怪獣8号 作品情報
作 者:松本直也
出版社: 集英社
雑 誌: 少年ジャンプ+
ジャンル:バトル漫画
連載開始:2020年7月3日
怪獣8号 あらすじ
怪獣発生率が世界屈指の日本。この国は、容赦なく怪獣が日常を侵していた。かつて防衛隊員を目指していたが、今は怪獣専門清掃業で働く日比野カフカ。ある日カフカは、謎の生物によって、身体が怪獣化、怪獣討伐を担う日本防衛隊からコードネーム「怪獣8号」と呼ばれる存在になる。
怪獣8号 主要登場人物
- 日比野カフカ(主人公)
- 怪獣8号(主人公)
- 市川 レノ(カフカの同期/相棒)
- 亜白 ミナ(カフカの幼馴染)
- カフカの同期達
四ノ宮キコル(防衛隊首席入隊)/古橋伊春/出雲ハルイチ/神楽木葵
怪獣8号 ネタバレ
ここから怪獣8号のネタバレになります。
怪獣8号 1巻収録分 ネタバレ
怪獣8号の1巻に収録されているのは1話から7話までの7話分。1話毎に区切ってネタバレ紹介していきます。
第1話
怪獣を全滅させようと、かつて幼馴染のミナと共に夢見た日本防衛隊への入隊。その夢を諦めていた主人公カフカ。
夢叶え防衛隊第3部隊隊長として活躍するミナの姿をテレビ越しに見て悶々とした日々を送りながら、防衛隊に倒された怪獣の解体清掃業者として働いていた。
ーある日、新人アルバイトとしてやってきた防衛隊を夢見る市川レノ。防衛隊を諦めてしまっているカフカに冷たい視線を送りつつも、先輩であるカフカの仕事ぶりや人間性を見て徐々に心を開き始める。
そんな時、解体清掃現場で2人に襲い掛かる余獣 。レノを避難させ、体を張って抵抗しようとするも全く歯が立たず絶体絶命。そこに登場するミナ率いる防衛隊第3部隊。瞬時に余獣を撃破し2人は病院に。
余獣:メインで現れる怪獣を本獣といい、それに付随して現れる怪獣を余獣と呼ぶ
入院中、ベットの上でレノの感謝の言葉を受け再び防衛隊を目指そうと決意するも、カフカの前に突然あらわれた小さな怪獣が体内に入り込み気づけば自身が怪獣の姿に。
第2話
怪獣の姿になってしまったカフカ、他の患者にその姿を見られ防衛隊に通報されてしまいレノと共に病院から逃走。
逃走中、研ぎ澄まされたカフカの耳に聞こえてくる助けを求める声。そのまま逃げるはずもなく、声のもとへと向かう2人、そこには親子を襲う余獣の姿。
レノに親子を任せて余獣に本気の一発を浴びせると余獣は木端微塵に。
カフカの姿にもおびえる子供から思わぬ「ありがとう」の言葉を受け、自身の果たすべき約束を思い返し人間の姿に戻っていく。
第3話
逃走劇から3か月、なんとかバレずにすんでいたが、目撃されたカフカの怪獣姿は『怪獣8号』と呼ばれ防衛隊の追跡が続いていた。
そんな中、防衛隊の一次試験を受けた2人のもとに、見事合格の通知が届く。ーそして迎えた二次試験の会場駐車場で、同じく試験を受けにきた高飛車なお嬢様・四ノ宮キコルに車をどけろと絡まれてしまう。
拒否するカフカを横目に強化スーツに電源を入れ、車を放り投げてしまうキコル。
そして、カフカに詰め寄り一言「それよりおじさん、あんた、なんか怪獣臭くない?」
第4話
レノのフォローにより何とか身ばれを回避するも、対抗意識を燃やし体の一部を怪獣化することで車を持ち上げるカフカ。キコルに興味を持たれてしまう。
そして始まる二部制からなる二次試験。一部の「体力検査」では例年に比べレベルの高い受験生達に年齢からくるの体力の衰えも相まって225人中219位。5位のキコルにも馬鹿にされつつ試験は二部「資質検査」へ。
過去の事例から怪獣の死骸処理と思われていた二部は、まさかの怪獣討伐。
第5話
怪獣討伐のために防衛隊の戦闘用スーツを着ることになった受験者達。
スーツには解放戦力というものがあり、力を引き出していく他の受験者をよそ目にカフカの解放戦力はなんと0%。
