分そっくりの人間が同じ番号の札を使っていた?姿、形は同じでも自分ではない自分が存在するバイロケーション。忍は愛する夫との生活を守るため、同士が集うバイロケーションをなんとかする『会』に参加するのですが…。


自分の現在の服装や持ち物、感情、記憶など全て同じのもう一人の自分が神出鬼没…なかなか真実が明かされず、モヤモヤとしますが、ページをめくる手が止まらない文章力!ゾクゾクする怖さと結末の悲しさで読後感は最悪ですが最高に面白い一冊です。

画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。混乱する忍は、現れた警察官・加納に連行されてしまう。だが、連れられた場所には「自分」と同じ容姿・同じ行動をとる奇怪な存在に苦悩する人々が集っていた。彼らはその存在を「バイロケーション」と呼んでいた…。ドッペルゲンガーとは異なる新たな二重存在を提示した、新感覚ホラーワールド。第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。(角川ホラー文庫より引用)


ダレカガナカニイル…/井上 夢人

突然、誰かの意識が自分の中に住み着いてしまったら?警備会社に勤める主人公が突然の左遷で『解放の家』と呼ばれる怪しげな宗教組織の警備をする仕事に就くところから物語は始まります。突然頭の中から自分の事が誰だか解らない声が聴こえるようになるのですが…。


結構な厚さですがスラスラと読めて長さを感じません。『声』の正体が一体誰なのか…最後までわからないのですが、とにかくアッと驚くラストです。宗教の記載がかなりありますので気にする方は注意して下さいね。

警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。“ここはどこ?あなたはだれ?”と訴える声の正体は何なのか?ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作。(講談社文庫より引用)


オルファクトグラム/井上 夢人

頭を強打された青年、匂いが色や形に識別される能力が身につきその犬にも勝る嗅覚で連続殺人犯を追い詰めます。これは、設定が斬新ですごく面白い!


匂いが色やイメージとなって目に映る様は、読者は文から想像するわけですが、これが綺麗でとても素敵犯人との駆け引きなど文章にスピード感もあってハラハラ系のミステリー小説が好きな人におすすめです!

手がかりは、犯人が現場に残したかすかな匂い。イヌの嗅覚をもつ片桐稔は、異次元の世界に少しずつ適応しながら犯人に迫るが…。手口が似た連続怪奇殺人事件が起きるなか、失踪したバンド仲間と犯人に意外な接点が!’01年度の「このミステリーがすごい!」第4位に撰ばれた愛と感動の超大作ミステリー。 (講談社文庫より引用)


女王の百年密室/森 博嗣

2113年、技術はかなり進歩していていかにもSF感の漂う作風。舞台は女王が支配する閉鎖された小世界、そのため時代錯誤な文化や王政、宗教が色濃く残っています…。


そこは100年前に作られて以来世界から孤絶したユートピアとなっていて、女王を中心に争いもなく、犯罪もなく、警察もない一見平和な街。そんな街で起こった殺人事件。犯人を捜す外の世界から来たミチルと、隠そうとする女王や王室の人たち。何を隠し、何を守ろうとしているのでしょうか?かなり面白いです!個人的に森博嗣さん作品トップクラス!

2113年の世界。小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したミチルと、同行していたロイディは、森の中で孤絶した城砦都市に辿り着く。それは女王デボウ・スホに統治された、楽園のような小世界だった。しかし、祝祭の夜に起きた殺人事件をきっかけに、完璧なはずの都市に隠された秘密とミチルの過去は呼応しあい、やがて―。神の意志と人間の尊厳の相克を描く、森ミステリィの新境地。(新潮文庫より引用)


クラインの壷/岡嶋 二人

発表されたのは平成元年、まだVRなど夢物語の時代に、今のVR技術を更に発展させた技術を見越して見事なSFミステリーが描かれています。


しがない学生がゲーム構成を制作してコンクールに応募するも落選。しかしある会社から買い取りたいというオファーを受け、200万を受け取ります。一年半後会社からゲームテストの為来て欲しいとなりテストをするのですが…。著者の岡嶋さんは読み手の足場を崩してしまうのが本当に得意だと思います。最後、ハッピーエンドと思わせつつも怖っっ!

ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。現実が歪み虚構が交錯する恐怖。 (講談社文庫より引用)


あとがき

おすすめのSFミステリー小説をご紹介してきました。どれも壮大な世界で思い切り謎解きを楽しめる作品ばかり思います!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。最後まで読んで頂いてありがとうございました!

おすすめのミステリー小説 50選!


犯人を追い詰める!謎を解く!おすすめの倒叙ミステリー 10選!


倒叙ミステリーとは、最初に犯人や犯行が明かされ、主に犯人の視点で物語が展開されたり、アリバイを崩していくタイプのミステリー。


犯人目線のドキドキやパズルのように謎を解いていく楽しみがあります。そんな倒叙ミステリーの中でもおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。ドキドキ・ハラハラを思い切りお楽しみ下さいね。

おすすめの倒叙ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に素敵な作品ばかり!それではおすすめの倒叙ミステリー小説を堪能してくださいね!

