いろはにほへど

朝起きて本を読んで寝てます。

おすすめの恋愛ミステリー小説 5冊の名作を楽しもう!

今回は、恋愛の要素があるミステリー小説、そのままずばり『恋愛ミステリー』のおすすめ作品をご紹介していきたいと思います。

おすすめの恋愛ミステリー小説

表記はタイトル、筆者、あらすじ、書評の順になっています。それでは『愛』のあるミステリー小説の名作を思う存分堪能してくださいね!

秘密/東野圭吾

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。(文春文庫より引用)


全ては愛する人の為、あまりにも切ない『秘密』。平介はバス事故で妻・直子を亡くしましたが娘・藻奈美は生還します。ところが娘の身体の中には直子の魂が…。


大切な妻娘との事故後の不思議な生活。意識の入れ替わりの話しによくあるようなドタバタではなく、このような状況になったら人はどうするのかが色濃く書かれている作品。『秘密』の本当の意味が分かった時、心が震えました。人を想うとは何か、思いやりとは何か、愛するとはなんなのかを教えられる一冊です。

異邦の騎士/島田荘司

失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、男はその断片的“事実”に戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺した男なのか?そしていま若い女との幸せな生活にしのび寄る新たな魔手。記憶喪失の男を翻弄する怪事の背景は?蟻地獄にも似た罠から男は逃げられるか?希代の名探偵・御手洗潔の最初の事件。(講談社文庫より引用)


島田荘司さんの御手洗潔シリーズ・エピソード0。実質的には処女作ですがインパクトが弱いという理由で長年眠り続けていた作品です。ですので『占星術殺人事件』など先に何作品か御手洗シリーズを読んでからの方がより本作を楽しめると思います。


ベンチの上で目覚めた男は自分に関する全ての記憶を無くしていました。僅かな手がかりを探して町をさ迷い歩く中、ひとりの女性と出会い、恋に落ちます。彼女との生活は幸せなものでしたが、そこに突然、過去の妻子の存在が浮上し…。


途中まで、ミステリ作品?と思ってしまうお話でしたが、終わってみると、ああなるほど騙されたという感じで、ミステリーとしても人間ドラマとしても深く厚みがあって凄く面白い!そして、終盤の展開はかなり切なくて胸を打たれます。ファンの間で熱く支持されている名作。

暗いところで待ち合わせ/乙一

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。(幻冬舎文庫より引用)


描かれているのは、盲目のミチルと殺人容疑で警察に追われているアキヒロの共同生活。お互いの存在に気づきながらも何事もないかのように静かに暮らす物語です。見えてる方も見えない方も不器用で、ふたりの距離が近づいていく感じがとにかく良い!ほとんど会話のない2人の、静かで温かな心の交流にぐっときます。


最初は目の見えない彼女の生活や、殺人を犯して逃げている彼の行動にハラハラドキドキの展開ですが、途中からはどうするのが良いのかわからなくなり、ただただ2人の幸せな結末を祈るばかり。


題名と表紙の装幀の暗さでホラー感もあって、ちょっと読むのを躊躇っている方もいそうな乙一さんの『暗いところで待ち合わせ 』想像以上に面白いので是非読んでみて欲しいおすすめの恋愛ミステリーです。

ユリゴコロ/沼田まほかる

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!(双葉社より引用)


主人公の亮介が、末期がんで余命いくばくもない父の家の押入れで見つけた『ユリゴコロ』と題された4冊のノート。そこには、人を殺しても何の痛痒も感じない女性の半生と殺人記録が綴られていました。この手記の作者は、もしかして自分の母なのか…。


ユリゴコロには、殺人の様子が詳しく書いているので、この辺りは少し気持ち悪く目を逸らしたくもなります。それでも亮介と読み手が重なり合って実際に自分がノートを読んでるんじゃないかと思ってしまうほど没入感が凄い!そしてラスト間際のあの数ページ…暖かいものも残るとても読みやすい良作です。

涙/乃南アサ

「ごめん。もう、会えない」。東京オリンピック開会式の前日、婚約者で刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた萄子は愕然とする。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していたことも判明。挙式直前の萄子はどん底に突き落とされた。いったい婚約者の失踪と事件がどう関わっているのか。間違いであって欲しい…。真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追った。(新潮文庫より引用)


東京オリンピックの前日、萄子の婚約者である刑事・奥田は失踪します。時を同じくして奥田の上司・韮山の娘が惨殺され、現場で奥田の定期入れが見つかります…。婚約者の失踪と殺人事件の謎を追うヒロインとその家族、そして刑事である被害者の父を描いた恋愛ミステリー。


タイトルからしてハッピーエンドではなさそうなんですが、プロローグで萄子が母親になりごく当たり前の生活をしている様子が描かれているので心配することなく読み進められます。


ヒヤヒヤドキドキしながらも先が気になりぐいぐいと引き込まれる内容で、所々にある時代の背景が真実味を増して楽しめます。まるでタイムスリップしたような感覚が味わえますよ。読後はまさにじわじわと『涙』でした。

あとがき

恋愛ミステリー小説おすすめの5作品をご紹介してきました。どの作品もとても面白くグイグイと引き込まれる名作ばかり!気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

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戦慄!おすすめの怖すぎるホラー漫画 恐怖の厳選20作!


出典:©︎ミスミソウ

夜に読んでたら怖くて、昼に読んだけど、やっぱり怖かった…身近にありそうな想像をしてしまったら、もう眠れなくなってしまった…こんな怖すぎるホラー漫画を厳選してご紹介していきたいと思います。ホラー漫画好きの方にも、ちょっとゾクゾクしたいだけの方にも自信をもっておすすめできる傑作ばかりですよ!

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怖すぎるおすすめのホラー漫画

紹介する作品の中にはグロテスクなシーンの含まれているものもあります。なるべく紹介文の中にその旨を記載しておきますが、苦手な方はご注意下さい。それではお気に入りのホラー漫画を見つけて思い切り『恐怖』を楽しんで下さいね。作品は随時更新予定です。

※掲載の順はランキング形式ではありません

恐之本


出典:©︎恐之本

高港基資ホラー傑作選集。エアコンなしで涼しい気分を味わえるこの暑い季節にぴったりの話が満載!あなたを恐怖の世界に誘います…。(SGコミックスより引用)


ありそうでなかった、直球ど真ん中のガチホラー。心霊的な恐怖も扱いながら、人間的恐怖も題材としていて、とにかく『恐怖』を楽しみたい方にはうってつけの作品。


語り口はテレビの『本当にあった怖い話』に似ている気がします。一昔前っぽい絵柄が余計に怖さを際立たせていて、どの話も一回は何かしら『うわあー』ってなります。ホラー漫画好きなら是非読んで欲しい超おすすめの一冊。



死人の声をきくがよい


出典:©︎死人の声をきくがよい

岸田純は死んだ人間の姿が見える高校生。あるとき彼の前に現れた美少女は、行方不明の幼なじみ・早川涼子で…。 日常に忍び寄る恐怖と狂気を描きだす正統派ホラー!!(チャンピオンREDコミックスより引用)


少しノスタルジックな絵がいい雰囲気を盛り上げているオーソドックスなホラー漫画、全9巻。全体的に残虐で狂気的なのですがなんか笑ってしまう感じもクセになる作品。


霊を感じると鼻血を出す主人公と、主人公の側にいつもいる、狂気の餌食となった可愛い女の子の幽霊…1話読み切りで短いのにちゃんと怖いおすすめ漫画。とんでもない勢いで人が死に、同級生も平気で犠牲者になります。グロ気持ち悪くて怖いんですがキャラがかわいい。チャンピオン系は、時折こんなヤバイ感じの漫画があるから結構好きです。



殺戮モルフ


出典:©︎ 殺戮モルフ

白昼の繁華街を襲った悪夢! 下されるのは血に塗れた惨劇の刃!! 暴虐と異常性MAXの殺人鬼の脅威から生き延びろ! ホラー界最恐タッグが贈るスプラッタホラー開幕!!( ヤングチャンピオンコミックス より引用)


2巻に出版社の検閲が入ってグロシーンを黒塗りにしたとかで騒動にもなった作品。白昼の繁華街を襲った恐怖。覆面を被った謎の殺人鬼が白昼人々を惨殺。


そこに遭遇した女子高生・まどかは、間一髪のところで助かり、捕まった犯人は拘置所に入れられた、はずだった…。謎めいた殺人鬼に翻弄されるヒロインと警察官のサスペンスホラー。序盤からかなりグロい描写が続きますので苦手な方は注意して下さいね。


りんたとさじ


出典:©︎りんたとさじ

眼鏡が印象的な青年“りんた”と、明るく情熱的な女の子“さじ”。恋人同士のはずなのに、ふたりはなぜか微妙な関係。それは彼らの行くところ、予想を裏切る恐怖と不条理が待ち受けているから…。繊細で緻密な独特のタッチと、ユニークなキャラクターが新鮮な著者の初コミックス。リアルな現実と、悪夢のような非現実が交錯し読者を奇妙な世界へといざなう、予想を裏切る面白さの異色青春ホラー連作シリーズ。(ソノラマコミックスより引用)


読むと不思議な感覚に襲われる1話完結形式のホラー漫画で、気味の悪い、じんわりとした得体の知れない恐怖を扱ったストーリーです。


関西地方の大学生カップル、メガネ美青年『リン太』と『さじ』の日常に起こる奇妙な出来事が描かれているのですが、なんだか狭間を覗きこんだときのような恐怖があって、背筋がゾオっ。そして音の描きかたが怖い…読んでいて自然と怖くて気持ちの悪い音を思い浮かべてしまいます。レビュー点数も総じて高いかなりおすすめの一冊ですよ。



サユリ 完全版


出典:©︎サユリ 完全版

「僕の家族が、死んでゆく……」伝説的ホラーコミック「サユリ」に描き下ろしエピソードを加えた完全版!(バーズコミックス スペシャルより引用)


こちらの作品、最後にお婆ちゃんの壮絶な復讐劇になるのがただのホラー漫画と違う所。お婆ちゃん、いや、ババア無双のお陰で読後感がスッキリ爽やか。


平凡な家族を襲う悪霊。中古のマイホームを手に入れた父親が前にすんでいた女性怨霊の呪いによって死に、そして次々と家族が死んでいきます。ボケていたお婆ちゃんが正気になって、霊に同じ思いを体験させるために前住んでいた家族を探し、そして…。『サユリ』既読者でも完全版を絶対買うべき!おすすめです。


ミスミソウ


出典:©︎ミスミソウ

廃校が決まっている田舎の学校に転校した春花。最後の卒業生となるクラスで春花を待っていたのは、鬱屈した環境の中、静かに狂い始めたクラスメイトによる陰惨なイジメだった――。(ぶんか社コミックスより引用)


もう一冊、押切蓮介さんの作品をご紹介。『ミスミソウ』表紙は綺麗なのに内容がグロすぎるし、ひたすら暗くて重くて壮絶な漫画。


閉鎖的な田舎に越してきた主人公・春花、虐められ家族を火事で焼き殺され、心が崩壊し復讐の鬼となります。最初から不快な連中が登場して胸糞展開、物語が動いても晴れることはありません。こんな所すぐに離れた方がいいと誰もが思う閉塞的な場所にのこり、自分や家族に手を掛けたクラスメートへの復讐に燃えるいわゆる『逃げない』展開。壮絶で悲惨な鈍器で殴られているような感覚のホラー漫画です。



