いろはにほへど

朝起きて本を読んで寝てます。

原田マハおすすめの10作品!穏やかな雰囲気、爽やかな読後感を楽しめる!


著者自身が深く愛する芸術、映画、旅行などをテーマとして、読みやすく美しい文章とストーリーでそれらの世界を擬似体験させてくれる。そして、どの作品も読後は爽やかで幸せな気分になれるものばかり!今回は、そんな素敵な作品を生み出し続ける『原田マハ』さんの魅力を思う存分味わえるおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。

原田マハさんプロフィール

まずはじめに原田マハさんのプロフィールからご紹介します。

1962(昭和37)年、東京都小平市生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後2005(平成17)年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。引用: 原田マハ | 著者プロフィール | 新潮社


原田マハさんのおすすめ小説

表記はタイトル、あらすじ、感想の順になっています。それでは原田マハさんの傑作、名作の数々を思う存分堪能してくださいね!

楽園のカンヴァス

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。(新潮文庫より引用)


ルソーの絵を巡って、2人の研究者がその真贋を明らかにしていく、名作を題材としてミステリー調に仕上げた物語。絵と向き合い、画家を研究しそこに自分の人生をかける2人の情熱は読んでいてとても面白く、美術の知識がほとんどなくてもグイグイと引き込まれていきます。


原田マハさんの美術に対する愛情が全面に出ているのを感じる事が出来て、単純にストーリーが面白いというのは勿論のこと、芸術や美術に普段あまり触れることのない方にとってこの世界への入り口にもなり得る傑作だと思います。

ジヴェルニーの食卓

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。(集英社文庫より引用)


マティス、ドガ、セザンヌ、モネら絵画の巨匠たちの人生を彼らの周りにいる女性たちの目線で見つめ、疑似体験ができる物語で名作が生まれた背景に触れることができます。


どの話も穏やかな雰囲気につつまれ、いつまでも読んでいて画家達の人生に浸っていたいと思わせてくれる傑作です。

たゆたえども沈まず

1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出すーー。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者によるアート小説の最高傑作、誕生!(幻冬舎より引用)


19世紀末のパリを舞台に、売れない画家・ゴッホと彼の才能を信じて支え続けた弟・テオを日本人画商の視点から描いた物語。美術に造詣の深い原田マハさんらしく、まるで観てきたかように物語が描かれていてフィクションとノンフィクションの境目がわからない程リアル。


幸せを感じさせるようなシチュエーションも大小描かれているものの、全体的には悲劇的な読後感…でも完読した後に序章を読むと少し温かい気持ちにもなれました。ゴッホに纏わるエピソードを、愛のある物語で読ませてくれる良作です。

暗幕のゲルニカ

反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した――誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか? ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。(新潮文庫より引用)


9・11後のニューヨークと第二次世界大戦のヨーロッパという2つの時代を交互に描く2軸進行で、ピカソの反戦の思いを込めた作品『ゲルニカ』をめぐって繰り広げられる物語。


反戦への強い思いに胸が熱くなるストーリーで、読者の関心を集めてグイグイとページを捲らせる技術はやっぱり凄いですし、ピカソに関する入念な下調べも圧巻!最初にご紹介した『楽園のカンヴァス』を先に読んでおくとより楽しめる作品だと思いますよ。

旅屋おかえり

あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった―。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。(集英社文庫より引用)


ガラッとかわって旅の話。帰れない故郷やもう一度見たい風景など、依頼人に代わって日本全国を旅する「旅屋」。この事業を立ち上げたのは人生どん底でも明るく前向きな元アイドルの「おかえり」こと丘えりか。


依頼者の重い過去を背負いつつ旅をするおかえりが、自身の境遇にさえ悩みながらも、この旅で皆を幸せにしてしまう様子に心もほんわか!楽しく、愉快にマハさんの文章に引き込まれていくこと間違いなしのおすすめ作品です。

カフーを待ちわびて

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。「嫁に来ないか。」と書いた明青のもとに、神様が本当に花嫁をつれてきたのだ―。沖縄の小さな島でくりひろげられる、やさしくて、あたたかくて、ちょっぴりせつない恋の話。選考委員から「自然とやさしい気持ちになれる作品」と絶賛された第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞作品。( 宝島社文庫 より引用)


沖縄の与那喜島を舞台にしたラブストーリー。素直で素朴な主人公の明青と外から来た謎の美女・幸。純粋な2人の思いは、じれったくて少し切なくて、ハラハラして…。


マハさんの巧みなストーリー展開に南国の穏やかな時の流れも相まって、心温まる読後感。そして、まるでその場にいるかのような感覚を呼び起こす爽やかな描写に沖縄の雰囲気も楽しめます。凄く沖縄へ行きたくなりますよ!