探偵が早すぎる/井上 真偽

遺産相続で世界でも指折りのお金持ちとなった女子高生の一華を、あの手この手で事故に見せかけて殺そうとする親族達から守るべく、ほんの些細なことから手口を読んで事件が起こる前に解決する探偵のお話。ちなみに資産はなんと五兆円…探偵を雇ってどうにかするレベルの話ではない設定です。


被害者が出る前に犯人予定者を私刑する必殺仕事人のような早すぎる探偵。殺人を未然に防ぐとともに、殺人トリックを実行者本人にやり返すところが斬新で爽快。倒叙ものって重苦しくなるものだと思うのですが、本作は妙に軽く感じます。といっても読みごたえは十分ですよ!

犯行計画を立てただけなのに……どこからともなく名探偵がやってきた?完全犯罪をもくろむ殺人者は、誰にも見破られぬように犯罪計画を立てた……はずだった。「キミ、殺そうとしてるよね?」彼の犯罪計画の穴とは!?ミステリ界が今、最も注目する才能が放つ、究極の倒叙ミステリ!(講談社タイガより引用)


福家警部補の挨拶/大倉 崇裕

福家警部補シリーズの第1作目の短編集。コロンボを熱愛していた作者ということで、ストーリーもしかり、いつも警察バッジを探していて、いつも交通課に間違えられるというキャラは刑事コロンボを彷彿とさせます。


内容は、犯人がわかっていて警部補がじわりじわりと追い込む倒叙もの。些細な違和感や言動を決して見逃さない、他から見たらムダに見える捜査も、とうに分かってる犯人をぐうの音も出ないほど追い詰めるため、一つの証拠を追っているに他ならなりません。じわりじわりと犯人に詰め寄る福家警部補が堪りませんよ!!こちらの作品は(2017.9.10現在)Kindle Unlimitedでも配信されています。


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現場を検分し鑑識の報告を受けて聞き込みを始める頃には、事件の真相が見えている?!おなじみ刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける、四編収録のシリーズ第一集。(創元推理文庫より引用)


倒叙の四季 破られたトリック/深水 黎一郎

題名通り季節になぞらえた倒叙ミステリの連作短編集。ネット上に不定期に出回る、元刑事が書いたという『完全犯罪完全指南』なるものを参考に完全犯罪を行おうとする犯人達。


完全犯罪をこなしたつもりが海埜刑事により徐々に綻びが指摘されていきます。犯人のミスに何でも気付いちゃうどこか古畑的な刑事と一緒に捜査を楽しめますよ。

懲戒免職処分になった元警視庁の敏腕刑事が作成した“完全犯罪完全指南”という裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人の殺人者。「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」「冬は氷密室で中毒殺」。心証は真っ黒でも物証さえ掴ませなければ逃げ切れる、と考えた犯人たちの練りに練った偽装工作を警視庁捜査一課の海埜刑事はどう切り崩すのか?一体彼らはどんなミスをしたのか。(講談社ノベルスより引用)


さよなら神様/辻村深月

連作短編集。全知全能であるがゆえに事件の真相を初めから知っている神様鈴木くんと、それに翻弄される子供たちのお話。


1行目に犯人が断言されてるのに、読み手に安易に結末を予想させませんむしろ犯人しかわかりません。気付けば主人公の周囲には殺人者と被害者だらけ。


絶対に崩せないアリバイをどう破っていくかに焦点をあてて読むと面白いと思います。それにしてもどの章もあますとこなく後味が悪い。そして後味は悪いけど驚きは満足というすごい読後感の一冊。おすすめですよ!

隣の小学校の先生が殺された。容疑者のひとりが担任の美旗先生と知った俺、桑町淳は、クラスメイトの鈴木太郎に真犯人は誰かと尋ねてみた。殺人犯の名前を小学生に聞くなんてと思うかもしれないが、鈴木の情報は絶対に正しい。鈴木は神様なのだから―(「少年探偵団と神様」)。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させた神様探偵が帰ってきた。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに。(文春文庫より引用)


検察側の罪人/長沢 樹

ベテラン検事である最上と若手検事の沖野が、蒲田で発生した老夫婦殺害事件を扱います。


容疑者として浮上したのが、既に時効となっていた事件の重要参考人。取り調べ時の曖昧なアリバイと嘘の供述に最上は容疑者を今度こそ裁こうと躍起になるのですが…。法律と正義、法律の限界とはいえ最上検事そこまでする!?

蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。最上に心酔する若手検事の沖野は厳しい尋問で松倉を締め上げるが、最上の強引なやり方に疑問を抱くようになる。正義のあり方を根本から問う雫井ミステリー最高傑作!(文春文庫より引用)


キングを探せ/法月 綸太郎

シリーズものですがこのタイトルから読み始めても違和感なく楽しめると思います。四重の交換殺人を目論む男達、それに挑む法月親子のミステリー。あそことそこが繋がってうまくはまってくるのが凄いパズルを解く楽しさを感じるおすすめの作品です。


前半の倒叙から、後半は伏線をきちんと回収した上で、さらに犯人サイドと警察サイドの騙し合いでワクワクさせてくれます。ただの一文で『おおっ…』ってなる感じもさすが法月さん。

繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。目的は一つ、動機から手繰られないようターゲットを取り換えること。トランプのカードが、誰が誰を殺るか定めていく。四重交換殺人を企む犯人たちと、法月警視&綸太郎コンビの、熾烈な頭脳戦をご堪能あれ!(講談社文庫より引用)


彼女が追ってくる/石持 浅海

因縁を持った元同僚を計画通り殺した女はなに食わぬ顔で事件現場に現れます。しかし被害者が想定外のものを握っていたことから混乱し。


碓氷優佳シリーズ3作目。犯人による犯罪実行まではオーソドックスな倒叙ミステリの展開なんですが、被害者の生前の行動により犯人が事態をコントロールできなくなっていく展開が面白く、あるものが見つかる場面は犯人の鳥肌を追体験できる名シーンです。ずっとドキドキハラハラできるおすすめ作品。

“わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ…”中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは。(祥伝社文庫より引用)


聖女の救済/東野 圭吾

東野さんの倒叙ものとしてすぐ思い浮かぶのは『容疑者Xの献身』ですが、今回ご紹介するのはガリレオシリーズ第5弾。最初から犯人は、分かっているのにトリックが後半までまったくわかりません。東野圭吾さんはどうやってこんなトリックにたどり着くの??


想像を超えたトリックで殺人が行われたのですが、あまりにも凄い殺人の仕掛けがなされていて、完全犯罪もありうる状況を湯川博士が見事に見破ります。最初から最後まで抜かりのないおすすめの傑作です!

資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。(文春文庫より引用)

東野圭吾さんのおすすめ15作品


ワイルド・ソウル/垣根 涼介

心臓がぎゅっと痛くなるような悲惨な話が続くのですが、ページを捲る手が止められずぐいぐい最後まで読まされたおすすめの傑作。


ブラジル移民による外務省への復讐劇。移民の陥った凄惨な状況の描写と一気に読ませるストーリー展開はお見事の一言。読んでいて、常にハラハラ感があるし、ブラジル移民の辿った苦難話が生々しくて引き込まれます。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す!歴史の闇を暴く傑作小説。(新潮文庫より引用)


ハサミ男/殊能 将之

約20年前の有名な叙述トリック&倒叙ミステリー作品。主人公が殺人鬼なのでホラーっぽさもありますが、そこまでエグい描写もなく面白い!


ハサミ男と警察官の視点が交互に描かれていて、事件の真相に迫っていきます。それぞれのトリック自体は古典的なトリックと言われているものだと思いますが、複数絡めてきて展開がまったく予想できません。物語のクライマックスとなるあの一文を読んだ時、衝撃があり過ぎて訳が分からなくなる大どんでん返し!

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。(講談社文庫より引用)


OUT/桐野 夏生

残酷だしグロいしもう散々…全体的に救いがなくて暗くて、読んでいる自分まで荒んだ気持ちになっていく…でも面白くて一気読みしちゃう作品。


女とギャンブルにのめり込み貯金を使い果たし暴力をふるう亭主を女房は殺してしまいます。 すがりつかれたパート仲間が証拠隠滅の為死体をバラバラにして捨てる…お弁当製造工場に勤める女性4人の犯罪。登場人物それぞれが抱えた闇が、複雑に絡まり合って大事件になっていく流れは本当に上手い!怖いもの見たさの感覚で読んでみて下さい。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?自由への出口か、破滅への扉か?四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。魂を揺さぶる書下ろし犯罪小説。(講談社より引用)


あとがき

おすすめの倒叙ミステリー小説をご紹介してきました。どれもトリックを解いていく楽しみを存分に味わえると思います!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!


甘酸っぱい青春を楽しめる!おすすめの青春ミステリー 10選!


思春期を迎えた人物の日常や成長を楽しむ、おすすめの青春ミステリーをご紹介していきたいと思います。甘酸っぱかったり、ほろ苦かったり、気分は高校生時代に戻りながらミステリーも楽しめる素敵な作品ばかり!ミステリーとともに思春期の複雑な感情をお楽しみ下さい!

おすすめの青春ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に素敵な作品ばかり!それでは思う存分堪能してくださいね!

体育館の殺人/青崎 有吾

学校に住んでいるオタク探偵が謎を解決する裏染シリーズ1作目。いきなりといっても良いほど早々に発生する校内で起こった殺人事件を、部室に住み着く天才変人が解き明かすミステリー。状況証拠を積み上げて犯人をあぶり出す過程は読んでいてとても面白い!