もののべ古書店怪奇譚


出典:©︎もののべ古書店怪奇譚

忌まわしき古書、買い取ります―――。 寡黙な古書店主と健気な少年、血にまみれた古書を狩る。新鋭・紺吉が描く猟奇的和風幻想譚、登場!(マッグガーデンコミックスより引用)


読むと人を鬼へと変える鬼が書いた本、『鬼書』を巡る二人の鬼の割とグロいホラーミステリ漫画。


古書店を営む正太郎は、読むと鬼になるという鬼書を探して回収する仕事をしているのですが、実は正太郎自身が鬼で…。そして、マスコット的なキャラクターだと思っていた同居の子供・シロが…その正体の見せ方がすごく良かったです。陰惨としているのでメンタルが弱っている時には読んではいけない本。



羊のうた


出典:©︎羊のうた

高校生の高城一砂は、幼い頃に別れた一つ年上の姉・千砂と再会し、高城家に代々伝わる「病」のことを聞く。その「病」は、発病すると「吸血鬼」のように、他人の血が欲しくなるという。やがて発病し、発作に苦しむ一砂に千砂は自らの血を与えるが……。(バーズコミックスより引用)


全7巻完結の暗い…でも雰囲気のいい和製吸血一族のお話。コアなファンの多い冬目景さんの数少ない完結作です。


一族にだけ存在する血液の病気で、血を見ると正気を失う弟と姉。自分の中のものと闘うよくある展開の漫画ですが、登場人物が皆優しくて、だからこそ悲壮感がたっぷり詰まった作品。この静かで陰鬱な雰囲気がたまりません。



カラダ探し


出典:©︎カラダ探し

友人の遥から「私のカラダを探して」と依頼された明日香たち。それは、学校に伝わる“赤い人”の怪談を予感させるものだった――。早くすべてのカラダを見つけなければ、永遠に同じ日が繰り返され、何度も“赤い人”に殺されると言うが…。(ジャンプコミックスより引用)


死の鬼ごっこ、捕まったら死ぬけれどやり直しできるよ。でも死の苦痛は毎回きちんと味わうからそのつもりでね…みたいなつらい展開。絵柄におぞましさがあって、思い切りホラー感が味わえます。


クラスメイトから『カラダを探して』と誘われて始まるんですが、唐突で意味が分からない…それがもう怖い。バラバラにされているカラダを探しながら、赤い人から逃げるという『カラダ探し』にいきなり巻き込まれた数名のお話。毎日死ぬの怖すぎる…。



うずまき


出典:©︎うずまき

女子高生・五島桐絵が生まれ育った黒渦町に、ある日突然、異変が起き始める。つむじ風が舞い、草木の枝葉がとぐろを巻き、火葬場の煙が渦を巻いて上がっていく……そして人間も、うずまき化し始めていく。髪が渦巻く。身体がねじれあがる。カタツムリに変身する……うずまきの呪いから助かるため、桐絵は町から脱出しようとするものの!?閉塞感渦巻く今日の格差社会を予見した、ホラー漫画の古典的傑作は、怪奇漫画家・伊藤潤二の代表作。 (KC KISSより引用)


3巻完結、圧巻の奇想作品。どこからこんな発想が出てくるのかな?うずまきの呪いにかかった町が舞台の物語。


住人はうずまきの形状に見入られ、人間がカタツムリ化し、額に空いたうずまきに自身の身体が飲み込まれる。渦巻いたものにとことん拘るシュールな発想がじわじわと怖くて。まあ、恐怖マンガとギャグ漫画は紙一重ということを教えてくれた一冊です。



不安の種+


出典:©︎不安の種+

階下の暗闇に気配を感じるような、ドアごしの殺した息づかいのような、視界の隅に映りこんだ視線のような、ざらりとした質感、気分、戦慄。(少年チャンピオンコミックスより引用)


短編なので気軽に読めるホラー漫画で4巻完結、トラウマ量産作品として結構話題にもなっていた漫画。すごく短い話が何本もあるスタイルで基本的に絵柄で驚かす感じですが、まんまと驚きます。


ストーリー性はほとんどないのですが、左右非対称の顔、顔のパーツのちょっとした差異、たったそれだけで見慣れたものに物凄く気持ちの悪い印象を受けるものですね…気味の悪さは天下一品の作品です。



座敷女


出典:©︎座敷女

雷のなる深夜、森ヒロシはドンドンという音で目が覚めた。外を覗(のぞ)いてみると、隣の部屋の前に、ロングコートにロングヘアー、紙袋とバッグを提げた異様な大女が立っていた。翌日から、突如その大女に付きまとわれるようになった森。サチコと名乗る女の行動は次第に異常さを増してきた。彼女の目的は何? そして彼女は何者!? ひたひたと迫りくる恐怖に、あなたは耐えられるか? 望月峯太郎の傑作ホラー!(KCデラックス ヤングマガジンより引用)


定番の感がありますがやっぱり面白い望月峯太郎さんの『座敷女』は、なんといっても理不尽!だけどホラーってそういうもの、おすすめの都市伝説系ホラー作品です。


ただ隣の山本くんを訪ねてきた長身の女サチコと目があっただけで、サイコなストーカー行為を受ける大学生のヒロシ。ストーカーにはこじらせた愛情があるけれど、座敷女にそれがあるかといえば、ないんです…怖い。とりあえず夜中にロングヘアーに紙袋下げた女がドアをノックしてきても決して出てはいけません。



夢幻外伝


出典:©︎夢幻外伝

高橋葉介氏の代表作「夢幻紳士」。昭和初期の日本を舞台に、さまざまなシチュエーションに登場する黒衣の探偵「夢幻魔実也」。(あさひコミックスより引用)


大正昭和初期の怪奇事件のお手本のような作品、レトロ怪奇好きのバイブルですね。主人公が、ミステリアスな魔性の美青年ってところもポイントです。


人間のダークサイドに踏み込んだ秀逸なストーリーが多くて、ホラーミステリーマニアには堪らない傑作だと思います。グロが苦手な方にもちょうど良い一冊。



零 影巫女


出典:©︎零 影巫女

女子大生・鷲月沙羅が超常現象カメラマン・龍崎に見せられた一枚の銀塩写真。そこには封印された怪事件を呼び覚ます、あるモノが写っていた……。(講談社コミックスより引用)


ゲームが原作、雰囲気が和風ホラーで良い怖さの漫画。独特のふるくささ、民俗学っぽさや謎…ゾクゾクします。


地元の特別な巫女の血筋である影巫女の少女。大学生の彼女はサークル仲間と共に地元の廃校を訪れることに。地元についた直後から次々怪現象が起きついに仲間の一人が行方不明に…というお話。絵柄に賛否はありますが、ホラーには結構合ってると思います。



切子


出典:©︎切子

17年ぶりに集まった中学の同級生6人。母校で行われる同窓会が惨劇の場と化すとは、その時誰もが思わなかった…。「ハカイジュウ」でモンスターパニック漫画の金字塔を打ち立てた本田真吾、待望の新作!正体不明の異形女子が圧倒的殺意で襲い来る、「呪殺系」ホラーの傑作!!(ニチブンコミックスより引用)


B級ぽいのを少しご紹介していきたいと思います。こちら切子のバケモノ具合が完全にB級ホラー。最初は人と同じサイズですが最後の方はもうゴジラ。1周まわって面白い気がするグロ強めの漫画。


六人の同級生には秘められた過去がありました。それは中三の卒業間近のある日、転落事故で同級生の美少女『切子』が死亡、その不可解な死に誰もが疑問を持っていたのです。その疑問を口にした時…。突っ込みどころは多いけど、ある意味怖い一冊です。



黒街


出典:©︎黒街

引きこもりの高校生・幸一と、バイトを転々とする父は、小さなアパートでふたり暮らしをしている。そんなある日、亡者の群れに出くわして…!? 父と息子とマスク女子。弱者3人のサバイバルホラー!!(少年チャンピオンコミックスタップ!より引用)


3巻完結のつっこみが追い付かないホラー、ホラーなのかな? 確かに現実にあればめちゃくちゃ怖いんですけど、なんだろう?このゆるい世界は…。


リストラされ転々と職をかえる父と息子のお話。切なくなってくる感じだと思っていたら読み進めるごとにホラー。とりあえずゾンビが出てるのに街の人たちは普通に暮らしています。そうとう疲れた時に見る夢みたいで、不思議な面白さがあります。



伊藤潤二傑作集 富江


出典:©︎伊藤潤二傑作集 富江

伊藤潤二傑作集の第1弾は、映画「富江 アンリミテッド」の原作『富江』。デビュー作にして代表作。これを読まずして伊藤潤二を語ることなかれ。(朝日コミックスより引用)


全10巻、伊藤潤二傑作集『富江』、最初は気味悪く思いますが、だんだんと富江の不死身さにシュールさが垣間見えてきます。


BSマンガ夜話で『ギャグと紙一重』とも言われていた本作。リングの貞子や呪怨の佳那子よりも不気味さでは富江が上。 特に危害を加えるわけではなく男子が彼女に惹かれ切り刻みたくなってしまいます。 で、どんなに小さな肉片からでも元の富江が再生します。…こんな感じのおすすめ漫画です。好き。



地獄先生ぬ~べ~NEO


出典:©︎地獄先生ぬ~べ~NEO

あれから十数年……ぬ~べ~クラスの卒業生、稲葉郷子は童守小学校の新任教師に! イマドキの子供たちに四苦八苦する郷子だが、そんな時、ついにあの男が九州から帰還する!! 全てを切り裂く鬼の手で襲い来る妖怪や悪霊から生徒たちを守る! 最強先生、凱旋!!(ジャンプコミックスより引用)


ここらでぬ〜べ〜先生を入れておきます。NEOです。でも作画は驚くほど変わっていません!変わらないってことも大切ですよね。ただ前作は子供向けでしたが連載が青年誌に移ったこともあって育児放棄等、現代特有の教育問題に切り込んでいて切り口が鋭くなっています。


教え子・響子が母校に教師となって戻り、九州にいた鬼の手を持つ教師、ぬ~べ~も戻ってきて同じクラスの担任・副担任に…なお話。今作は教育問題に切り込んだ幽霊が多めです。



絶叫学級


出典:©︎絶叫学級

ようこそ、恐怖の授業へ! 何気ない日常に潜む、もう1つの世界へあなたをご案内します。/1時間目「悪魔のゲーム」地獄のはじまりは、拾ったゲーム機だった… 2時間目「呪いの絆」「憎しみ」で結ばれた少女たちの、血塗られた復讐!! 3時間目「メリーの食卓」苦手なものを食べてくれる人形。敵か、味方か!? 課外授業「優しいママの家」ネットで知り合った理想の「ママ」。その正体は!? (りぼんマスコットコミックスより引用)


少し長めの20巻完結作品、絵は、全然ホラーぽくない可愛くて明るい絵です。ただ、どれも救いようがない。短編で全体的に後味が悪い話が多かったです。


少女漫画のふわふわした雰囲気にそぐわないホラーシーンが突如として入ってきます。安心とみせかけておいて・・怖っ!みたいな感じ。りぼん連載作品とはいえ、ちゃんとホラーしていて大人でも十分楽しめますよ。



