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後味の悪さを楽しみたい!おすすめのイヤミス小説 10選!

最近話題の小説ジャンル『イヤミス』。イヤミスとは、読んで嫌な気持ちになったり、後味の悪さを楽しむミステリーのことです。中には途中で本を閉じたくなってしまうような場面もありますが、それでも読まずにはいられない…そんな魅力あるおすすめの作品をご紹介していきたいと思います。

おすすめのイヤミス小説


表記はタイトル、筆者、書評、あらすじの順になっています。本当に面白いイヤミス作品ばかりですよ!それでは後味の悪さを思う存分堪能してくださいね!

十一月に死んだ悪魔/愛川 晶

売れない小説家『蒼井聖』は11年前の交通事故で記憶を失くしてしまいます。あるきっかけで舞華という美しい女性と同居することになるのですが、舞華の正体を探るうち徐々に記憶が戻っていき…。


最初は物語の合間の不可解なストーリーが謎で、どう繋がるの?と頭を悩ませると思います。こちらの作品、決して読み易くはないかもしれませんが意味が解った瞬間から一気に面白くなります。


最後に明らかになる事実は意外性があってお見事!なんですが、読後の気分の悪さときたら…。もう一度読み返したくなるような、もう読みたくないような。

イヤミスここに極まる。まさに唾棄すべき傑作!鳴かず飛ばずの作家・柏原が十一年前の交通事故で失った一週間の記憶。謎の美女・舞華と出会ったことで封印されていた魔物が甦る!(文藝春秋より引用)


女王はかえらない/降田 天

2015年度『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作品。針山小の3年1組はマキが仕切っていて、そこには階級制度が出来上がります。


4年生になってもクラスは持ち上がり、そのままマキが女王として君臨するのかと思われたのですが、東京からの転校生エリカがやって来て、マキとエリカの戦いが始まります。その結果ある事件が起きるのですが…。


小学生のカーストが、叙述トリックを用い幾重にも伏線を散りばめながら描かれていて単純に読んでいてすごく面白い!容赦なくえぐい感じがリアルで、小学生でここまでするのかと嫌な感情を抑えつつも、先が気になりラストまで驚きと恐さにゾクゾクしっぱなしです!さすがこのミス大賞作品と思えるおすすめの一冊。

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(宝島社より引用)


告白/湊 かなえ

けっこうなエグさなのに意外と冷静に読み進められるのは、明らかに救いがなさそうなのがわかるから。お次は、イヤミスの女王『湊かなえ』さんのデビュー作、良い意味で救いようのない小説『告白』です。


中学校教師の娘が不慮の死を遂げるという出だしからそれを取り巻く教師と教え子とその家庭環境がそれぞれの当事者目線で描かれ、そこに渦巻く思惑が入り乱れながらもパズルのように組み合わされていきます。


語り手の視点がバラバラと入れ替わってひとつの事件を語っていく構成で、章ごとに事件の見え方や登場人物の印象がガラッと変わります。映画化や漫画化、本屋大賞に新人賞を総なめにした鳥肌に次ぐ鳥肌の一冊です。

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。(双葉文庫より引用)


愚行録/貫井 徳郎

人間の嫌な部分が全て詰まった一冊。裕福で恵まれた生活を送る幸せを絵に書いたような4人家族の滅多刺し惨殺事件が起こります。


事件を追う記者によって、隣人、会社の同僚、学生時代の友人、元恋人らによる事件と被害者夫妻についてのインタビュー形式で話が進んでいきます。関係者の証言のみで構成されている異色の小説でそれはまさに『愚行』の記録。


普段はなるべく見ないように、気づかないようにしている人間の愚かさを、まざまざと見せつけられるような気がして、薄気味悪くていやーな感覚が残ります。

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。(創元推理文庫より引用)


リライト/法条 遥

未来から来た初恋の少年を助ける為に10年後にタイムリープしたはずの自分が10年後に現れない…そんな冒頭から始まる時間物SFです。


てっきり主人公が真相解明に奔走する爽やかな展開かと思いきや、次章から思い切り裏切られ、どんどん混乱の渦に巻き込まれていきます、そして後味の悪い衝撃のラスト。


文体は分かり易くてとても読みやすいのですが、複雑な構造なのでほとんどの人はきっと頭がこんがります。ですが、難しいながらも予想外の展開に鳥肌が立ちっぱなしになること間違いなし。クライマックスは、ジェットコースターで奈落の底に落ちる感じが楽しめますよ!