軽いノリの学園ものの体裁をとっていても、中身は本格的な謎が仕掛けられている良作で、ミステリ初心者の人もガチ勢の人も楽しめそう。こちらの作品は(2017.9.9現在)Kindle Unlimitedでも配信されています。


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風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。(創元推理文庫より引用)


青の炎/貴志 祐介

17才の純な少年が愛する者を守るために試みた完全犯罪、些細な事から生じるほころび、内から起こる自責の念と迫り来る捜査の脅威。


主人公はとても切れ者なんですが物凄くピュアで心優しい。トリックの緻密さもさることながら、そんな主人公の揺れ動く心の描写が最高です。最後の一行まで重く、深くて哀しい青春ミステリーの傑作。

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。(角川文庫より引用)


冷たい校舎の時は止まる/辻村深月

雪の降る中、学校に閉じ込められる8人の高校生。明らかに現実離れした状況下、一人また一人と『消えて』いくサスペンスフルな展開。


物語は二ヵ月前に起きた同級生の自殺を軸にしています。閉じ込められた八人はなぜだか皆、誰が自殺したのか思い出せなくて…。


ホラーを取り入れた展開と、心の中に抱えた生々しい青春像との意外なくみ合わせに惹かれた一冊です。手に取るのを躊躇うくらいの分厚さに加えて上下巻。かなりのボリュームなんですが面白くて一気読みしたおすすめ小説。

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう―。(講談社文庫より引用)


消失グラデーション/長沢 樹

舞台が学校でなければ発生しないであろうミステリーに、いろんなものを抱えている高校生それぞれが真剣に向き合う姿が、頼もしい青春ミステリー。


人気女子バスケ部員が転落した姿を目撃された直後に忽然と校内から消えた!そのまま消えた部員の謎を追う物語。真相は過去に何度も出てきたトリックですが、本作は徹底していて全て見破るのは至難の業ですよ。

私立藤野学院高校のバスケ部員椎名康は、ある日、校舎の屋上から転落し、痛々しく横たわる少女に遭遇する。康は、血を流すその少女を助けようとするが、何者かに襲われ、一瞬意識を失ってしまう。ほどなくして目を覚ますと、少女は現場から跡形もなく消えていた!?開かれた空間で起こった目撃者不在の被害者消失事件。複雑に絡み合う青春の傷と謎に、多感な若き探偵たちが挑む。(角川文庫より引用)


サクリファイス/近藤 史惠

ロードバイクの競技を舞台にした小説。サクリファイスとは簡単にいえば犠牲心やアシストのこと。途中でタイトル和訳「犠牲」の真意に気付いた瞬間鳥肌が…。


タイトルにもストーリーにも深い意味や意図がありますし、ロードレースの醍醐味や面白さとミステリーの要素が上手く絡められていてワクワク・モヤモヤ。面白いですよ!

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた!(新潮文庫より引用)


彼女の色に届くまで/似鳥 鶏

絵画にまつわるミステリーといえば原田マハさんですが、本作は似鳥鶏さんらしく学園もの。


凡才を自虐しつつ画家を目指す主人公が天才的な絵画センスを持ちながらも少し変わっている少女とともに絵画にまつわる事件と遭遇しながら才能と向き合う過程が描かれています。


少し固めな物語の入り口ですが、コミカルなキャラクターや美術初心者でもニヤリとできる注釈の面白さがあって気軽に入れて読みやすい青春ミステリー。

画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、期待外れな高校生活を送っていた。友人は筋肉マニアの変わり者一人。美術展の公募にも落選続きで、画家としての一歩も踏み出せず、冴えない毎日だった。だが高校生活も半ばを過ぎた頃、僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。その窮地を救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、それから僕の日々は一変する。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり…。二人のもどかしい関係の行方は―?(KADOKAWAより引用)


人魚姫の椅子/森 晶麿

甘いだけじゃない、ちょっぴり苦い恋愛が好きな方にとっては最高の物語。そんな中で一片の狂気を含ませる作風は相変わらず面白い!


空想が好きな杏、椅子作りに情熱を傾ける慧斗、美人で明るい翠。翠が好きな人にラブレターを渡すところから事件が始まります。美しい文章で、瀬戸内の自然や杏の恋心を描いているぶん、内容の異様さがより際立っていると思います。それから杏のラブレター、とっても胸をうちますよ!

瀬戸内海に面した椅子作りがさかんな町、宝松市鈴香瀬町。高校生の海野杏は、毎朝海辺で小説を書きながら、椅子職人を目指す同級生・五十鈴彗斗と少しだけ話すことを日課としていた。そんなある日の朝、彗斗から「高校をやめて町を出る」と告げられる。特別仲がよかったわけではないが、傍にいて当然の存在がいなくなることに焦りを覚える杏。時を同じくして、杏は親友の翠からラヴレターの代筆を頼まれる。必死に頼む姿にほだされ、明るくてかわいい翠を思い浮かべながら、一文一文を丁寧に綴っていく。そのラヴレターから、小さな町を揺るがす失踪事件が始まるとも知らずに。“黒猫シリーズ”の著者が描く、新たな青春ミステリ。(早川書房より引用)


いまさら翼といわれても/米澤 穂信

おなじみ古典部シリーズ最新作。高校の古典部の4人のキャラそれぞれの日々の行き違いや信頼が描かれている6つの短編連作。シリーズとはいえ、1篇1篇が独立しているので、今までの話を知らなくても十分楽しめます。