モンキーピーク


出典:©︎モンキーピーク

社員の結束を高める為の、登山レクリエーション。雄大な自然を感じる爽やかな山は、夜と共に惨劇の舞台と化す!藤ヶ谷製薬36名が体験した、未体験の悪意とは…!?凍牌の志名坂高次が初の原作を手がけ、俊英・粂田晃宏が入魂の筆致で迫る。戦慄と衝撃の山岳パニックホラー開幕!! (ニチブンコミックスより引用)


登山した製薬会社の社員が、正体不明の猿のような怪物に襲われる、ハリウッド的なパニックホラー漫画。登場キャラがサクサクと殺されて、物語はテンポよく進みます。


研修登山で、大鉈を持った大猿に襲われ次々惨殺されていく社員たち…。理不尽極まりない状況に心臓がバクバクします。大猿もたいがいですが、15cmもある石を握り砕くアメフト部員の強キャラ感。まあ、登山しながら怪物と戦うなんて無理‼︎おすすめです。



ワンダーランド


出典:©︎ワンダーランド

日本のとある街。平穏な日々を過ごしていた高校生のゆっこは、ある朝自分の異変に気付く… なんと、自分の体が小さくなってしまっていた!!動揺するゆっこ。
だがそれは、彼女を取り囲む全てのものが、 巨大化して襲いかかる、恐怖の始まりだった…!! 飼い犬のポコと共に、この混乱した世界に出て行くことになったゆっこ… 果たして、彼女は生き延びることができるのか…!? (ビッグコミックスより引用)


結構なグロ作品、目が覚めたらなぜか小さくなってものすごく大変な目に遭うお話。パニックホラー漫画です。


突然人形サイズまで縮んでしまった主人公。両親や周りの人間も同じ状況で、その地域一帯がガスによって覆われています。小さな動くものに対しての好奇心による飼い猫の猫パンチで、両親が…。カラスが、猫がひたすら怖い。



刻刻


出典:©︎刻刻

佑河樹里は失業中の28歳。家では父・貴文と兄・翼、じいさん三代のダメ男がヒマを持て余している。ある日、甥・真が翼とともに誘拐される。身の代金を渡す期限に間に合わなくなった時、じいさんは佑河家に代々伝わるという「止界術」を使い、世界を“止めた”。 だがあり得ないことに、救出に向かった先で樹里たちは自分たちの以外の“動く”人間に襲撃される。そしてパニックの中、異形の存在「管理人」が現れ、襲撃者の一人の頭を捻り潰した。 (モーニング KCより引用)


全8巻完結、時が止まった世界が舞台というSFチックな世界観のホラー。帯には『水木しげる近年最高点!』という一文もあるらしいです。


時間を止める能力を持つ佑河家と、その止まった時間に侵入する謎の宗教団体・真純実愛会との攻防が描かれています。いい人でも悪い人でも、クシャっと簡単に殺されて怖い。この異様な空気感は寝る前に読むと夢に出ます。



東京喰種トーキョーグール


出典:©︎東京喰種トーキョーグール

“東京”には、或るひとつの「絶望」が潜む…。群衆に紛れ、人間を狩り、その死肉を喰す怪人、人はそれを「喰種(グール)」と呼ぶ。青年が怪人に邂逅したとき、数奇な運命が廻り始める──!(ヤングジャンプコミックスより引用)


かなり話題となっている人気漫画ですね。グールという人を喰らう人種がひっそりと、人に紛れて暮らしている世界設定。内容はグロくて残酷、人間を食すグールのグロテスクさが伝わってきます。


グールの内臓を移植したことで人の肉以外では栄養が採れない体になってしまった主人公。人肉を喰らう狂気の狭間で、主人公が苦悩、決断していく様にはゾクゾクしますよ。とりあえず面白いのは確かなおすすめ作品です。

おすすめファンタジー漫画 15選



あとがき

以上、戦慄!おすすめの怖すぎるホラー漫画 恐怖の厳選20作と題してご紹介してきました。


純粋に恐怖を感じる作品からギャグ漫画と紙一重のものまで幅広くなってしまいましたがどの作品もとりあえず怖いです。気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

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http://www.pony-iroha.com/entry/2018/05/19/190940

1巻完結、1冊で大満足できるお勧めの面白い漫画 傑作15選

みなさんは1巻完結の漫画にどんなイメージを持っていますか?なんとなく物足りないような気もする人も多いかもしれませんが、全然そんなことはありませんよー!むしろ1冊の中に伝えたい事がブレずにぎゅっと詰まっているので、どっぷりとその漫画の世界に浸り思い切り楽しむ事が出来るんです。


今回はそんな一巻完結漫画の中でも、特に完成度がとても高いと感じた作品をご紹介していきたいと思います。どの作品も世界観がしっかりと造りこまれていて大満足出来ること間違いありません!読まず嫌いな人、もちろん大好きな人、誰が読んでもきっと面白いと感じて貰えるはずの超おすすめ作品ばかりですので是非目を通してみてください。

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面白い!おすすめの一巻完結漫画

ラブコメから青春モノ、ファンタジーまで様々なジャンルの、ストーリーものから短編集までまんべんなくご紹介しています(短編集が多い気もします)。お気に入りの一冊を見つけて思い切りその漫画の世界観を楽しんで下さいね。作品は随時更新予定です。ごゆっくりどうぞ!

うどんの女


出典:©︎うどんの女

「好きです」……うどんが。バツイチ出戻りの村田チカ(35)の仕事は学食の「うどんのおばちゃん」。連日、うどんオンリーの男子学生・木野(21)と目が合うようになり──。ビンボーなの? うどんが好きなの?それとも私のこと……!?年上女と草食男子の、じれったいほどの年の差ラブコメディ。(Feelコミックスより引用)


安くて庶民の味方のうどんがまさかこんな…大学の学食でいつもうどんを食べる男子学生と、そのうどんを作っている厨房の女性とが、うどんを挟んで何となく意識し始めて、妄想が進み出す様子が面白いラブコメ。


確証を持ってみたり、がっかりしたり、お互いの妄想と現実が交差します。最初からジワジワ来る良い二人の距離感。まさかうどんで一冊話を持たせるとは思わなかったのでびっくりしたおすすめ漫画。『このマンガがすごい』2012のオンナ編で第3位を獲得した作品です。



ネムルバカ


出典:©︎ネムルバカ

大学の女子寮で同室のセンパイ&コウハイ。バンド活動に打ち込むセンパイは、いつも金欠ピーピー状態。これといって打ち込むもののないコウハイは、とりあえず「古本MAX」でバイト中。ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする「大学生」という不思議な時間…。ぐるぐる廻る青春のアレやコレやを描いた大学生日常ストーリー♪(リュウコミックスより引用)


何かしたいけど何ができるかわからない、学生のモラトリアム期(社会人になる自信がなくて大学の卒業なんかを延ばしている)を暖かい視点で描いている作品。夢を追いかけ続けている鯨井先輩とテンプレ大学生である入巣さんの対比でそれが上手く表現されています。


内容としてはひねった感じを予想していましたが結構直球で大学生がうだうだしています。でもそこからの流れが最高すぎる!けだるい雰囲気から始まってラストの爽やかなネムルバカ。何回でも読み返せるおすすめ漫画です!



外天楼


出典:©︎外天楼

外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!(KCデラックスより引用)


もう一冊石黒正数さんの作品をご紹介。ギャグ、ミステリ、SF、サスペンスと様々なジャンルをこれでもかと詰め込んでしかもたった一冊で見事に伏線回収を行っている凄い漫画。


前半の登場人物たちのたわいない日常から、オムニバス形式で話がだんだんと繋がって一つの大きなお話になって行きます。ミステリーではよくあるのですが、漫画では初めて見ました。万人ウケするのかどうかは分かりませんが、すさまじい完成度のおすすめの一冊です。


アンダーカレント


出典:©︎アンダーカレント

ほんとうはすべて知っていた。心の底流(undercurrent)が導く結末を。夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。 映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。(アフタヌーンKCDXより引用)


作品紹介の通り素敵な映画を一本見終わった時のような読後感。哀愁漂う人間ドラマが描かれた完成度の高いおすすめの漫画。


失踪した夫の帰宅を待ちつつ銭湯を営業する女性と周囲の人々のお話。パッと目立つ様な絵柄ではないところも、物語の中心でもある心理描写を引き立てていると思います。



珈琲時間


出典:©︎珈琲時間

コーヒーがあるだけで、世界はこんなに美しい。「コーヒー」をモチーフにした芳醇な短編集。チェロ弾きの女性が出会った、怪しいイタリア人(?)。映画監督を名のり、コーヒーをたかる彼の振る舞いはいかにもうさんくさいが……? 登校拒否の少女が一人暮らしの叔母を訪れ、いっしょに生豆を焙煎し淹れたてのコーヒーを味わう……。などコーヒーにまつわる様々な物語を17編収録。(アフタヌーンKCより引用)


豊田徹也さんの作品ももう一冊。珈琲に纏る悲喜交々をユーモラスに、シリアスに、時にブラックに描いたおすすめの17話収録短編集。1話あたり12ページと短めで、基本的に軽やかな作風なので凄く読みやすいです。もちろん、え?終わり?ってなることもありますが…。


率直にコーヒーのネタがここまで味わい深いものとは思いませんでした。また読み直したくなる不思議な雰囲気を醸し出した傑作だと思います。この漫画を読める上質な時間のお供にはぜひ珈琲を。



バス走る。


出典:©︎バス走る。

バス停から切り取られた、淡くて優しい恋模様。『バス走る。』 ファン待望の単行本化!本誌未掲載のエピソードに加え、傑作短編を2本収録!(BUNCH COMICSより引用)


バスにまつわる短編集。どの話も爽やかでサラッとしているのにとっても印象深い作品ばかり。優しいタッチの絵柄と水彩のイラストがストーリーの透明感を際立たせています。


大きな力に流されるしかない2人。繋げない手。見つめあう瞳。ひたむきに相手を思う心。どの作品もドキドキしながら読んで最後にはキュンとなる読めば幸せな気分になれる一冊です。バスは想いを乗せて走る。



アイリウム


出典:©︎アイリウム

1錠飲めば1日分の記憶を飛ばすことができる薬、アイリウム。薬が効きはじめると、他人から見れば意識もあり普段通りの生活をしているように見えて、その間の記憶がまったくなくなってしまう。つまり、嫌な思いをする出来事の前に飲んでおけば、その事を思い出すことなく日常生活が送れるのだ。記憶を薬でコントロールできるようになった時、その人の生はどんな彩りになるのか…。(モーニング KCより引用)


1錠飲めば24時間の記憶を喪失することができる薬、アイリウムの短編集。ほろ苦なヒューマンドラマもあればママ友会を舞台にしたドロドロもあったりとバラエティに富んだ作品集。


アイリウムに頼る人間を描いたオムニバスなのですが、カラクリが分かっているだけに最初の1・2話目以降は新鮮さに欠けてしまった感じが少し残念。負の感情に対しての洞察と切り込み方が凄くて結構どれもテンションの下がる漫画…まあ面白いんですけどね。



ききみみ図鑑


出典:©︎ききみみ図鑑『視える音』より

「僕は音楽が嫌いだ」。高校生の智原くんは、音楽が目に見えることで周囲から変わり者扱いされ、すっかりひねくれていた。ところが或る日、ひとりの少女が奏でるギターから、とびきり素敵な生き物が飛び出してきた……!宮田紘次の初連載作が、待望の単行本化!コミックビーム誌上に掲載された“音”にまつわる8本の読切作品と、人気の高かった第1話「視える音」の後日談を収録した嬉しい1冊。(バンブーコミックスより引用)


音楽にまつわる連作短編集。この漫画、台詞も効果音も書かれてないのに『音』がわかるんです。もちろん漫画で音を聞くことはできませんが、リズムを感じることはできるんです!