解放戦力:防衛隊スーツの性能をどれだけ引き出しているかを数値化した指標。
スーツの性能を全く引き出せないまま開始されてしまう資質検査。ミナが見ていることを知り、自分に喝を入れ張り切るカフカでしたが、怪獣から不意の一撃を受けてしまう。
第6話
余獣のさらなる追撃をうけ、ついに試験失格となりかけたその瞬間、キコルの強烈な一撃が余獣を沈める。
ここで第3部隊副隊長・保科からリタイアを勧められるも、レノの支えもあり試験の続行を望んで立ち上がるカフカ。
追いかけるカフカたちをよそ目に、キコルは次々と余獣を倒し、本獣までも単独で撃破してしまう。
試験は終了。と思ったその時、未知の人型怪獣にキコルは不意をつかれてしまう。
怪獣8号 2巻収録分 ネタバレ
続けて怪獣8号の2巻に収録されているのは8話から17話までの10話分。1話毎に区切ってネタバレ紹介していきます。
第8話
怪獣としてキコルの前に現れたカフカは、一撃で仕留めるために力を込めた。
そのとき本部では、本獣周辺に高いエネルギーが発生していることを感知する。怪獣の危険度を示すフォルティチュードは9.8、これは歴史に残る大怪獣の値。
力を解放し全力の一撃を放つと本獣はいとも簡単に仕留められた。
第9話
ミナたちが現場に到着したころには、すでに決着が付きカフカ達も保護されていた。
現場を見て、以前怪獣8号が出現した時の倒し方と似ていることに気付く保科。
カフカとキコルはそのまま入院することに。ーその夜、人型怪獣はニュースを見ながら、試験会場で不測の事態が起こるも、死者が一人も出なかったことを知って驚く。
その時、人型怪獣が持つスマホに休憩終了の着信がある。怪獣はその姿を人間に変化させ、カフカと同じ会社のロゴマークが入った作業着を着て仕事に向かう。
第10話
ー合格発表当日、カフカとレノのもとに試験結果が届く。ーそして入隊証書授与式の日、主席で合格となったキコルは、複雑な気持ちで入隊証書を授与する。
合格者27人の中にカフカはいない。その時、防衛隊の制服を纏い登場するカフカ。
試験当日、スーツ適正に異常な低さを示したこと、突然現れたフォルティチュード9.8の反応と同時にカフカのバイタル数値が不自然に途絶えていたことに疑念を抱いた保科の独断で『候補生』として合格となっていた。
11話
ー入隊から2か月、訓練を積んで成長をみせる新人たち。特に短期間でのレノの成長ぶりは驚異的と保科に驚かれる。
さらにキコルは、訓練を積んだ一般隊員の解放戦力が20%とされる中、元々の46%から55%まで上昇。
そして、カフカは0%から1%に上昇。保科にこのままだと3か月後にはクビになると言われてしまう。
その夜、1人勉強に勤しむカフカの元に現れた保科。ミナとの約束を果たそうと努力を続ける熱意に打たれ、彼を認め始める。そして去り際、仲間と仲良くなるのは程々にしたほうが良いとも伝える。
その時、鳴り響く怪獣発生の警報。カフカたちは初任務へと挑むことに。
12話
ー訓練中のとある日、キコルは、命を助けられた感謝の意を示しとりあえずはカフカの秘密を黙っておいてくれることに。しかしながら、もしもカフカが人類の害となる怪獣になってしまった時は、迷わず殺すことを伝えカフカもこれを快諾する。
ー今回、相模原に現れた全長150m以上の超大型怪獣の討伐に向かう事となった一行。
無数に生み出される余獣を、この区域から出さないよう処理する任務にあたることに。いよいよ相模原での討伐作戦が開始する。
13話
いよいよ開始された余獣との戦闘。キコルを筆頭に圧巻の活躍を見せる新人たち。その中には、カフカを怪獣にさせないためと戦果をあげ続けるレノの姿も。
撃破報告が次々と上がる中、焦りを感じるカフカ。自分なりに出来る事をしようと、解体の経験を活かし余獣の弱点を探り始める。