古典部員の青春ストーリーとしては、キーポイントになるかもしれません。もちろん日常の謎としてのミステリー要素も濃密に楽しむことができるとても贅沢なおすすめの一冊。

神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘―折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)。奉太郎、える、里志、摩耶花―“古典部”4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇!(KADOKAWAより引用)


放課後スプリング・トレイン/吉野 泉

福岡を舞台にした青春ミステリー。と言っても誰も死なないですし、怖いこととは何も起こりません。


放課後、学祭、ボランティアやフィールドワーク。その途中で高校2年生の泉が出会った謎を、大学院生の飛木さんが、背中を押すようにあたたかく解いてゆきます。高校時代に一瞬戻れる爽やかな読後感が素敵なおすすめの一冊。こちらの作品は(2017.9.9現在)Kindle Unlimitedでも配信されています。

Kindle Unlimitedの詳細はこちら!

四月のある日、私は親友から年上の彼氏を紹介され、同席していた大学院生の飛木さんと知り合う。彼は、天神に向かう電車で出会った婦人の奇妙な行動や、高校の文化祭でのシンデレラのドレス消失騒動など、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。「飛木さん、どうしたら謎が解けるようになりますか?」福岡を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。(創元推理文庫より引用)


そして、君のいない九月がくる/天沢 夏月

ケイタの幽霊ケイが、友達4人のところに現れて、彼の願いのため旅をするお話。ふわふわっとしてサクサクっと読める一冊。


映画『スタンド・バイ・ミー』のように足跡を辿る旅の中で吐き出される、恵太に対する後悔や嫉妬、恋心。少年少女の複雑で多感な心情が表現された良い青春小説だなと思います。ケイタの死の真相にも驚かされますよ。

その夏、恵太が死んだ。恵太といつも一緒にいた美穂、大輝、舜、莉乃たちは、そのショックから立ち直れないまま呆然とした夏休みを送っていた。そんなある日、美穂の前に現れたのは、死んだ恵太に瓜二つの少年、ケイ。「君たちに頼みがある。僕が死んだ場所まで来てほしい」戸惑いながらも、美穂たちは恵太の足跡を辿る旅に出る。旅の中でそれぞれが吐き出す恵太への嘘、嫉妬、後悔、恋心。そして旅の終わりに待つ、意外な結末とは。(メディアワークス文庫より引用)


いなくなれ、群青/河野 裕

階段島シリーズ1作目。男子高生の七草は、ある日突然知らない場所に捨てられていました。『階段島』住んでいる住民は自分が何故ここにいるの記憶にない状態で、いつの間にかいる島。魔女によって管理されているこの島に七草の知っている少女が捨てられたことで七草の生活は一変していきます…。


元の世界に戻るために失くしたものを見つける物語なのですが、全体的に謎に包まれている感じ。再会が起こす出来事がたまらなく面白いのですが、少し曖昧な表現が淡々と続いていく文章には好みが分かれるかもしれません。

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎…。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。(新潮文庫nexより引用)


あとがき

甘酸っぱい青春を思い切り楽しめる、おすすめの青春ミステリーをご紹介してきました。高校時代にタイムスリップできましたか?気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!


WEB漫画総選挙の結果発表!おすすめのWEB漫画が勢揃い!

pixivコミックよりWEBマンガ総選挙の結果が発表されましたね。Webで発表されるマンガ作品を対象に行われた今回の投票、どんな作品が選ばれたのでしょうか?投票数とあわせてランキング順に選ばれた漫画のあらすじ、書評を紹介してみたいと思います。

WEBマンガ総選挙とは?

「今もっとも愛されているWebマンガ」をコンセプトに創設された同賞は、ピクシブと日本出版販売による協同企画。Webが初出で9月9日までに書籍化されたマンガを対象にユーザー投票を行い、そのポイント結果で選定されランキングされました。


WEBマンガ総選挙結果

それでは、1位より順にあらすじ、感想をご紹介していきます。本当に面白い漫画ばかりですので気になる作品があれば是非読んでみて下さいね。※タイトル横の数字は投票数です。

1位 RENA「ヲタクに恋は難しい」(79,366P)

隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、ルックス良く有能だが重度のゲーヲタである宏嵩(ひろたか)とのヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメディ。(一迅社より引用)


見た目可愛い隠れ腐女子OLの成海とルックス良く有能ですが重度のゲーヲタである宏嵩とのヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメ。面白いしキュンとするし宏嵩には女の夢が詰まってるし、マンガの中でくらいヲタクでも幸せになってくれ!堂々の1位も納得の一冊です。

2位 RENA「雷神とリーマン」(44,307P)

ゲイの大村は失恋を機に色事から遠のき、日々を味気なく過ごしていた。 いつものように仕事に疲れ自宅へ戻ると、部屋の中にフワフワ浮遊する不審者を発見。 不審者曰く「神でいるのが嫌になった。お前、俺を人間にしろ」 事態が飲み込めぬまま大村の疲れは極致へ達す…! 嘘か真か神とリーマンのシェア生活、はじまりはじまり。(クロフネコミックスより引用)