連続するコマの瞬間の切りとり方やコマの配置、構図やアングルのとり方でリズムは変わり、爽快なリズムを奏でます。ストーリーを追うだけではなく気持ちの良さを体感できる漫画。ワクワクできる1冊ですよ。


GOTH


出典:©︎GOTH

天才・乙一の本格ミステリーをコミック化! 人間の暗黒部分に惹かれる主人公「僕」と森野夜。森野の死体を夢見る「僕」は彼女の禁断の過去へ遡る…。(角川コミックス・エースより引用)


人間の暗がりを常に求める僕と夜のなかなか猟奇的なお話。乙一さんの小説がうまく要約され、雰囲気もそっくりそのまま再現できていて、上手くコミカライズされていると話題にもなった漫画です。


残酷な描写が酷く淡々と当然のように描写されているので、グロ耐性がないと辛いかもしれませんが、この漫画を一言で表現すれば『グロいのに美しい』…いけない欲望を駆り立てられる感じです。


ひかりのまち


出典:©︎ひかりのまち

駆け出しの漫画家・野津は、自分の描く漫画に行き詰まりを感じていた。そして、締切が迫っているにも関わらず、学生時代の友人たち(全員フリーター)とついつい夜遊びしてしまう始末。そんなある日、野津は彼女のさよちゃんと一緒に“ひかりのまち”と呼ばれる新興住宅地へ取材に訪れるが。(サンデーGXコミックスより引用)


新しく綺麗な住宅地・ひかりのまちに住む人たちの、泥臭い日常と非日常を垣間見る短編集。人々の負の感情が溢れていて、爽快感とかはあまり無いのですが、突き付けられるリアリティがあります。


なんの変哲もない一つの街で起こる様々な出来事は、最後に全てが繋がって『生きること』とは何かについて少し考えさせられます。ネットでは叩かれたり称賛されたり忙しい、浅野にいおさんの初期の名作です。



竜のかわいい七つの子


出典:©︎竜のかわいい七つの子

竜と人、人魚と野球少年、神様と小学生――それぞれの絆を題材とした過去の6作品に加え、全38ページの新作描き下ろし作品を収録。笑いあり、涙あり、きっとあなたが忘れていた、親と子の絆を思い出す7つの物語。(ビームコミックスより引用)


『ダンジョン飯』の九井諒子さんが、色々な世界を自在に操って魅せてくれる短編集。ちょっと不思議で独特な世界観が素敵すぎます。


竜、人魚、狼男、神様、日本昔話風など色々な話が詰まっていて、1話ごとにまったく違う世界を創りあげています。異世界をうまく日常に組み込んでいて、違和感なく架空生物を受け入れられるのも凄い。心地よく現実逃避できる超おすすめの漫画、一冊の満足度がめちゃくちゃ高いですよ!それから同作者の『ひきだしにテラリウム』もかなりおすすめです。


ハルコイ


出典:©︎ハルコイ

心を桜色に染めるハートフル短編集。結婚を夢見て揺れる心に響く「指輪の片想い」。情熱が生まれる瞬間に出会う「美彩食堂」。春の始まりのような恋が薫る「ハルコイ」。つないだ手の温もりが甦る「ななつの約束」。末次由紀が贈る、切ないほどに優しい愛の物語。(BE LOVE KCより引用)


帯に涙なしには…と書いてあってまさかねと思ったら全部の話でうるうるしていた本。いろんな恋のお話が詰まった『ちはやふる』の作者が描く珠玉の4話短編集です。


派手なドラマ性はないのですが、だからこそキャラクターの心情描写の繊細さが光る名作。どの話も最高なんですが私個人がいいなと思ったのは、すっぴんでも酷い手荒れをしていても一生懸命全力で食堂を立て直した美彩ちゃんが素敵な『美彩食堂』がおすすめ。桜の季節がちょっと切なくなる一冊です。


終末のラフター


出典:©︎終末のラフター

世界に闇が訪れ、滅びを迎えた時代。人々に憎まれながらも生きる「悪魔」と呼ばれる者たち。彼らはどうして生まれたのか?その目的は?悪魔として生きる一人の青年とその妹。二人がある街を訪れたところからストーリーは始まる…。(少年サンデーコミックススペシャルより引用)


かつて世界を恐怖に落とした白い悪魔は倒されるも、その後悪魔の口と呼ばれる紋様を持つ不老不死の人間が各地に現れる…。1巻で終わってしまうのがもったいなく感じるくらい、キャラも設定も世界観もきちんと作られているダークファンタジー。読後も思わず物語のその後を考えてしまいます。


何が正義で何が悪なのかを読者に探らせる良作で、更に書き下ろしが話に深みを与えています。ダークファンタジーが好きな方は、評判など気にせずにとにかく読んでみることをお勧めします。

おすすめのファンタジー漫画 15選



運命の女の子


出典:©︎運命の女の子 『無敵』より

少女の周囲に、死体の山が築かれていく――。女刑事が大量殺人犯と対峙するホラーサスペンス『無敵』。誰もが自分を愛した。そう、彼女以外は……。苦い初恋の呪縛から逃れられない青年をリリカルに描く『君はスター』。世界を救えるのは、祝福を受けなかった私だけ。使命を背負わされた少女と少年の冒険譚。(アフタヌーンKCより引用)


それぞれ異なる作風の3つの短編集です。最初の女の子は怖い。 二番目の女の子は賢い。 三番目の女の子は何にもしてないけど、私はこの話が好きかな。


どれもまさに運命の女の子のお話でぴったりなタイトル。思春期の残酷さと自己愛と拒絶と孤立と共感とピュアさが入り混じった漫画です。そして3作品それぞれの読後感が全然違うので、その振り幅も楽しむ事ができますよ。それにしても『無敵』がもし3作目だったら、怖すぎて夜寝れなかったかも…ってくらい怖い。



サンドランド


出典:©︎サンドランド

幻の泉をみつけだせ!! 魔物も人間も慢性の水不足にあえぐ砂漠世界で、悪魔の王子・ベルゼブブと元天才軍人・シバが強力タッグを組み、水源を求めて冒険に旅立った!! 灼熱の荒野で彼らを待ち受けるのは!?(ジャンプコミックスより引用)


みんな大好き鳥山明さんの描く短編集。これぞ少年漫画といった感じ。ドラゴンボールの天下一武道会までのような楽しさを追体験できる作品です。


水不足に苦しむ砂漠の世界、保安官ラオが悪魔王子ベルゼブブと魔物シーフと組み、幻の泉を探す冒険アクション。緻密に描き込まれた絵としっかりと立ったキャラクターたち、1人で手書きで描き上げた純度100%の鳥山漫画というだけでも大満足の一冊!



アオとハル


出典:©︎アオとハル

高校3年進級時、仲良しとクラスが別になってしまったハルオは、ぼっちな毎日を過ごしていたが、孤独をごまかすためにたどり着いた図書館で美少女・アオに出会う。 だがアオには壮絶な家庭環境があった……!? 胸に突き刺さる青春ラプソディ!(YKコミックスより引用)


ここからは少し面白いのベクトルが変わります。高三のハルが出会った冷めた視線の可愛い女子高生・アオは昔ハルが暴力から救った女の子だった..。メインの男女二人の周りはDVなどかなりヘビーな感じの青春モノ。


最初の方はラヴコメタッチなのですが、途中からは絵柄にそぐわず、とにかく気分が悪くなるくらいの不条理と暴力と無力感の連続で少し覚悟して読んだ方がいいような気もします。ここまで痛みを描く青春モノはある意味貴重だと思いおすすめします。


ちーちゃんはちょっと足りない


出典:©︎ちーちゃんはちょっと足りない

あれも欲しい、これも欲しい…。いつも何か物足りない気がする中2女子、ちーちゃんとナツ。少し不満で平凡な毎日は、ある事件をきっかけに揺らぎ始めて?(少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!より引用)


想像以上に胸に突き刺さるインパクトのある鬱漫画。みんなただただ一生懸命生きているだけなのに、なんでこんなに『未来がない』ところに追い詰められてしまうんでしょう。


幼いちーちゃんと、平凡だけど真面目で心優しいナツと、頭がよくてシニカルな旭ちゃんの、ほのぼのした中学生活を描いた漫画…途中から崖に突き落とされたような気分になります。読んだら確実にブルーになるのになぜか読んでしまう…共感と反発と、怒りと悲しみと、どうしようもないやり切れなさにかられるすごい漫画です。


神様がうそをつく。


出典:©︎神様がうそをつく。

転校先の学校で、同級生・理生(りお)の秘密を知ったなつる。少年と少女の、幼い恋と冒険の物語。――七尾(ななお)なつるは東京から転校してきた小学6年生。クラスの女子に無視され、サッカーチームの新任コーチともソリが合わない。そんな時、大人びたクラスメイト・鈴村理生(すずむら・りお)の、誰にも言えない秘密を知ることに……。夕立、お祭り、「とうふ」という名の白い猫。小学校最後の夏。ふたりの、ひそやかな冒険が始まる。(アフタヌーンKCより引用)


読後感の良い作品に戻ります。『神様がうそをつく』どこか悲観的にも聞こえたタイトルが、読み終えた後は優しく聞こえる作品。


序盤小6の男女のひと夏のお話から一転、大人でも驚きの展開が…。2人の不安な気持ちや、束の間の安らぎにすっかりと引き込まれてしまいました。ものすごくヘビーにもなりうる題材を、前向きに爽やかさに徹して描いている傑作。おすすめです。




あとがき

爽やかな青春漫画から鬱漫画まで、とにかく面白くて満足出来ること間違いなしのおすすめ『1巻完結漫画』をご紹介してきました。1冊ですので何処にでも持ち歩けるという利点もありますよね、お気に入りの場所で魅力たっぷりの漫画の世界を思い切り愉しんでみてはいかがですか?気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。

読みやすくて面白い歴史・時代小説 おすすめの10冊!

