いろはにほへど

朝起きて本を読んで寝てます。

【自分磨き!】心を豊かにしてくれるおすすめの小説 5作!

良い本に出会うと心が豊かになります。それはもちろん自分磨きにも繋がります。今回は、きっと心を成長させてくれる素敵な小説を厳選してご紹介していきたいと思います!是非参考にしてみて下さいね。

心を豊かにするおすすめの小説

  • 表記はタイトル、あらすじ、感想の順になっています。
  • 作品は随時追加していきます。


お気に入りの作品を見つけて下さいね。それでは思う存分お楽しみ下さい!

日の名残り

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。(早川書房より引用)


AmazonのCEOが心に残る一冊に上げていたので読んでみた作品、執事が休暇中にイギリスをドライブで旅行しながら自分の人生を振り返る物語。というよりも彼が振り返っているのは、自分から見た、自分の人生において大切であった人びとの物語。美しい情景が目に見えるかのようでした。


職務のために父親も、惹かれあっていた相手も突き放した彼には、執事として生き、執事として死ぬ道しか残されていません。しかし、その執事という役割そのものが消えようとしている…。その悲哀の中、ともに働いていた女中頭と再会することで、自分の人生の味気無さに思わず涙します。 英国の風景を描いているはずなのに、漂う郷愁がとても日本的。


執事が語り手というスタイルですので、自身や過去を美化しすぎているようにも思わせますが、この少し謎めいた記述も魅力の一つだと思います。最後に『ああ良かった』と心から思える良い作品でした。

アルジャーノンに花束を

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。(早川書房より引用)


チャーリイは、ただ、頭が良くなりたいと、人を愛し、愛されたいと願う…。ドラマなどで何度もリメイクされている、まさに不朽の名作『アルジャーノンに花束を』日記調で語られる主人公の実験結果は読んでいくとどんどん引き込まれます。


脳が発達し成長していくとともに世界の美しさ、同時に汚さを知ってしまうチャーリイ、知識とは?優しさとは?愛情とは?と問うメッセージが強くながれ続け、本当に認めて欲しい感情がなんだったのかを最後に理解します。


この本のラストは本当に泣けました。人間あるがままが1番幸せなのかなと思えるとても素敵な一冊、おすすめです。

涙が止まらない!泣ける小説20選


塩狩峠

結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。(新潮社より引用)


他人の犠牲になんてなりたかない、誰だってそうさ――そうだろうか、本当に?『塩狩峠』は、ある鉄道職員の生涯がモデルになった作品で、実話を元にしたフィクションです。


初めは無関心、むしろ嫌っていた主人公の宗教に対するとらえ方が、環境の変化や成長の過程で変ってゆく姿が描かれています。物語の基礎としてはキリストの信仰が大きいのでしょうけれど、信仰があろうとなかろうと、何事においてもブレない心の芯の強さが大切なのだと思えます。心の拠りどころを持つ人たちの心の穏やかさや充足感を感じました。こういう小説を読んでおくことで人は少しは優しくなれるのだと思える一冊です。

祈祷師の娘

祈祷師の家に育った主人公、春永はお父さん、お母さんとは血がつながっておらず、お祓いの能力を持っていません。姉の和花ちゃんには霊能力があり、祈祷師をつぐことになります。自分に霊能力のない春永は悩みますが、中学校での恋のまねごとのような人間関係や、霊能力を持ってしまった小学生の女の子とのふれあい、そして実の親に会いに行く小さな旅を通して、少しずつ自分らしさをつかんでいきます。(ポプラ社より引用)


祈禱師を生業としている一家で育ったけれど血の繋がっていない中一の春ちゃん。


血が繋がっていない故に祈祷師としての才能を持たない自分にはどんな存在意義があるのか、どうしたら家族の役に立てるのか、仲の良い4人家族ですがどんなに頑張っても超えられない一線があって…そこに悩み苦しむ春ちゃんの自分探しのお話。


祈祷所という舞台で、霊的なものが見える人や未来が分かるといった、ちょっと特殊な人も出てくる設定なのですが、奇抜でもないし俗っぽくもありません。静かで淡々として、優しくて強いお話でした。とても心温まります。

ほかならぬ人へ

「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき、徐々に惹かれていく…。(祥伝社より引用)


直木賞受賞作、大切な人ってなんなのかを探る一冊。『かけがえのない人』『ほかならぬ人』2つの恋愛中編集。2つの話は、恵まれた境遇に生まれた主人公が、自分とは考え方も生き方も違う恋人や大切な人と過ごしていく日々を描いた作品。出会うべき運命の人はいるのか。いたとして、それが運命の人だと何時どう分かるのか…。


読後の余韻に『愛する』ということをジワジワと考えさせてくれる良質の恋愛小説です。


あとがき

いかがでしたか?心を豊かにしてくれるおすすめの小説をご紹介してきました。どれもとても素敵な作品ばかりです!気になるものが見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。