さいはての彼女

25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!?だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。 (角川文庫より引用)


旅を軸とした全4編からなる短編集。人生にいきづまった女性が、旅先での出会いを通じて寂しさや挫折を受け入れて乗り越えて、前を向いてゆく話。


どの話も最後には爽やかな気持ちにさせてくれるので、前向きになりたいときや元気がでないときに是非読んで欲しい一冊。もちろんこちらの作品も景色や場面が鮮明に浮かんでくるので旅をしたくなっちゃいますよ!

生きるぼくら

いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた―。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。(徳間文庫より引用)


高校でのいじめ、就活での悩みが原因で引きこもりになってしまった人生くんは、母の荒療治で祖母の住む蓼科へ。


なかなか一筋縄では行かない田舎暮らしですが、そこで出会ったお米作りや周囲のカッコいい大人たちと関わり合う中で、生きることに彷徨っていた人生くんが、人間らしさを取り戻し成長していく様子に心奪われます。優しくて心温まるおすすめの一冊。

翼をください

暁星新聞の記者である青山翔子は、社内の資料室で一枚の写真を見つけた。それは、1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真だった。翔子は当時、暁星新聞社が社運をかけて取り組んでいたプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザス州アチソンへと飛ぶ。老人ホームで暮らす山田は、翔子から渡された古い写真を見て、重い口を開いた。そこには、ある米国人女性パイロットの姿が―。(角川文庫より引用)


アメリカの女性飛行士エイミーと、純国産飛行機「ニッポン」で前人未踏の世界一周に挑む日本の男たち。その飛行機さえ戦争に利用されようとしていた悲しい時代に本当の自由を求めて世界一周飛行に挑戦する人々の、実話を基にした感動の物語。愛と勇敢な心が詰め込まれたとても素敵な作品で、こんなにも胸が熱くなる本にはなかなか出会えませんよ。

キネマの神様

39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。
(文春文庫より引用)


仕事につまづいた娘とギャンブル依存症の父親との映画を通じた交流が数々の奇跡を生み出す、あり得ないくらいのサクセスストーリー。


心から映画を愛している魅力的な登場人物たちによる劇場の中のワクワクやドキドキ感が伝わってくるような展開に終始引き込まれっぱなし!マハさんの映画愛に溢れた良作で、映画が好きな方には特におすすめしたい一冊です。

本日は、お日柄もよく

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。(徳間文庫より引用)


幼馴染の結婚式で感動的なスピーチを聞き、スピーチライターへの世界に飛び込んだ平凡なOL・こと葉がスピーチライターとして人として成長し、幸せを掴み取る素敵な物語。


『言葉が持つ力』をテーマとしながら舞台はドンドン移り変わっていきます。文中のスピーチに引き込まれ、それを楽しみつつも言葉の美しさや大切さを素直に理解出来る作品。読後のスッキリ感や幸せ感も最高です。

一分間だけ

ファッション雑誌編集者の藍は、ある日ゴールデンリトリーバーのリラを飼うことになった。恋人と一緒に育てはじめたものの、仕事が生き甲斐の藍は、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているかを次第に見失っていく……。恋人が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活のなかで「本当に大切なもの」に気づきはじめる藍。働く女性と愛犬のリアル・ラブストーリー。 ( 宝島社文庫 より引用)


殺処分寸前の仔犬リラと出会い看取るまでの物語。リラのために通勤に時間のかかる郊外に転居したことを皮切りに順風満帆の日々にも綻びが…雑誌編集者として忙しさに流され何を愛し、何に愛されているかを次第に見失っていく主人公。


途中、ストレスからリラにあたってしまうような場面もありますが、最後はリラへの愛が溢れ出していて涙腺崩壊。意外な展開はなく結末も分かってしまう日常の話でここまで惹きつけられ、涙する作品はなかなかありませんよ。

あとがき

原田マハさんのおすすめ作品をご紹介してきました。どの作品もあっという間に物語の世界に惹きこまれ.読後も爽やかで幸せな気分を楽しめる最高の作品ばかりです。気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。