小説のジャンルの中でも人気の高い『時代小説』ですが、少し難しそうでとっつきにくいという方も多いと思います。そんなあなた!損していますよー!いざ読んでみると想像以上に面白いんです!今回は歴史・時代小説の魅力を充分味わってもらう為、読みやすくて面白い作品ばかりを、新作・名作・人気作の中からよりすぐってご紹介していきたいと思います。どれもサクサク読めてどっぷりとはまれる作品ばかりですので是非参考にしてみて下さいね。

読みやすくて面白い時代小説

超おすすめの時代小説ばかりですので、是非お気に入りの作品を見つけて下さいね。

関ヶ原/司馬 遼太郎


出典:©︎関ヶ原

東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか。(新潮文庫より引用)


人間模様を描いた司馬文学の真骨頂と言われる作品。映画化もされるということで話題になっていますね。戦国大名の姿が目に浮かぶようなわかりやすくて活き活きとした描写、そしてキャラクターが独り立ちして、グングン引っ張る面白さ。時代小説をほとんど読んだことがない方にも、とても読みやすい作品だと思います。


上・中・下巻からなる壮大な物語の本作では、歴史上最も有名な合戦の中で各武将の頭脳戦が繰り広げられます。いつにもまして極悪な徳川家康、どうすれば家康の野望を止められるのかついつい一緒に考えてしまいますよ。この面白さ、もちろんおすすめです。


漂流/吉村 昭


出典:©︎漂流

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ。(新潮文庫より引用)


鳥島に流された江戸時代の土佐の船乗りが、12年の歳月をかけて島から脱出するまでを実話を元に書いた作品。スピッツの草野マサムネさんも絶賛していました。


島は岩だらけ、植物は育たず水もないあほうどりの群棲地。仲間たちは次々死に、水主長平はただ一人となり生存をかけた壮絶な戦いが始まります。淡々としてシンプルな文体にかえって恐ろしさがあり、過酷さがひしひしと伝わってきました。圧倒的な臨場感で情景が迫ってくるおすすめの一冊です。


蜩ノ記/葉室 麟


出典:©︎蜩ノ記

豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり…。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説。(祥伝社文庫より引用)


第146回直木賞受賞作。江戸時代の大分の藩、切腹を命じられた日を迎えるまで丁寧に日々をすごす秋谷と家族。実直なまでの武士の心や生きざまが描かれ、心に残るおすすめの小説。


こちらの作品はなんといっても描写が綺麗。ひぐらしが鳴き始める初夏の日に、命の終わりは知りながらも凛と生きる武士の姿、竹林の静けさ、山々の情景がとても美しく描かれています。友情や愛、人生などたくさんのテーマが一つに絡み合って胸を打つ感動的な作品です。


黄砂の籠城/松岡 圭祐


出典:©︎黄砂の籠城

一九〇〇年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が勢力を増していた。暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲する義和団。足並み揃わぬ列強十一ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官・柴五郎率いる日本だった。日本人の叡智と勇気を初めて世界が認めた、壮絶な闘いが今よみがえる。(講談社文庫より引用)


1900年の北京。義和団に囲まれた列強を日本がとりまとめて立ち向かったというお話。ミステリー作家が史実を元に書いた初めての歴史小説ということでミステリー要素もあります。


教科書で見たこともあるような気もする義和団の乱、北京でこんな籠城状態になっていたとを本作で初めて知りました。迫る義和団の緊張感が伝わってきてとても読み応えのある作品です。そして、全体を理解し調和しようとする日本人が世界で理解されにくいという状況はこの時代からあったということが良く分かります。


あきない世傳 金と銀/髙田 郁


出典:©︎あきない世傳 金と銀

物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―(角川春樹事務所より引用)


大ベストセラー作『みをつくし料理帖』の著者が描く新シリーズで、今度は大阪商人のお話。 享保17年、学者の家に生まれながら飢饉と病気で兄、父を相次いで亡くしたために、父が最も嫌った商人の家に奉公にでることになった9歳の女の子の物語。


そんな幼い彼女の奉公先は始終ゴタゴタ続き。次々と襲いかかる試練の数々と、それを懸命に乗り越えていこうとする姿は心をうつものがあります。みをつくしに続いて、また追いかけたい女子に出逢ってしまいました。


影法師/百田 尚樹


出典:©︎影法師

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は竹馬の友、彦四郎の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。(講談社文庫より引用)


百田尚樹さんの書く時代小説。やっぱり面白いエンタメ小説に仕上がっていてさすがだなと感心の一冊。江戸時代の武士の生き様を描いたおすすめの作品。


真っ直ぐな武士の立身出世物語なのですが、その人生の岐路で迷わずに上り詰めたのは彼だけの力ではありませんでした。それは堕ちたようにみえたかつての友の何の見返りも求めない影の献身。とても読みやすい涙の感動作です。


まるまるの毬/西條 奈加


出典:©︎まるまるの毬

親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨てて職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永とひと粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。(講談社文庫より引用)


娘お永と孫娘お君の三人で店を切り盛りする江戸時代の菓子職人のお話。章ごとにほっこりとした話と、食べたくなるような御菓子が出てくる時代小説です。


ぎりぎりの儲けで、日替わりで様々な菓子を庶民価格で提供している和菓子屋が舞台の人情物語。和菓子がとても美味しそうで興味深く読んでいたら思わぬ展開に…面白いですよ。お茶とお菓子を用意して、ゆっくり読みましょう。


野火/大岡 昇平


出典:©︎野火

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作。(新潮文庫より引用)


結核ゆえに部隊から見放された兵隊が野戦病院からも見放され彷徨する。孤独や飢えに苛まれ、兵隊の心には狂気が宿っていきます。それをかろうじて食い止めたのは信仰心だった…。


『人は要するに死ぬ理由がないから、生きているにすぎない』この話に一切の救いはありません。 戦闘場面ではないからこその戦争の深淵な悲惨さや人の残酷さ、人の尊厳などが思い知らされます。なかなかヘビーな内容ですが、年に1度くらいこんな気持ちになるのも悪くないと思います。戦争文学の傑作ですね。


荒神/宮部 みゆき


出典:©︎荒神

時は元禄、東北の山間の仁谷村が一夜にして壊滅状態となる。隣り合う二藩の因縁、奇異な風土病を巡る騒動…不穏さをはらむこの土地に“怪物”は現れた。仁谷擁する香山藩では病みついた小姓・直弥や少年・蓑吉らが、香山と反目する永津野藩では専横な藩主側近の弾正や心優しきその妹・朱音らが山での凶事に巻き込まれていく。恐るべき怪物の正体とは?交錯する北の人々はそれぞれの力を結集し、“災い”に立ち向かう!(新潮文庫より引用)


五代将軍綱吉時代の東北小藩を舞台にした作品。シリアスな場面とくすっと笑える場面がバランス良く配置されていて、登場人物も大半がいい人なのでサクサクと読めます。


内容は、怪物が人間を襲うスペクタクルに東北の敵対する小さな2つの藩の人間ドラマを絡めた感じ。・・え?怪物?実は江戸時代版シン・ゴジラとの呼び声も高い、歴史小説にファンタジーを足したような作品なのですが、読み始めたらやめられません。宮部みゆきさんらしく読みやすくわかりやすい文章でものすごく具体的に怪物の姿が思い浮かびますよ。


火怨/高橋 克彦


出典:©︎火怨

辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。八世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弓流為は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。(講談社文庫より引用)


岩手出身の作家が描く、平安遷都の少し前の東北を舞台に、蝦夷が朝廷軍から楽土を守る物語。蝦夷が一丸となって無謀と思われる兵力差を覆し、朝廷軍を蹴散らしていく様は爽快。


いくつもの部族を束ねたのは、まだ若いアテルイ(阿弖流為)。どこまでが史実で、そこまでがフィクションなのかはまったくわかりませんがアテルイは東北では有名な英雄なのだそうです。上・下巻からなる本作、ダイナミックな物語で面白いですよ。


上杉鷹山/童門 冬二


出典:©︎上杉鷹山

灰の国はいかにして甦ったか。九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷メシ派を登用し改革に乗り出す。藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人びとの心に希望の火種をうえつけてゆく…。(人物文庫より引用)


多大な財政赤字に陥った米沢藩の再建に挑む、17歳の青年藩主のお話。 これを読めばジョン・F・ケネディが尊敬する日本人として上杉鷹山を挙げた理由が納得できます。


若いながらも改革に着手せざるをえない上杉鷹山。改革反対派の嫌がらせは読んでいて腹も立ちましたが、それでも領民を守るため『種火』を広げ努力します。藩士たちへの素直な詫び、激励、そして改革の火に油を注ぐための献杯…上に立つ者としての大切な心構え・人が持つ心情が上手く描かれ読んでいて楽しかったです。上・下巻からなる伝記であり歴史小説でありビジネス書でもあるちょっと凄い一冊。おすすめです。


家康、江戸を建てる/門井 慶喜


出典:©︎家康、江戸を建てる

「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた…。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!(祥伝社より引用)


秀吉の策略で江戸に国替えさせられた家康によって未開の地だった江戸が、現在の東京へとつながっていく基盤を作る様子が描かれた作品。奮闘する家臣や技術者達にスポットを当てた連作短編集となっています。


水浸しの低湿地だった江戸を利根川の流れを変えて治水工事をしたり、小判を作って経済の土台を作ったり、天守の外壁を白くした理由までわかります。新しい時代を作った人の観点はおもしろいなあととにかく感心。困難を乗り越える爽快感も最高です。うん、家康が天下をとってくれて本当に良かった!


のぼうの城/和田 竜


出典:©︎のぼうの城

戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。(小学館文庫より引用)


石田三成2万の軍勢に、たった2千で立ち向かった男がいた─。ゾクゾクするようなあらすじの先に、こんなにも面白くて、感動的な物語が詰まっていたなんて!痛快感・爽快感が最初から最後まで止まらない史実を元にしたおすすめの時代小説です。


のぼうと揶揄される城代の主人公が、石田三成の大軍と如何に戦ったかというお話。 戦どころか、田植えもできない不器用なのぼう様が農民達に慕われるシーンには思わずほろり。 上・下巻からなる作品ですが、各巻ともページ数が少なめで内容の濃さの割にはコンパクト。


あとがき

読みやすくて面白いおすすめの歴史・時代小説を厳選してご紹介してきました。一見難しそうなジャンルですが感動・爽快感・ワクワクやドキドキがたくさん詰まった時代小説。一度読めば絶対にハマります!気になるものが見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

穏やかなラブストーリー、大人の恋愛を描いたおすすめの漫画


楽しいだけの恋とは少し違う、キュンキュン・ドキドキワクワクは少なめかもしれませんが、ほろ苦くて、静かで穏やかな大人の恋愛を、漫画の世界で味わってみませんか?

はじめに

ほのぼの、ニヤニヤ読むだけで幸せな気分を楽しめるとおもいますよ。大人のラブストーリーを描いた漫画の中でも特におすすめの作品を厳選してご紹介していきたいと思います。


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大人の恋愛を描いたおすすめ漫画

お気に入りの漫画を見つけて思い切り穏やかなラブストーリーを楽しんで下さいね。作品は随時更新予定です。

Bread&Butter/芦原 妃名子


出典:©︎Bread&Butter

柚季は、ある事件をきっかけに教師を辞め婚活をはじめるがうまくいかない。自信をなくしかけた矢先、文具店の片隅でパンを焼く風変わりな洋一と出会う。少しずつ優しく分かり合っていく、大人の恋の行方は?(マーガレットコミックスより引用)


婚活中の34歳元教師と謎多き39歳パン屋さんのお話。文房具店なのにパンも売っているお店に買い物へいったら、なぜか店主と婚約することに。出会いや展開は若干ファンタジーですが、緩やかな気持ちの変化は自然でリアル。絵の雰囲気とか話の展開とかとてもゆったりとしていて大好きな漫画。


甘酸っぱい恋愛話ではないですが、挫折とか大人の事情なんかを含めつつ少しずつ寄り添っていく2人の間に流れる穏やかで優しい時間が、読んでいていいなーと思います。まさに大人の恋ですね。それからもう一つ魅力なのがたくさん登場する美味しそうなパン!読後は絶対にパンが食べたくなりますよ。



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カツカレーの日/西 炯子


出典:©︎カツカレーの日

同棲相手と別れ、お見合いを始めた会社員・美由紀、28歳。だが、思うような相手とはなかなか巡り会えず、揺れる想いを読書カフェのノートに書き綴っていた。そこに見知らぬ男からの辛辣な返事が書き込まれていたことから、やりとりが始まって・・・!?(フラワーコミックスアルファより引用)