ハイスペック純粋雷神×疲れきった乙女リーマン。主人公がゲイではあるのですがBLではありません。孤独なゲイのリーマンの元に来たのは人間になりたい雷神様。ぶっとんだコメディかと思えば感動のエピソードも。たまに心に突き刺ささってくる雷遊の言葉…温かすぎて泣く。

3位 はくり「幸色のワンルーム」(34,534P)

薄幸な少女は誘拐されて“幸せ"を初めて知る。 その日、少女は誘拐された。 しかし、それは少女にとって一縷の希望にかけた生活の始まりだった。 少女は誘拐犯に結婚を誓い、誘拐犯は少女にたくさんの“幸せ"を捧ぐ。 被害者と誘拐犯の関係なのに―――どうしてこんなに温かいの? (ガンガンコミックスpixivより引用)


誘拐犯の少年×誘拐された少女。 正しい家族に正しく愛されることがなく、まっすぐに正しく生きる事が難しかったヒロインを、救いにやって来たのは、やはり正しくないことをする男だった。2人はお互いに依存し自分を隠したまま共同生活を送り続けます。複雑だけれどもとても暖かい作品、おすすめです。

4位 泥川恵「ゆるお先輩とわたし」(32,018P)

隠れ腐女子がリア充バイトで、脱力系イケメンと出会った。 超絶ゆるいのに仕事はできる、まかない飯にニコちゃんマーク……なんだろうこの胸のトキメキは!? ちょっと変わった仲間たちと楽しく働く、胸キュン&笑いたっぷりの実録バイトライフ! (ピクシブエッセイより引用)


実録漫画。てっきり泥川さんがゆるお先輩に恋する話かと思いきや、憧れの先輩のゆるい雰囲気を見て癒される作品。賑やかでゆるくて面白いです!そして、創作じゃなくて、エッセイの重みを感じるラスト…。

5位 春園ショウ「佐々木と宮野」(31,275P)

女顔がコンプレックスな腐男子の宮野は、校内で起きた喧嘩をきっかけに、先輩で不良の佐々木に気に入られてしまい――。BL展開断固拒否!な男子高生の日常。(ジーンピクシブシリーズより引用)


不良センパイ×腐男子後輩。不良の先輩・佐々木先輩と後輩・宮野くんのボーイズライフなお話。ラブではないですよ、ライフ。じわじわと距離の縮まっていく2人が可愛いです。宮野くんの腐りっぷりもまた読んでいて楽しい。

6位 星海ユミ「ヤンキーショタとオタクおねえさん」(28,314P)

ヤンキー小学生×地味ヲタ社会人。 混じわれない異文化ラブコメ開幕!! ごくごく普通の地味ヲタ社会人・佐伯かづ子が苦手なものは、《男子》と《ヤンキー》。 そんなかづ子にやたらとかまう、お隣のヤンキー小学生・愛川龍桜。 脅かされる平和なヲタク生活! その理由とは…? (ガンガンコミックスpixivより引用)


お隣のヤンキーショタに怯えるオタクおねえさんと、そんなオタクおねえさんを恋い慕うヤンキーショタのお話。龍桜くんに振り回されるお姉さんに大爆笑!この2人、とにかく微笑ましくてニヤニヤしながら読めますよ。果たして彼の恋が成就する日は来るのかな?

7位 久世岳「トリマニア」(23,754P)

ようこそ、トリマニア共和国へ。 トリマニア共和国──。世界で唯一、背中に翼を持つ人々が住まう国。そんな謎めいた国に留学を決めた少女・あかり。彼女はトリマニア共和国で何と出会い、何を見つけるのか?(ガンガンコミックスONLINEより引用)


主人公あかりは失恋の傷を癒すため適当に選んだ「トリマニア共和国」に留学する事に。背中に翼があるだけでそれ以外は普通の人間なトリマニア人。そこに留学生のあかりを加えて彼らの恋や日常が描かれています。シュールで面白いスルメ漫画、謎な低いテンションで、一言ひとことがツボに嵌りますよ。

8位 りべるむ「そうしそうあい」(17,078P)

金髪ガチヤンキーそうしと、黒髪真面目女子のめぐみの、かわいすぎる両想いをお送りします☆ 付き合い始めたふたりのキレッキレな愛情表現に、誰もが表情ゆるっゆるになるほんわか教室ラブデイズ♪(ジーンピクシブシリーズより引用)


金髪ヤンキー×黒髪ツインテール優等生。もともとは学校の課題から生まれた作品だそう。見かけによらず純粋なそうしと、見かけによらず積極的な相馬ちゃん、お互いにもっていないものに惹かれ合う2人とも超可愛い!お互いに堂々と好きを貫いていてタイトル通りの相思相愛漫画です。ニマニマしながら読みましょう。

9位 iko「テラモリ」(15,375P)

スーツ屋でお仕事はじめました。ヲタク女子大生・高宮 陽(20)。バイト未経験の彼女は時給にひかれてスーツ屋“テーラー森”で働くことに!ネクタイ、シャツ、紳士靴 etc. 呪文のようなスーツ用語を覚えつつ、楽しくも必死で働くアパレルコメディー、開店です♪(小学館より引用)


スーツに関する雑学を楽しみつつ、登場人物の日常を楽しむ漫画。コミュ力が低いけれど、時給に目がくらんでスーツ屋で接客のバイトをする事にした陽のラブコメかな?みんな良い人達ばかりで環境が恵まれていて読んでいて楽しいです!