過去は変わらないはずだった―1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ…しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき…。(ハヤカワ文庫より引用)


祝言島/真梨幸子

映画『祝言島』に映った殺人が実際の殺人ではないか。そんな謎を提示されつつ、現在から過去へ飛んで…。 ストーリーの中から情報を集めて、自分で真相を完成させるミステリー。


文章のテンポがよくて、あっさりと変な世界観に引き込まれるのですが、リライト同様こちらも時間軸がわからなくなりますし、登場人物がとにかく多い!相関図と時系列を整理しないと理解不能のひねりにひねったイヤミス作品。


どうしてこんなに色々な人物が入れ替わり登場するのか、最後でようやく納得できます。蓋を開ければ単純なんですが、それを狂気に満ちた世界に仕上げたのはさすが真梨さん。

2006年12月1日、東京で3人の人物が殺され、未解決となっている「12月1日連続殺人事件」。大学生のメイは、この事件を追うテレビ番組の制作会社でアルバイトをすることになる。無関係にみえる3人の被害者の共通点が“祝言島”だった。東京オリンピック前夜の1964年、小笠原諸島にある「祝言島」の火山が噴火し、生き残った島民は青山のアパートに避難した。しかし後年、祝言島は“なかったこと”にされ、ネット上でも都市伝説に。一方で、祝言島を撮ったドキュメンタリー映画が存在し、ノーカット版には恐ろしい映像が含まれていた。(小学館より引用)


だからあなたは殺される/水生 大海

母を亡くした女子高生・優羽は10年ぶりに刑事の兄 正義と暮らし始めます。時を同じくして近所で読モ女子高生が惨殺され、正義は捜査に乗り出すのですが…想定外なイヤミスオチ。


この主人公あまり好きになれないなと思いながら読み進めるも途中まではあまり山場もなく、最後は普通に犯人が見つかるだけかと思いきや、結構な驚きが!!読後は、タイトルとカバーの不気味さに震えます。確かにイヤミスなのですが、何かスッキリもする一冊。

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


ユリゴコロ/水生 大海

人の死を生きる拠り所とする女とその手記に翻弄される男のお話。主人公の亮介が、末期がんで余命わずかな父の家の押入れで見つけた『ユリゴコロ』と題された4冊のノート。そこには、人を殺しても何の痛痒も感じない女性の半生と殺人記録が綴られていました。


手記の中盤あたり、暗くて気持ち悪くて、もう本当に読むのが嫌になったのですが、真実が明かされていくうちに…。


ホラーサスペンスですが、愛の話でもある不思議な物語。読み終わった後のスッキリ感が病み付きになりそうな、暖かいものも残るおすすめの一冊。あれ?確かに面白いんですがよく考えると後味が良いイヤミスですね。

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!(双葉社より引用)


209号室には知らない子供がいる/櫛木 理宇

209号室に住む少年・葵という得体の知れない子供。高級マンションに暮らすそれぞれの家族のほんの少しの隙間に潜り込み支配する…。


気味が悪くて後味も悪いとゆうイヤミスホラー。家族が葵に絡めとられ少しずつ常軌を逸していく過程がコワいんですが不愉快なキャラのオンパレードによる憤りが恐怖を余裕で凌駕します。そして最後まで読むと…イライラが怖さに変わります。

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


いちばん悲しい/まさき としか

背後から執拗に刺し殺された男には妻子があり若い恋人がいた。表紙の感じからは絶対に予想つかない極端なイヤミス。


深夜の路上で刺殺された中年男性。男性の愛人、妻、関係者の女性、とにかくどの人も自分勝手で皆が口にする『私がいちばん悲しい』という言葉、それぞれの視点から怒りを爆発させていきます。


自分が一番悲しい筈だと陶酔しているかのような女性が複数出てきて、ジットリとした不快感、最後の真相がわかってもモヤモヤと後味が悪いですが、読後感の嫌さが絶妙ですごくいい感じの一冊。イヤミスを堪能できますよ!

東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった―。(光文社より引用)


あとがき

後味の悪さを楽しむ、おすすめのイヤミスをご紹介してきました。どの作品も嫌な気分になりつつもページを捲る手のとまらないとても面白い作品ばかりですよ!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

おすすめのミステリー小説 50選!