西炯子さんの代表作ともいえる『娚の一生』や『姉の結婚』のように長い物語が始まると思ったら2巻完結と結構あっさりめの作品。恋愛結婚だったのにあっけなく離婚し、散々苦労して若くして亡くなった両親。それを見て育った美由紀はお見合い結婚に将来を賭けます。


愛を信じられないOLが恋愛や結婚について悩みながらも人と出会い答えを見つけ出していくお話で、この作品の肝となるのがイケメンな50代のオヤジと主人公のやりとり、そしてそれに伴う主人公の悩みや心の揺れ動き。淡々としていますが心にじわじわ響いてくるものがあって最後には泣いてしまいました。カツカレーが食べたくなったので夕飯はカツカレーです。


願ったり 叶ったり/和久原 にこ


出典:©︎願ったり 叶ったり

自分のことを平凡なOLだと思う琴音は、きらきらしたものや、不思議なものに対して興味津々。そんな中、社内のイケメン上司・獅子堂が謎の「恋愛地蔵」であることが発覚!彼に願えば、たちどころに恋が叶ってしまうという噂を聞き、琴音は獅子堂をたずねてゆく。「恋愛地蔵」って何!?そんなナナメ上の興味をむき出しにした琴音に、獅子堂もたじたじで…?そして琴音がまとわりつくうちに、獅子堂の秘密が明かされてゆく…ちょっと不思議な年の差ラブの結末は…!?(フラワーコミックスアルファより引用)


1巻完結済。キラキラしたものや不思議なものに対して強く惹かれる新入社員の琴音(23歳)が出逢ったのが、『恋愛地蔵』と言われる獅子堂さん(35歳)。そんな2人の年の差ラブが描かれています。彼を甘やかしてあげたいと、空回りしつつ頑張る琴音がすごく可愛いくてなんだかほのぼの。


そして、クールな獅子堂さんが照れながらも彼女を大切にするところも素敵で思わずオヤジ萌え、ニヤニヤしながら読みましょう。オマケの4コマにも2人の可愛さ凝縮です。



30デビュー/安倍 夜郎


出典:©︎30デビュー

恋より大事なことでいっぱいいっぱいだった20代。30にして婚活デビューした律子に紹介されたのはまさかの超イケメン!!…と思ったら、とある事情で「彼女」ではなく「彼女のフリ」をしてくれる女募集中の男性・浩二郎だった。なりゆきで引き受けてしまう律子だったが、意外と二人は気が合う。しかし浩二郎は実は片想いしていて、しかもその相手は自分と正反対の女性…そのことに気づいた時、律子は…!?(フラワーコミックスアルファより引用)


いかにも大人の恋愛という感じで落ち着きのある4話のラブストーリー短編集。それぞれのヒロインの性格がワンパターンでないところが秀逸、どの話もハッピーでこのエンディングが最良と思える構成だから気持ちよく読めます。


短編集と言えども194ページあるのでどのお話しも、しっかりとしたストーリー。大人の恋愛だからこそ、言葉で上手く伝えられなかったり、伝わってるつもりで誤解して…といったお話が多めです。恋愛下手な大人にイライラしそうですが、その感じが絶妙で面白いですよ。



きょうは会社やすみます/藤村 真理


出典:©︎きょうは会社やすみます

花笑は33歳の誕生日を彼氏いない歴33年&処女歴33年のまま迎えてしまった。大学1年のときに、1度だけあったチャンスを逃してしまったことを未だに悔やみながら、処女をヴィンテージレベルまでこじらせた花笑に、誕生日の奇跡が起きる!?(マーガレットコミックスより引用)


人生初一回り年下彼氏ということでピュアというか大人の恋愛感は薄めな気もしますが、33歳仕事が出来て彼氏ができたことなしのはなえさんに、二十歳そこそこのイケメン彼氏ができるお話。現実とかけ離れすぎない距離感で現実ではあり得ないキュンなシーンとストーリー展開が結構好き。


全13巻完結とまあまあの長さなので途中、引っ掻き回す脇役女子の登場なんかもありますが、最後はハッピーエンドで幸せな気持ちになれますよ。キュンキュンが多めの作品です。



にこたま/渡辺 ペコ


出典:©︎にこたま

いい年齢(トシ)だけど大人じゃなくて、仲良しだけど踏み切れなくて……私たち29歳で最後の思春期迎えます。交際9年・同棲5年の浅尾温子(あっちゃん)と岩城晃平(コーヘー)。仕事、結婚、子作り、アレコレ……三十路直前に訪れた最後の思春期。(モーニング KCより引用)


5巻完結で読みやすい、長年の同棲恋愛のお話。絵が綺麗でほんわかしてるからといって軽い気持ちで読むと、なかなかヘビーでジメジメしていて結構衝撃をうけてしまうと思います。主人公のあっちゃんの背負うものが多すぎて、胸が締め付けられる感じ。


問題は同棲相手の晃平、女性向け漫画なら多分こんなカッコ悪いヒーローはいないんじゃないかな?と思えるくらい情けない感じですが、そこにかえってリアリティを感じます。と言う訳で浮気とか苦手な人にはあまりおすすめできません。 そして賛否両論ありますが、この漫画のラスト、私は好きです。ところで、作中に散りばめられた生活雑貨たちが妙に可愛いなあ。



関根くんの恋/河内 遙


出典:©︎関根くんの恋

世にも稀なる残念な男関根圭一郎、三十路。仕事が出来て男にも女にもモテるイケメンエリートだが、「鈍感・受け身・器用貧乏」の三重苦がたたって、どこかピントのずれた人生を送ってきた。一念発起した関根君が向かったのは、小さな手芸用品店。編み目を数えるうちに思い出すのは、過去の忌まわしい記憶と、数音先輩の細い細い身体の感触......!?そして出会った手芸屋の孫娘・サラ。ついに関根くんの恋が始まる......かも。(エフコミックスより引用)


こちらも5巻完結。受け身のイケメンが恋をして、不器用ながらも一生懸命なところに癒されるおすすめ漫画。主人公の関根くんは一見完璧なのですが、恋に関しては本当に不器用、最初のうちはもしかしたら読んでいてイライラしてしまうかもしれません。


でも大丈夫、関根くんの苦悩がすごすぎて可愛くなります。きゅんとします。ジワジワ来ます。4〜5巻を繰り返し読んではハッピーエンドをかみしめてます。酸いも甘いも経験してきた女性に是非とも読んで欲しいほっこり作品。



カカフカカ/石田 拓実


出典:©︎カカフカカ

初めての相手でもある元彼とまさかのシェアハウスでの再会。そして、ふとしたはずみで彼と不可思議なヒミツを共有することに…!? イマとカコ、ココロとカラダ、いろんなものが交錯するやっかいな大人のラブストーリー!(KC KISSより引用)


珍しい設定で、面白くてハマってしまうゆるゆるな大人のラブストーリー。昔はイケイケな女子中学生だったのに、今や自分に全く自信の無い卑屈な女になってしまった主人公。男の子・本行の気持ちと態度が分かりにくくて振り回されてる主人公とそんなつもりはなくてただただマイペースな本行のお話。読んでるこっちも彼の感情が分からずモヤモヤしてしまいますが、その空気感がなんか好き。


そして、この漫画では大事な所でいつも横槍が入るのですが、そのタイミングがもう絶妙。でもその絶妙さ加減が面白いんです。社会人になって毎日バタバタしている女性には共感できるところが多いおすすめの作品だと思います。



東京タラレバ娘/東村 アキコ


出典:©︎東京タラレバ娘

「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いがさく裂する!!(KC KISSより引用)


一部の読者をズダボロになるまで殴る漫画。作者の観察力とデフォルメ力が高いし、キャラクターの落とし込みが上手くて、いるいる!あるある!がたくさん。これは流行るはずです。


33歳、脚本家、居酒屋オーナー娘、ネイリストの3人は、恋にも結婚からも遠く集まるといつもタラレバの話ばかり。 そこへイケメンモデルが絡んでくるというそれこそベタな少女漫画展開のギャップに戸惑いつつも面白い!大人の恋愛?ダメ恋作品です。



あとがき

穏やかなラブストーリー、大人の恋愛を描いたおすすめの漫画をご紹介してきました。胸キュンもいいけれど、たまには静かな大人の恋愛漫画もいいものですね。気になる作品が見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

面白いからサクサク読める!読書感想文にも最適、中学生に読んで欲しいおすすめの小説

多感な時期でもある中学生のうちに良質な小説に出逢えれば、きっと心豊かな大人になれるはず。そんな気持ちを込めて、中学生におすすめの小説をご紹介していきたいと思います。

はじめに

どれも大人になるまで付き合える素敵な本ばかり、もちろん大人が読んでも大満足の作品集です。すべて違う作家さんから選んでいますので気に入った本が見つかれば、ぜひその作家さんの別の小説も読んでみてくださいね。

中学生にもおすすめの小説

是非お気に入りの作品を見つけて下さいね。もちろん読書感想文の為の一冊を探している方にもおすすめの小説ばかりですよ。それでは思う存分お楽しみ下さい!

きみの友だち/重松 清


出典:©︎きみの友だち

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない…。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。(新潮社より引用)


大人になった今でもふと読み直したくなるおすすめの一冊。文章も、語り方も、とってもやさしい物語です。色々な主人公の登場する短編物語集なのですが、全ての物語は足の不自由な少女と、生まれつき重い病気をもつ少女の友情を中心とした、中学生の『友だち』をめぐって展開されています。


中学、高校時代の複雑な心の中や友達との距離感は、なかなか言葉になりません。それぞれたくさん悩んでいて、頑張っていて。少年少女の葛藤を感じることができ、この物語のそれぞれの人のストーリーを自分と重ね合わせながら読む事が出来ると思います。友だちの意味をこの本から学べますよ。


夜のピクニック/恩田 陸


出典:©︎夜のピクニック

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。(新潮社より引用)


みんなで夜歩く、ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。この本には十代の等身大の感性が描かれています。


80kmもの距離を一昼夜歩き続ける『歩行祭』淡々と歩き続ける中で交わされる会話やエピソードが高校生の姿をリアルに描いてあって長い道のりも退屈する事がありません。じんわり沁みてくる様な静かな感動が読む度に深まる作品です。そうそう、みんな青春してたしてた、懐かしいな。中・高生のときに読んでおきたかったおすすめの青春小説です。


失はれる物語/乙一


出典:©︎失はれる物語

少年や少女だった日のひりひりするような魂を上質の文章力と定評のあるストーリーテリングで描く傑作短編集。ブロードバンドシネマ「手を握る泥棒の物語」原作など全6編を収録。 (角川文庫より引用)


読みながらいろいろな感覚が襲ってくるような乙一さんの短編集、不思議な体験をして、失って、少し成長するお話です。登場する主人公は、人とのコミュニケーションが苦手で、閉じこもるタイプが多いのですが、でも一筋の希望のような出来事を通じて少しづつ踏み出していく姿に、心地の良い温かさを感じます。


こちらの短編集、人間の弱さというか、思春期の不安みたいな感じが全編通してあり、ドキドキしながら読み進めることができますよ。


ツナグ/辻村 深月


出典:©︎ツナグ

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。(新潮文庫より引用)