10位 北大路みみ「On the way to Living Dead」(13,731P)

東京湾に浮かぶ人工島「富士島」では、“世紀の薬品”と言われる新薬が開発されていた。ある日、島は死者がうごめく地獄へと姿を変える。島に残された者達の運命は――!?(一迅社より引用)


全編オールカラーでゾンビがいっぱいでてくるひたすら格好良い漫画。ある孤島で突如ゾンビが大量発生!対ゾンビ用訓練を受けていたクォーターの安藤竜太郎の前に現れた少女・吉祥寺まひる。2人の出会いによって物語はさらに…。絵柄は可愛いめなんですが、どこか狂気とか不安が漂っています。

あとがき

納得の良作ばかりでしたね。読みたい時にすぐ読み始められるWEB漫画、もちろんpixivコミックでいつでも読めますので気になる作品があれば是非読んでみてはいかがでしょう?本当に面白い漫画ばかりですよ!

後味の悪さを楽しみたい!おすすめのイヤミス小説 10選!

最近話題の小説ジャンル『イヤミス』。イヤミスとは、読んで嫌な気持ちになったり、後味の悪さを楽しむミステリーのことです。中には途中で本を閉じたくなってしまうような場面もありますが、それでも読まずにはいられない…そんな魅力あるおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。

おすすめのイヤミス小説


表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に面白いイヤミス作品ばかりですよ!それでは後味の悪さを思う存分堪能してくださいね!

十一月に死んだ悪魔/愛川 晶

売れない小説家『蒼井聖』は11年前の交通事故で記憶を失くしてしまいます。あるきっかけで舞華という美しい女性と同居することになるのですが、舞華の正体を探るうち徐々に記憶が戻っていき…。


最初は物語の合間の不可解なストーリーが謎で、どう繋がるの?と頭を悩ませると思います。こちらの作品、決して読み易くはないかもしれませんが意味が解った瞬間から一気に面白くなります。


最後に明らかになる事実は意外性があってお見事!なんですが、読後の気分の悪さときたら…。もう一度読み返したくなるような、もう読みたくないような。

イヤミスここに極まる。まさに唾棄すべき傑作!鳴かず飛ばずの作家・柏原が十一年前の交通事故で失った一週間の記憶。謎の美女・舞華と出会ったことで封印されていた魔物が甦る!(文藝春秋より引用)


女王はかえらない/降田 天

2015年度『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作品。針山小の3年1組はマキが仕切っていて、そこには階級制度が出来上がります。


4年生になってもクラスは持ち上がり、そのままマキが女王として君臨するのかと思われたのですが、東京からの転校生エリカがやって来て、マキとエリカの戦いが始まります。その結果ある事件が起きるのですが…。


小学生のカーストが、叙述トリックを用い幾重にも伏線を散りばめながら描かれていて単純に読んでいてすごく面白い!容赦なくえぐい感じがリアルで、小学生でここまでするのかと嫌な感情を抑えつつも、先が気になりラストまで驚きと恐さにゾクゾクしっぱなしです!さすがこのミス大賞作品と思えるおすすめの一冊。

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(宝島社より引用)


告白/湊 かなえ

けっこうなエグさなのに意外と冷静に読み進められるのは、明らかに救いがなさそうなのがわかるから。お次は、イヤミスの女王『湊かなえ』さんのデビュー作、良い意味で救いようのない小説『告白』です。


中学校教師の娘が不慮の死を遂げるという出だしからそれを取り巻く教師と教え子とその家庭環境がそれぞれの当事者目線で描かれ、そこに渦巻く思惑が入り乱れながらもパズルのように組み合わされていきます。


語り手の視点がバラバラと入れ替わってひとつの事件を語っていく構成で、章ごとに事件の見え方や登場人物の印象がガラッと変わります。映画化や漫画化、本屋大賞に新人賞を総なめにした鳥肌に次ぐ鳥肌の一冊です。

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。(双葉文庫より引用)


愚行録/貫井 徳郎

人間の嫌な部分が全て詰まった一冊。裕福で恵まれた生活を送る幸せを絵に書いたような4人家族の滅多刺し惨殺事件が起こります。


事件を追う記者によって、隣人、会社の同僚、学生時代の友人、元恋人らによる事件と被害者夫妻についてのインタビュー形式で話が進んでいきます。関係者の証言のみで構成されている異色の小説でそれはまさに『愚行』の記録。


