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甘くて切ない大人の恋愛小説!おすすめの13作品!

今回は、甘くて切ない『大人の恋愛小説』をご紹介していきます。甘いだけではない、苦しくて、切なくて、情熱的でどこか危なげ…様々な恋愛模様を描いたおすすめの恋愛小説13作品をお勧めしていきたいと思います。




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おすすめの『大人の恋愛小説』

  • 掲載の順番はランキング形式ではありません、また作品は随時追加予定。
  • 表記はタイトル・出版・作者・あらすじ・感想の順です。

  • 一部軽いネタバレが含まれます。



ウエハースの椅子

新潮文庫
江國香織

「私の恋人は完璧なかたちをしている。そして、彼の体は、私を信じられないほど幸福にすることができる。すべてのあと、私たちの体はくたりと馴染んでくっついてしまう」―三十八歳の私は、画家。恋愛にどっぷり浸かっている。一人暮らしの私を訪ねてくるのは、やさしい恋人(妻と息子と娘がいる)とのら猫、そして記憶と絶望。完璧な恋のゆく果ては…。(Amazonより引用)


『私』にとって幸せの象徴はウエハースの椅子でした。とても素敵だけれど決して座ることのできない椅子。恋人といる時の私は、満ち足りて完璧だけれど、それはウエハースの幸せなのです。


恋人と過ごす甘やかな時間、みちたりた気持ち、ふいに訪れる絶望。画家の女性の恋愛を、幻想的で影のある書きぶりで描いた小説。主人公の生活は絶望と隣り合わせなはずなのに、共感するし憧れる、静かで甘い不思議な世界です。


言い寄る

講談社文庫
田辺聖子

乃里子、31歳。フリーのデザイナー、画家。自由な一人暮らし。金持ちの色男・剛、趣味人の渋い中年男・水野など、いい男たちに言い寄られ、恋も仕事も楽しんでいる。しかし、痛いくらい愛してる五郎にだけは、どうしても言い寄れない…。(Amazonより引用)


『男には2種類ある。言い寄れる男と、そうでない男である』勝ち気な主人公が恋焦がれている男は、手をつくして言い寄ってもらおうしてもとダメだったのに、親友には会ってすぐに言い寄っていた…苦味が残るラブストーリー。なんと30年も前の作品ですが現代と全くずれていません!主人公のその後は、出版社は別ですが2作品で追いかけられます。


白いしるし

新潮文庫
西加奈子

女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった――。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。(Amazonより引用)


独身女性32才の夏目はアルバイトをしながら絵を描いている…対照的な作品を描く2人の画家と、共通の友人の3人を軸に話が進みます。それぞれの愛が深くて深すぎて、途中で『怖っ』と思ったところも…裏表紙の解説にもあったように、まさしく超全身恋愛小説。


エイ・トゥ・ズィ

講談社文庫
山田詠美

文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生(なるお)と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は、恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形――。AからZまでの26文字にこめられた、大人の恋のすべて。読売文学賞受賞作。(Amazonより引用)


編集者である夏美はある日、夫・一宏から『ほかの女性に恋している』という事実を告白されます。しかし動揺収まらぬなか、夏美も郵便局員の成生と恋に落ちてしまって…。どうしようもなく恋に落ちてしまう切なさを知りながら、大事なものを失わないための努力を忘れない『大人の恋愛小説』。甘くて苦くて胸が『ぎゅっ』となりますよ。


ナラタージュ

角川文庫
島本理生

壊れるまでに張りつめた気持ち。そらすこともできない――二十歳の恋

大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密を思い出す。(Amazonより引用)


映画化されたということで手に取ってみました。過去に封印した筈の想いが再会によって溢れ出すことから始まるお話。教師と生徒だった最後の日、垣根を越えたキスで終わったはずの恋が再び動き始めます。ハッピーエンドにならない、ずるい、じれったい…『だけどクセになる』作品。静かで洗練された文章で激しい内面が描かれていて、これを20歳の時に書いたのだと思うと…脱帽。

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恋愛中毒

角川文庫
山本文緒

もう神様にお願いするのはやめよう。―どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。(Amazonより引用)


主人公のやっていることは完全におかしくて我慢することや耐えることが相手を愛していることと等価だと勘違いしていますし、ストーキング行為なんかも行います。犯罪ですよね。でも読んでいるときには、主人公のやっていることは『ありなんじゃないのかな』と思ってしまうほど思い切り感情移入しています。苦しい、辛い、痛々しい…なのにもう一度最初から読み返したくなる作品。


マチネの終わりに

毎日新聞出版
平野啓一郎

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が描く、恋の仕方を忘れた大人たちに贈る恋愛小説。(Amazonより引用)