一生に一度だけ、死者と会わせてくれる『使者(ツナグ)』死ということがなにかを深く訴えかけられる作品です。


生きている人が死者に会いたいと思うのは、自分自身のため?相手を想ってのもの?愛おしさ寂しさ切なさといった美しい部分だけではありません。現実と向き合う事への覚悟が必要で、時に大きな痛みを伴います。そして痛みを抱えながらも前に進むしかない。


命について考えさせらるのと同時に、人との関わりについても深く考えさせられる一冊。辻村さんの作品はスラスラと読めて面白いので、中学生にも読みやすいと思いますよ。

辻村深月さんのおすすめ小説



リズム/森絵都


出典:©︎リズム

さゆきは中学1年生。近所に住むいとこの真ちゃんが、小さい頃から大好きだった。真ちゃんは高校には行かず、バイトをしながらロックバンドの活動に打ち込んでいる。金髪頭に眉をひそめる人もいるけれど、さゆきにとっては昔も今も変わらぬ存在だ。ある日さゆきは、真ちゃんの両親が離婚するかもしれないという話を耳にしてしまい…。(角川文庫より引用)


講談社児童文学賞と椋鳩十児童文学賞受賞。サラリと読みやすい作品で、子どもと大人の間、その葛藤を描いた青春小説です。どうして現実は自分の思い通りにならないんだっていう思春期の叫びみたいなものが詰まっていて、それでも嫌なことばかりじゃないよねと前向きな気持ちにさせてくれる物語。


『自分のリズムを大切にしろよ。一番大切なのはリズムなんだ』自分のリズムを刻む生き方や思考をもてるきっかけにもなり得るおすすめの一冊です。


空色勾玉/荻原規子


出典:©︎空色勾玉

輝の大御神の双子の御子と、闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、〈剣の主〉稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く…。神々が地上を歩いていた古代の日本を舞台に、絢爛豪華に織り上げられた、人気沸騰のファンタジー。(徳間文庫より引用)


日本神話を素材にした壮大で人気の高い作品。不老不死の輝の一族、転生で蘇る闇の一族、神々の戦いの物語です。大地を草木が覆い、まだ人々が国つ神に畏れをもって暮らしていた時代が舞台で、清らかな水の流れや土の匂いが伝わってくる上質な作品です。自然と人と神々の距離がごく近い世界を楽しめます。


グイグイと本の世界に呑み込まれ気付けば夢中で読み進められるとても面白いファンタジー。児童書にしては文章が少し硬い感じもしますが、その分、大人でも楽しめます。

おすすめのファンタジー小説 15選



青の炎/貴志祐介


出典:©︎青の炎

こんなにもせつない殺人者がかつていただろうか。光と風を浴びて、17歳の少年は、海沿いの道を駆け抜ける。愛する妹と母のために、氷のように冷たい殺意を抱いて…。 (角川文庫より引用)


最初から最後までずっと面白い倒叙ミステリ。倒叙というのは最初に犯人が明かされ、犯人の視点で物語が展開されていくタイプの作品。


ただ家族を守る為、頭の良い高校生が綿密に計画実行した完全犯罪が、意図も簡単に崩れ去ってしまいます。物凄くピュアで心優しいだけに彼が選んでしまった道とその結末に胸が締め付けられる救いようのない話ですが、その中にそれぞれの愛や美しさのある素敵な作品。

おすすめのミステリー小説 50選



ぼくらの七日間戦争/宗田理


出典:©︎ぼくらの七日間戦争

夏休みを前にした、1学期の終業式の日、東京下町にある中学校の、一年2組の男子生徒全員が、姿を消した。いったいどこへ…?FMラジオから聞こえてきたのは、消えた生徒たちが流す“解放区放送”。彼らは河川敷の廃工場に立てこもり、ここを解放区として、大人たちへの“叛乱”を起こしたのだ。PTAはもちろん、テレビや警察、市長選挙汚職事件までも巻き込んだ、七日間に及ぶおとなたちとの大戦争。中高生たちの熱い支持を受けつづける大ベストセラー。(ポプラ社より引用)


一学期の終業式の日、1年2組の男子生徒が突如大人たちへ反旗を翻した。大人に『子ども時代を思い出しなさい』って言っているような、いい子に育てたい大人のエゴに真っ向からぶつかっていく『ぼくら』の物語。


1クラス40人のメンバーを覚えながら読むのはなかなか難しいですが笑、中学生の頃に読んでいればきっとドキドキしただろうなと思えた作品。ひとつ気になることと言えばこれを読んで急に反抗期に突入しないでね。


ブレイブ・ストーリー/宮部みゆき


出典:©︎ブレイブ・ストーリー

僕は運命を変えてみせる―。東京下町の大きな団地に住み、新設校に通う小学5年生の亘は、幽霊が出ると噂される建設途中のビルの扉から、剣と魔法と物語の神が君臨する広大な異世界―“幻界”へと旅立った!時代の暗雲を吹き飛ばし、真の勇気を呼び覚ます渾身の大長編。(角川文庫より引用)


初めはどこでもいそうな平和な家庭の子どもの物語。けれど親の離婚問題で生々しい物語になったと思ったら、RPGのようなファンタジーになったり、色々と興味深くて時間を忘れスラスラ読めます。


本作は上・中・下巻からなる大長編。宮部みゆきさん独特のとても細かな風景、心理描写が圧倒的ボリュームで描かれていて読み応えが凄いです。一貫して『勇気』という一点について登場人物の色々な解釈があって面白いですよ!


西の魔女が死んだ/梨木香歩


出典:©︎西の魔女が死んだ

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。(新潮文庫より引用)


心をリラックスさせたいときに読む本。美しい自然と共に暮らす素敵なおばあちゃん。孫へのあふれる愛情がすごく伝わってくる作品です。そしてまるで草花の感触や香り、鳥たちの鳴き声が聞こえるような描写がとても素敵。


一つ一つの文章が表現が心にスッと入ってきて、奥底にある自分の考えや想いに気づかせてくれるはず。この本は思春期の女の子を強くしてくれるのではないかなと思います。大切な気持ちがたくさん詰まった一冊。


夏の庭/湯本香樹実


出典:©︎夏の庭

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ―。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが…。喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。(新潮文庫より引用)


人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、ご近所でいつ死んでもおかしくない、生きる屍と噂されているおじいさんを観察し始める小学校6年生の男の子3人組とおじいさんとの交流と友情が描かれた作品。


最初は怖れを抱いていた死という概念を、ある意味家族と同じように親密になったおじいさんの死を通して、彼等なりに消化し、前を向いて歩いていく…といっても物語自体は明るく描かれていて、微笑ましい描写もたくさん。穏やかでじんわりと心に染みるお話です。

絶対に泣ける小説 20選




あとがき

以上面白いからサクサク読める!本を読むのが好きになる。中学生に読んで欲しいおすすめの小説と題してご紹介してきました。どの作品も『読みやすく』て『面白く』そして『心に何かが残る』とても素敵な作品ばかりです。中学生に読んで欲しいとしましたが高校生、大学生、もちろん大人にも是非読んで欲しい名作ばかりですので気になるものが見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。

熱くなる!絶対にハマる!おすすめ熱血スポーツ漫画 20選!

読んでいると熱くなれるスポーツ漫画が大好きという人は男女に関わらず少なくないと思いますが、人気なジャンルだけに作品数が多い!比較的長期連載されているものも多いのでとっかかりにくいという方もいると思います。今回は数多くある作品の中から特におすすめの読み出すと絶対にハマる熱血スポーツ漫画を厳選してご紹介していきたいと思います。

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熱い!おすすめスポーツ漫画

野球、サッカーをはじめバレエやテニス、ラグビーなど様々な熱血スポーツ漫画をご紹介しています。お気に入りの一冊を見つけて思い切り熱くなって下さいね。作品は随時更新予定です。それではごゆっくりお楽しみ下さい!

ダンス・ダンス・ダンスール


出典:©︎ダンス・ダンス・ダンスール

主人公・村尾潤平は中学二年生。幼い頃にバレエに魅了されるも、父の死をきっかけに「男らしくならねば」とその道を諦める。バレエへの未練を隠しながら格闘技・ジークンドーを習い、クラスの人気者となった潤平だが、彼の前に、ある日転校生の美少女・五代都が現れる。母親がバレエスタジオを経営する都に、バレエへの興味を見抜かれ、一緒にやろうよと誘われるが――!?(ビッグコミックスより引用)


男子がバレエをする事に最初は抵抗を感じながらもその魔力に取り憑かれ、次第にどっぷりとハマっていくお話。主人公の役にハマっている時の表情がちょっとあれな時もありますが、迫力がすごいですし、とにかくストーリーがハラハラドキドキとても良い!超おすすめです!


ボールルームヘようこそ


出典:©︎ボールルームヘようこそ

俊英が贈るダンススポーツ青春譚、開幕!その一歩(ステップ)で僕は変わる――。平凡な中学生、富士田多々良(ふじた・たたら)は将来の夢も特に無く、無為な日々を過ごしていた。そんなある日、謎のヘルメット男に出会った多々良は訳もわからず連れ去られてしまう。男が向かった先は……何と社交ダンスの教室だった。ダンスの世界に一歩を踏み出した多々良の日常が、みるみる変わり始める――!! 剥き出しの才能が描く“ボーイ・ミーツ・ダンス”!! 踊り手の魂が交錯する舞踏室(ボールルーム)で繰り広げられる、激アツ! ダンスストーリーに酔いしれろ!!(講談社コミックス月刊マガジンより引用)


国際大会もあるぐらいアスリートの面がある社交ダンス。夢中になるものが特に見つからず、進路に悩んでいた主人公が社交ダンスの道に進んでいくお話。躍動感や迫力、熱さが伝わってくる絵で鬼気迫る臨場感が半端ありません!主人公だけでなく出てくる全ての人物のファンになってしまう素敵な漫画です。



ベイビーステップ


出典:©︎ベイビーステップ

マジメ少年+美少女×テニス=熱血スポコン!?――成績はずっとオールA!几帳面でマジメな“エーちゃん”が、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会ったことで、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!?快感、そして悶絶のらせん。数式じゃ表せない、衝撃的な人生の化学変化が始まった!!(講談社コミックスより引用)


テニスをしてる人にも、未経験者でも楽しめる作品。主人公が才能だけでなく地道な努力家なので思わず応援に熱がこもります。テニスという競技を戦略・知略的に描いていて、競技の奥深さや面白さが凄く伝わって来る素敵な漫画。テンポよくサクサクと読めてどんどんページが進む作品です。



少女ファイト


出典:©︎少女ファイト

「あの日から、友達は作らないって決めたんだから」大石練(おおいしねり)・15歳。バレーボールの名門・白雲山(はくうんざん)学園中等部に在籍。練はずっと自分を抑え続けていた。小学校時代に全国大会で準優勝したチームのキャプテンであったほどの実力を隠しながら。集団スポーツの中で、自分を殺さなければいけない理由は――。それでもバレーを辞められない想いとは――!! バレーボール群像劇スタート!(イブニングより引用)


主人公が悩みを抱えつつ進んでいく様子が応援したくなる、ポップな画風に似合わずすごく熱血スポ根マンガ。バレーのシーンは本当にかっこいいですし、さらっと入ってる恋愛の進展も気になり色々と楽しめます。独特の絵を受け入れられたら最高に面白い作品だと思いますよ!