普段はなるべく見ないように、気づかないようにしている人間の愚かさを、まざまざと見せつけられるような気がして、薄気味悪くていやーな感覚が残ります。

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。(創元推理文庫より引用)


リライト/法条 遥

未来から来た初恋の少年を助ける為に10年後にタイムリープしたはずの自分が10年後に現れない…そんな冒頭から始まる時間物SFです。


てっきり主人公が真相解明に奔走する爽やかな展開かと思いきや、次章から思い切り裏切られ、どんどん混乱の渦に巻き込まれていきます、そして後味の悪い衝撃のラスト。


文体は分かり易くてとても読みやすいのですが、複雑な構造なのでほとんどの人はきっと頭がこんがります。ですが、難しいながらも予想外の展開に鳥肌が立ちっぱなしになること間違いなし。クライマックスは、ジェットコースターで奈落の底に落ちる感じが楽しめますよ!

過去は変わらないはずだった―1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ…しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき…。(ハヤカワ文庫より引用)


祝言島/真梨幸子

映画『祝言島』に映った殺人が実際の殺人ではないか。そんな謎を提示されつつ、現在から過去へ飛んで…。 ストーリーの中から情報を集めて、自分で真相を完成させるミステリー。


文章のテンポがよくて、あっさりと変な世界観に引き込まれるのですが、リライト同様こちらも時間軸がわからなくなりますし、登場人物がとにかく多い!相関図と時系列を整理しないと理解不能のひねりにひねったイヤミス作品。


どうしてこんなに色々な人物が入れ替わり登場するのか、最後でようやく納得できます。蓋を開ければ単純なんですが、それを狂気に満ちた世界に仕上げたのはさすが真梨さん。

2006年12月1日、東京で3人の人物が殺され、未解決となっている「12月1日連続殺人事件」。大学生のメイは、この事件を追うテレビ番組の制作会社でアルバイトをすることになる。無関係にみえる3人の被害者の共通点が“祝言島”だった。東京オリンピック前夜の1964年、小笠原諸島にある「祝言島」の火山が噴火し、生き残った島民は青山のアパートに避難した。しかし後年、祝言島は“なかったこと”にされ、ネット上でも都市伝説に。一方で、祝言島を撮ったドキュメンタリー映画が存在し、ノーカット版には恐ろしい映像が含まれていた。(小学館より引用)


だからあなたは殺される/水生 大海

母を亡くした女子高生・優羽は10年ぶりに刑事の兄 正義と暮らし始めます。時を同じくして近所で読モ女子高生が惨殺され、正義は捜査に乗り出すのですが…想定外なイヤミスオチ。


この主人公あまり好きになれないなと思いながら読み進めるも途中まではあまり山場もなく、最後は普通に犯人が見つかるだけかと思いきや、結構な驚きが!!読後は、タイトルとカバーの不気味さに震えます。確かにイヤミスなのですが、何かスッキリもする一冊。

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


ユリゴコロ/水生 大海

人の死を生きる拠り所とする女とその手記に翻弄される男のお話。主人公の亮介が、末期がんで余命わずかな父の家の押入れで見つけた『ユリゴコロ』と題された4冊のノート。そこには、人を殺しても何の痛痒も感じない女性の半生と殺人記録が綴られていました。


手記の中盤あたり、暗くて気持ち悪くて、もう本当に読むのが嫌になったのですが、真実が明かされていくうちに…。


ホラーサスペンスですが、愛の話でもある不思議な物語。読み終わった後のスッキリ感が病み付きになりそうな、暖かいものも残るおすすめの一冊。あれ?確かに面白いんですがよく考えると後味が良いイヤミスですね。

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!(双葉社より引用)


209号室には知らない子供がいる/櫛木 理宇

209号室に住む少年・葵という得体の知れない子供。高級マンションに暮らすそれぞれの家族のほんの少しの隙間に潜り込み支配する…。


気味が悪くて後味も悪いとゆうイヤミスホラー。家族が葵に絡めとられ少しずつ常軌を逸していく過程がコワいんですが不愉快なキャラのオンパレードによる憤りが恐怖を余裕で凌駕します。そして最後まで読むと…イライラが怖さに変わります。

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


いちばん悲しい/まさき としか

背後から執拗に刺し殺された男には妻子があり若い恋人がいた。表紙の感じからは絶対に予想つかない極端なイヤミス。


深夜の路上で刺殺された中年男性。男性の愛人、妻、関係者の女性、とにかくどの人も自分勝手で皆が口にする『私がいちばん悲しい』という言葉、それぞれの視点から怒りを爆発させていきます。


自分が一番悲しい筈だと陶酔しているかのような女性が複数出てきて、ジットリとした不快感、最後の真相がわかってもモヤモヤと後味が悪いですが、読後感の嫌さが絶妙ですごくいい感じの一冊。イヤミスを堪能できますよ!

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


あとがき

後味の悪さを楽しむ、おすすめのイヤミスをご紹介してきました。どの作品も嫌な気分になりつつもページを捲る手のとまらないとても面白い作品ばかりですよ!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!