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おすすめの恋愛ミステリー小説 5冊の名作を楽しもう!

今回は、恋愛の要素があるミステリー小説、そのままずばり『恋愛ミステリー』のおすすめ作品をご紹介していきたいと思います。

おすすめの恋愛ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、あらすじ、書評の順になっています。それでは『愛』のあるミステリー小説の名作を思う存分堪能してくださいね!

秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。(文春文庫より引用)


全ては愛する人の為、あまりにも切ない『秘密』。平介はバス事故で妻・直子を亡くしましたが娘・藻奈美は生還します。ところが娘の身体の中には直子の魂が…。


大切な妻娘との事故後の不思議な生活。意識の入れ替わりの話しによくあるようなドタバタではなく、このような状況になったら人はどうするのかが色濃く書かれている作品。『秘密』の本当の意味が分かった時、心が震えました。人を想うとは何か、思いやりとは何か、愛するとはなんなのかを教えられる一冊です。

異邦の騎士/島田荘司

失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、男はその断片的“事実”に戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺した男なのか?そしていま若い女との幸せな生活にしのび寄る新たな魔手。記憶喪失の男を翻弄する怪事の背景は?蟻地獄にも似た罠から男は逃げられるか?希代の名探偵・御手洗潔の最初の事件。(講談社文庫より引用)


島田荘司さんの御手洗潔シリーズ・エピソード0。実質的には処女作ですがインパクトが弱いという理由で長年眠り続けていた作品です。ですので『占星術殺人事件』など先に何作品か御手洗シリーズを読んでからの方がより本作を楽しめると思います。


ベンチの上で目覚めた男は自分に関する全ての記憶を無くしていました。僅かな手がかりを探して町をさ迷い歩く中、ひとりの女性と出会い、恋に落ちます。彼女との生活は幸せなものでしたが、そこに突然、過去の妻子の存在が浮上し…。


途中まで、ミステリ作品?と思ってしまうお話でしたが、終わってみると、ああなるほど騙されたという感じで、ミステリーとしても人間ドラマとしても深く厚みがあって凄く面白い!そして、終盤の展開はかなり切なくて胸を打たれます。ファンの間で熱く支持されている名作。

暗いところで待ち合わせ/乙一

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。(幻冬舎文庫より引用)


描かれているのは、盲目のミチルと殺人容疑で警察に追われているアキヒロの共同生活。お互いの存在に気づきながらも何事もないかのように静かに暮らす物語です。見えてる方も見えない方も不器用で、ふたりの距離が近づいていく感じがとにかく良い!ほとんど会話のない2人の、静かで温かな心の交流にぐっときます。


最初は目の見えない彼女の生活や、殺人を犯して逃げている彼の行動にハラハラドキドキの展開ですが、途中からはどうするのが良いのかわからなくなり、ただただ2人の幸せな結末を祈るばかり。


題名と表紙の装幀の暗さでホラー感もあって、ちょっと読むのを躊躇っている方もいそうな乙一さんの『暗いところで待ち合わせ 』想像以上に面白いので是非読んでみて欲しいおすすめの恋愛ミステリーです。

ユリゴコロ/沼田まほかる

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!(双葉社より引用)


主人公の亮介が、末期がんで余命いくばくもない父の家の押入れで見つけた『ユリゴコロ』と題された4冊のノート。そこには、人を殺しても何の痛痒も感じない女性の半生と殺人記録が綴られていました。この手記の作者は、もしかして自分の母なのか…。


ユリゴコロには、殺人の様子が詳しく書いているので、この辺りは少し気持ち悪く目を逸らしたくもなります。それでも亮介と読み手が重なり合って実際に自分がノートを読んでるんじゃないかと思ってしまうほど没入感が凄い!そしてラスト間際のあの数ページ…暖かいものも残るとても読みやすい良作です。

涙/乃南アサ

「ごめん。もう、会えない」。東京オリンピック開会式の前日、婚約者で刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた萄子は愕然とする。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していたことも判明。挙式直前の萄子はどん底に突き落とされた。いったい婚約者の失踪と事件がどう関わっているのか。間違いであって欲しい…。真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追った。(新潮文庫より引用)


東京オリンピックの前日、萄子の婚約者である刑事・奥田は失踪します。時を同じくして奥田の上司・韮山の娘が惨殺され、現場で奥田の定期入れが見つかります…。婚約者の失踪と殺人事件の謎を追うヒロインとその家族、そして刑事である被害者の父を描いた恋愛ミステリー。


タイトルからしてハッピーエンドではなさそうなんですが、プロローグで萄子が母親になりごく当たり前の生活をしている様子が描かれているので心配することなく読み進められます。


ヒヤヒヤドキドキしながらも先が気になりぐいぐいと引き込まれる内容で、所々にある時代の背景が真実味を増して楽しめます。まるでタイムスリップしたような感覚が味わえますよ。読後はまさにじわじわと『涙』でした。

あとがき

恋愛ミステリー小説おすすめの5作品をご紹介してきました。どの作品もとても面白くグイグイと引き込まれる名作ばかり!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

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