天才クラシックギタリストと、クロアチア人の映画監督を父に持つ美貌のジャーナリストの恋を描いた上質な『大人のラブストーリー』です。この作品、実際にモデルがいるとのことですので、すれ違いに複雑な気持ちになったり、相手のことを考えて行動するところに感心したり…お互いを想う気持ち、切なさの余韻が続く素晴らしい作品でした。


肩ごしの恋人

集英社文庫
唯川恵

気に入ってしまいそうなものを見つけた時、必ずいちゃもんをつけたがる、萌。私を好きにならない男がこの世にいるなんて、どうしても信じられない、るり子。きっとあなたの中にいる、ふたりの女の恋の物語。 (Amazonより引用)


竹を割ったようなさっぱりした性格の『萌』と、美しくなければ女性でないとお高くとまる『るり子』。そんな二人と世間知らずな美男子の3人が、共同生活をはじめます…性格も考え方も正反対の幼なじみふたりが、女の本音をぶつけ合いながらひたむきに生きる姿が印象的、最後まで読み終わると『るり子』も『萌』も最初の印象と全く違う輝き方をしています。とても素敵で読みやすい作品。


タイニー・タイニー・ハッピー

角川文庫
鳥井千砂

東京郊外の大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」、略して「タニハピ」。商品管理の事務を務める徹は、同じくタニハピのメガネ屋で働く実咲と2年前に結婚。ケンカもなく仲良くやってきたつもりだったが、少しずつズレが生じてきて…(「ドッグイヤー」より)。今日も「タニハピ」のどこかで交錯する人間模様。結婚、恋愛、仕事に葛藤する8人の男女をリアルに描いた、甘くも胸焦がれる、傑作恋愛ストーリー。(Amazonより引用)


『タイニータイニーハッピー』というショッピングセンターで働く男女、その兄弟や友達など範囲を広げて、それぞれが主人公になり話が繋がっていくオムニバス形式。ドロドロしていないし、激しくもない、ありきたりな恋愛模様が丁寧に描かれていて、付き合ったり別れたり不安になったり他の人に目移りしちゃったり…『わかるわ〜』と言いたくなるシーンが沢山あります。サラっと読める明るい余韻の残る作品です。


きみはポラリス

新潮文庫
三浦しをん

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛…言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている―。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。(Amazonより引用)


恋愛をテーマに短編を、という依頼から書かれた『三浦しをん的』恋愛短編集、11編の短編が収められていて、テーマが一つ一つまるで違うため読んでいて飽きません。いろんなカップルの間にある『普通に変な世界』をさらりと描き出していて、自分の中にもこんな願望や妄想があったりするんだと気づかせてくれる作品です。


薬指の標本

新潮文庫
小川洋子

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。(Amazonより引用)


この本には『薬指の標本』『六角形の小部屋』の二作品が収められています。


『薬指の標本』は、思い出の品を標本にする仕事をする小さな作業所が舞台、そこで受付をする女性が主人公です。彼女は標本室で働くにつれ、標本技術士の弟子丸氏に次第に惹かれてゆきます。全体を通してふんわりとあたたかい『おとぎ話』のような雰囲気がただよっているのですが、突然背筋がゾッとなるような場面が当たり前のように入り込んでくる不思議な感覚の小説。そして最後に標本となるものは……。


八日目の蝉

中公文庫
角田光代

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。(Amazonより引用)


物語は、不倫の末に堕胎し子どもができなくなった女性『希和子』が、不倫相手の子どもを衝動的に誘拐するところから始まります。はじめの1ページ目から希和子に感情移入してしまい一気に引き込まれました。誘拐犯に思わず共感してしまうなんて…凄い小説です。『八日目の蝉』というタイトルが示す意味にも胸がつまりました。


センセイの鞄

文春文庫
川上弘美

駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。(Amazonより引用)


70代の『センセイ』と、38歳の『ツキコ』二人に共通するのは『孤独』一人で生きて、ひとりで食べて、一人で旅してきた二人。


行きつけの居酒屋で、約束もせず会うようになってから、いつの間にか互いがなくてはならない存在になっていきます。特別なことが書かれているわけではないのに、何気ない居酒屋でのほのぼのとしたやりとりだけでなぜか泣けてくる。ゆったりとした幸せな『恋』の話を読んだという満足感が得られる本です。


あとがき

いかがでしたか?甘くて切ない大人の恋愛小説をご紹介してきました。


決して甘くて綺麗な恋ばかりではありませんが、どこか共感できたり、感情移入してしまう部分もあって、どっぷり世界にハマってしまうと思いますよ!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。