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辻村深月さんの魅力がぎっしり詰まったおすすめの小説6選!

今回は、幅広い読者からの熱い支持を得ている大人気作家『辻村深月さん』の魅力がぎっしり詰まったおすすめ作品をご紹介していきたいと思います。彼女の描く透明感のあって優しさに溢れた小説を思う存分お楽しみ下さい。

辻村深月さんプロフィール

まずはプロフィールのご紹介から。

1980(昭和55)年生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004(平成16)年に『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビュー。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。 引用:辻村深月 | 著者プロフィール | 新潮社


辻村深月さんのおすすめ小説

  • 表記はタイトル、あらすじ、感想の順になっています。

それでは辻村さんの描く魅力たっぷりの世界を思う存分堪能してくださいね!

1.冷たい校舎の時は止まる

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。(講談社文庫より引用)


辻村深月さんが高校生のころから書き始めたデビュー作でもある『冷たい校舎の時は止まる』は、ミステリーが好きな子に勧めてもらった一冊。読んでいてゾクゾクと不気味でダークな印象ですがそれでもかなり面白い!深月をはじめとした高校生数人が雪が降りしきる校舎に閉じ込められるのですがなぜか止まっている時計…それぞれが高校での生活を振り返り、文化祭の日に自殺してしまった同級生のことを考えます。ですが誰も思い出せません。そして自殺した生徒がこの中にいるのではないかという話になり…これはミステリーなのかホラーなのか、一度はまると止まらない濃密すぎる作品です!


2.スロウハイツの神様

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。(講談社文庫より引用)


お次は『スロウハイツの神様』各分野の売れっ子から卵まで、創作活動をする人たちが共同生活を送るスロウハイツでの物語。上巻では登場人物の丁寧な描写がメインでゆっくりと語られるのですが、キャラクターが全員素敵すぎ!どうして各々をこんな魅力的に書けるんでしょうか?そして、そこに登場する201号室の新しい住人がもたらす何かが変わってしまいそうな苦しい空気感…この全てが下巻のラスト半分につながっていくのがもう凄い!最終章では胸が詰まり、うるっとしてしまいました。はやく続きが読みたい!と思わせてくれるのも辻村深月さんの作品の特徴ですね。

3.島はぼくらと

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと―すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。直木賞受賞、第一作。(講談社文庫より引用)


海の匂いがしてくるような気がする素敵すぎる作品『島はぼくらと』は、瀬戸内海に浮かぶ冴島を舞台に、そこに住む4人の高校生の出会いや別れ、心境を描いた透明感あふれる青春物語。一人一人の生き方や生活がとてもわかりやすくて、まるで島の住民になったかのように読み進めることができて清々しい読了感!辻村作品の良さがこれでもかというほどに詰め込まれた爽やかな作品です!


4.かがみの孤城

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 (ポプラ社より引用)


そして辻村深月さんの新作『かがみの孤城』は、些細なことで、学校での居場所を無くし、行けなくなってしまった少女こころが主人公。部屋の鏡の中に引き込まれ、出会った6人の同じように学校に行けない少年少女たちと出会い…一つの城を舞台としたミステリーになっています。あっという間に物語の世界に入り込んでしまって、最後の100ページくらいからは鳥肌がたちっぱなし、結構深い感動をもたらしてくれた一冊です。特別でない普通の子をこんなに素敵な物語にする力のある辻村さんはやっぱり凄い!


5.名前探しの放課後

依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。(講談社文庫より引用)


『冷たい校舎の時は止まる』と設定が似ている気もしますが、こちらももちろん面白くておすすめです。3ヶ月前にタイムスリップした依田いつかが、これから自殺する同級生が誰なのか仲間と探すお話。あらすじを読む限り、暗く重たい内容を想像してしまいそうですが…清々しい!そして最後、怒涛の伏線回収にはもはや興奮!気持ちよく騙されたいと思う方にぴったりの一冊です。


6.凍りのくじら

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。(講談社文庫より引用)


そして最後にご紹介するのがこちらの『凍りのくじら』です。各作品で登場人物がリンクしているのが大きな特徴でもある辻村深月さんの作品をより楽しむ上でこの小説を最初に読むべきと言われる一冊。ドラえもんの世界を軸に、頭が良いことを自覚している冷めた女子高生の理帆子を中心とした何気ない日常が描かれているのですが、後半からは泣きながら読むことになると思います…そしてラストは…。読み終えてドラえもんが読みたいなあと思いました。


あとがき

いかがでしたか?辻村深月さんの魅力がぎっしり詰まったおすすめの6作品をご紹介してきました。どの作品もとても面白くて心温まる小説ばかりです!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。


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