そして、余獣の核が首の付け根にあること、余獣にも増殖器官が付いていることを見事発見し保科に伝える。
その時、轟く戦闘音。巨大怪獣とミナの戦いが始まっていた。
14話
解放戦力96%・ミナの攻撃により下半身をたったの一撃で吹き飛ばされてしまう巨大怪獣。さらにダメ押しの連続攻撃。ミナの強さを目の当たりにし圧倒されるカフカ。
ここで、第三部隊副隊長である保科の家系が室町時代から続く怪獣討伐隊の一族で、得意武器は刀、比較的小さめの怪獣に於いては保科の方に分がある事、大型怪獣相手では到底ミナには敵わない事などを聞くカフカ。
ーミナの攻撃により本獣の生体反応は完全に停止。本獣からは余獣があふれ出し、新人隊員達が処理を始める。
余獣の討伐に追われるレノと同期・古橋伊春の前に現れる1人の解体業者。「仕込んだ増殖器官が破壊されてる。なんでバレちゃったのかなあ?」
以前、試験会場に現れた人型怪獣が、解体業者に扮してレノたちの前に再び姿を見せた。
15話
避難を呼びかける伊春に、突如攻撃を仕掛けてくる解体業者。
違和感を察知ていた市川の咄嗟の叫び声に反応した伊春は、間一髪で致命傷を回避する。ついに正体を現した人型怪獣は、休む暇なく攻撃を仕掛けてくる。
かろうじて攻撃をかわしつつなんとか伊春を離脱させるレノ。
以前、身体を張って自分を護ってくれたカフカの姿を想いながら人型怪獣と対峙する。
16話
レノが一人残り応戦する中、伊春はレノが自分を抜いてどんどん成長していく現状に苛立ちを覚えながらも、人型怪獣により通信を遮断されている為、気持ちを押し殺して離脱し増援の依頼に向かう。
攻撃をよけ続けるレノに業を煮やし、新たな攻撃を仕掛ける人型怪獣。もう避けられないと思ったレノを咄嗟のダイブで助けたのは、増援を依頼しに向かったはずの伊春。
伊春が気に入らないのはレノではなく、何も変わらず守られるだけの自分自身。自身の感情に折り合いをつけ、奮起して怪獣に立ち向かうも状況は最悪。
一斉に全力攻撃を仕掛けるも、ことごとく防がれ恐怖すら感じながら沈みゆくレノ。一方、保科のもとに2人と連絡が取れない旨の報告がなされる。
同時に、目の前にあった死骸が一瞬動いたよう感じたカフカとキコルは、人型怪獣の再出現に気づく。
怪獣8号の感想
第一話、怪獣がいるという世界で、主人公が怪獣の解体清掃業者という妙にリアリティのある職業で働いている描写。
言われてみれば確かにこの仕事も必要と思える。目の付け所がいきなり凄いし、この職業に対する設定も細かく結構ワクワクした。この設定だけでも一つの作品が完成してしまいそうとすら思いますが、この仕事での知識が後々活かされる事があっても、掘り下げられているのはこの一話のみ。
なんだったら一話の最後にはもう怪獣になってる。この丁寧なのに展開が速いというのはかなり気持ちいい。
また、ある程度の期間をポンと飛ばしてしまうシーンが多くありますが、その期間にも色々あったんだろうなとこちらが勝手に想像できてしまってあまり軽く感じないし、むしろ読み心地が良い。これも、ひとつひとつのシーンが丁寧だからこそできる技なんだろうなと思う。
この読み心地の良さが常に土台にあって、その中で、爽快感のあるぶっとばしシーン、最後は怪獣8号が助けてくれると思っているのに、想像以上に穴だらけとかにされて「これ、このキャラ死んじゃうの?」みたいなハラハラ、ドキドキ展開。
そして、どんな時も必ず駆けつけてくれる、ヒーローが安定してヒーローらしくあるワクワク展開。さらに、よく見ると気づけるようなツンデレシーンまで見ごたえのある絵柄で毎話毎話詰め込まれてる。これは売れるに決まってる。
最後までお読みいただきありがとうございました。最新刊の発売ごとに更新予定です。