ハイキュー‼︎


出典:©︎ハイキュー‼︎

おれは飛べる!!バレーボールに魅せられ中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?(ジャンプコミックスより引用)


高校男子バレー部漫画、部活漫画は数多くありますがバレーボールというのは新鮮ですよね!内容もただの熱血スポ根物ではなく、エンターテイメント性があって面白い。バレーに真摯に打ち込む姿勢に、読んでいて胸が熱くなりますよ!読んだら最後…ハマります。



火の丸相撲


出典:©︎火の丸相撲

弱小の大太刀高校相撲部に現れた1年生、“小さき”少年・潮 火ノ丸! 「デカく」「重く」が絶対の競技に似合わぬ体格のこの新入部員、実はとんでもない過去が!? 頂点・横綱を目指す――ド白熱高校相撲、開幕!!(ジャンプコミックスより引用)


相撲というテーマでちょっと敬遠してしまいがちですが、すごく面白くてスポ根マンガ好きにはたまらないと思います。相撲をやるうえで身体特徴的に不利な主人公が努力と情熱で横綱を目指し、高校相撲で最強を目指すこの作品。夢を叶えるために個性的な仲間と共に闘う主人公の姿がすごく格好いい!



おおきく振りかぶって


出典:©︎おおきく振りかぶって

県外の高校に進学した卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉(みはし・れん)。見学するだけと訪れたものの強引に入部させられたのは、全員1年生(くせ者揃い)に女監督(コワイ)という創設まもない野球部だった! オレらのエースは暗くて卑屈。勝つために、弱気なエースのために。行け、オレら! 読むとためになり、しかも血沸き肉躍り涙する。絶対に面白い本格高校野球漫画!(アフタヌーン KCより引用)


今までにないピッチャー像が印象的な漫画、才能はあるけれど、周りの力がないとそれを発揮できないよねっというお話です。中学時代のトラウマで卑屈な主人公が捕手の阿部くんのお陰で自信をつけていき、阿部くんも過去の事から投手を信用していませんが、バッテリーの信頼関係を徐々に築いていきます。練習シーンも試合も日常もうんちくも全部面白いおすすめのほんわか系野球漫画です!


ダイヤのA


出典:©︎ダイヤのA

中学全国大会を目標としていた沢村栄純(さわむら・えいじゅん)。最後の大会は自らの暴投で敗退してしまう。仲間とともに高校でリベンジを誓うなか、名門、青道高校野球部からスカウトが来る。見学に訪れた沢村は、いきなりエリート校の洗礼を受けることに!名キャッチャーの呼び声高い御幸一也(みゆき・かずや)との出会いが沢村の高校野球への情熱を目覚めさせる!!(講談社コミックスより引用)


野球推薦のスポーツエリート高校生がひしめく学校で、主人公がライバル達としのぎを削り切磋琢磨していくお話、男臭さがあってあっつい漫画です。キャラクターは個性的でかっこ良いですし、笑いあり、涙あり、熱血ありのストーリーで面白い!おすすめです!



MIX


出典:©︎MIX

舞台は明青学園。同年同月同日に生まれた同い年の兄弟とひとつ違いの妹。上杉兄弟の伝説から26年、運命の兄弟は今再び明青学園の扉を開く。そして、物語は始まる--- (ゲッサン少年サンデーコミックスより引用)


あの時代から数年後…。タッチと同じ『明青学園』を舞台にした熱血野球漫画。あだちワールド全開で、タッチを読んだことのある方は、共通点やあちこちに散りばめられた伏線を発見しながらワクワクして読めると思いますよ。



ALL OUT!!


出典:©︎ALL OUT!!

背が小さいことを気にしている祗園健次(ぎおんけんじ)は神奈川高校(ジンコー)の入学式当日、長身の石清水と、ひとつの球技に出会う。その球技とは――ラグビー。凸凹コンビが紡ぐ青春楕円物語、ここに開幕!! 男たちの熱いドラマを描く名手・かわぐちかいじも賞賛の本格高校ラグビー漫画!!(モーニング KCより引用)


高校の弱小ラグビー部に未経験の主人公が入部して、チームとともに成長していくこちらも王道的スポ根作品。この漫画を読むまでラグビーの知識はありませんでしたが、同じくラグビー初心者の主人公と同じ目線で読み進められるので話は難しくありません。キャラクターの一生懸命さに感動!



アイシールド21


出典:©︎アイシールド21

泥門高校1年・小早川瀬那。気弱な性格が災いし、幼き頃よりパシリ人生を送ってきた。だがそのおかげで(?)ズバ抜けた俊足を持つ瀬那は、悪魔のごとき男・ヒル魔によりアメフト部へと引きずり込まれるが!?(ジャンプコミックスより引用)


ヘタレで弱虫、臆病なパシリくんがだんだんと成長して…。天才に焦がれる凡人や体格での不利を自分の得意分野を極めて対抗するキャラ個人毎の苦悩や努力が描かれていて、登場人物一人一人が本当に魅力的、絵も綺麗でアメフトというスポーツの迫力が凄く伝わってきます。



アオアシ


出典:©︎アオアシ

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!(ビッグコミックスより引用)


ユースを舞台にしているワクワク感のすごいサッカー漫画。不器用だけれど、素直でひたむきな主人公が少しずつ開花していくのを見るのはやっぱりスポーツ漫画として面白い!がむしゃらに夢に向かって走るサッカー少年にきっと心を打たれますよ。



BE BLUES!~青になれ~


出典:©︎BE BLUES!~青になれ~

日本人に生まれたら、サッカーをやっているなら…日本代表のユニフォームを手に入れたい!誰だってそうだろ!一条龍は、本気で日本代表になることを夢みているサッカー少年だ。幼なじみの双子・優人と優希といっしょに、まずは全国少年サッカー大会で優勝を目指す!!1対1の躍動感!ゴール前の緊迫感!絶妙の連携プレーを成功させたときの高揚感!サッカーの醍醐味がここにある。本格サッカー大河ロマン堂々開幕!!(少年サンデーコミックスより引用)


サンデーのサッカー漫画に外れ無し!サッカーって面白いと強く思わせる作品です。主人公はただサッカーの天才なわけじゃなくて、強い心を持っています。だからこそどん底から這い上がる!胸が熱くなる漫画です。作者の躍動感のある絵も大好きです。



エリアの騎士


出典:©︎エリアの騎士

トップ選手も大絶賛!! これぞ本格サッカー漫画! “日本サッカーの至宝”“U-15の天才エース”と呼ばれる兄・逢沢傑(あいざわ・すぐる)に憧れながらも、とある過去の呪縛によって、マネージャー職に「逃げ」てしまった元FWの駆(かける)。人前ではボールを蹴れないそぶりを見せつつも、本当はサッカーをしたくてたまらない――。ジレンマだらけの駆だが、「お前は世界レベルのFWになれる!」という檄(げき)を浴びる。……厳しくやさしい「言葉」の主は、いつも仰ぎ見る兄だった!!(講談社コミックスより引用)


サッカーを愛する兄の傑、弟の駆、その幼なじみのセブンが織り成す壮大なサッカー物語。U-15日本代表の逢沢傑を兄に持つ駆は、過去の事故以来左足が使えず、サッカー部のマネージャーをしていました。そんな主人公が徐々にその実力を発揮し始め…。この作品は泥臭さがあまりないので賛否があると思いますが絵柄が可愛くて楽しく読めますよ。



DAYS


出典:©︎DAYS

少年たちは全力で、笑い、泣き、走る!心をジンジン刺激する!激熱サッカー漫画!!――何のとりえもない、特技もない。けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本(つかもと)つくし。孤独なサッカーの天才・風間陣(かざま・じん)。嵐の夜、交わるはずのないふたりが出会ったとき、高校サッカーに旋風を巻き起こす、灼熱、感動、奇跡の物語が幕を開ける!!(講談社コミックスより引用)


サッカー漫画4発目『DAYS』は、初心者つくしの成長物語。サッカー漫画にありがちな主人公が過剰に成長して活躍する漫画ではなく、不器用なまま成長してるのかわからないままちょっとだけ役にたったりたたなかったりが面白い!爽やかで読後感もとても良いですよ!



潔癖男子!青山くん


出典:©︎潔癖男子!青山くん

潔癖男子の青山くん――。 サッカー日本代表の天才イケメン少年はプレイスタイルも「潔癖」に仕上げます。ヘディング、タックル当然、NG。スローイン? グローブしてれば、まあOK。こんな男子が許されていいの!? 無菌系攻撃型サッカー部コメディ。(ヤングジャンプコミックスより引用)


ここら辺でコメディ枠もいれておきます!潔癖症ですごいサッカーセンスを持つ青山君。こんなにも笑えてかっこよくて潔癖なイケメンサッカー漫画が他にあるでしょうか?潔癖故の行動、思考がいちいち面白いです!そんな青山くんも汚れたくない、より負けたくないの方が勝ってるのが良い。



DEAR BOYS


出典:©︎DEAR BOYS

バスケの名門校・天童寺から瑞穂に転校してきた哀川和彦。哀川は廃部寸前だった瑞穂バスケ部への入部を希望した。175cmの身長でダンクを決める哀川の実力と、バスケにかける情熱で活動を再開した男子バスケ部。そして、最初の練習試合の相手が成田中央に決まった。(講談社コミックスより引用)


なんと15年以上前から連載していますが、漫画内では1年ちょっとしか経っていないという伝説の漫画 。本当にありそうなバスケ部が本当にありそうな出来事や問題を乗り越えながら一つになって、日本一を目指していきます。バスケに打ち込む姿、友情、恋愛まさに青春って感じの作品です。


少年ラケット


出典:©︎少年ラケット

記憶を失った少年・イチロー、そのイチローと2年前に再戦の約束をし、行方を追い続けたヨルゲン…。2人の少年の運命の再会をキッカケに、止まっていた“時間”が動き始める!! 世界最速の球技・卓球に青春を懸けた少年少女の物語が今、始まる!!(少年チャンピオンコミックスより引用)


可愛いらしい画風とは裏腹に、作品の世界観はすごく深い!この漫画は卓球の少し印象の暗い部分も変えてくれる位面白いです。 卓球という競技の魅力や奥深さにぐいぐいと引っ張られていきます。キャラクター全員を好きになってしまって、ライバル校も応援したくなってしまうのが難点。おすすめです!



KING GOLF


出典:©︎KING GOLF

最強のケンカ屋・蒼甫は、この日も朝から暴走族を潰し、彼らのバイクに乗って登校するという凶悪ぶり。だがそのとき、同じ高校の「霞見」という生徒が蔑むような視線で自分を見ていたことが気になり、しかも彼が有名なアマチュアゴルファーだと分かると、ますます気になってゴルフ部の練習場へ押しかける。そこで霞見に因縁をつけようとしたところ、谷川コーチが現れ「一打打ってみろ」という流れになって…!?(少年サンデーコミックスより引用)


ゴルフとヤンキーという異色の組み合わせのスポ根漫画。不良がゴルフにハマってとんでもない成長度で強くなっていきゴルファーのトップの座を目指すお話。不良がスポーツにハマる姿はなんとなく有名バスケ漫画を連想させられましたが面白いですよ!




あとがき

おすすめのスポーツ漫画をご紹介してきました。どの作品も凄く面白いですし、熱くなれるおすすめ作品ばかりです。読んでしまうときっと止まらなくなりますよ。もちろん『キャプテン翼』や『スラムダンク』、『タッチ』などの名作と言われる作品達も間違いなく面白いのでおすすめですよ。気になるものが見つかれば是非一度手に取ってみて下さいね。最後まで見て頂きありがとうございました!